エビフライのしっぽ

日々のちょっとした発見をときどき紹介します。
ほとんどはなんてことない日記です。

ゴダール『アワー・ミュージック』

2006年03月28日 | Weblog


昨日はさっさと仕事を切り上げて、『アワー・ミュージック』を観てきました。

サラエヴォの女子学生オルガは、自爆テロに間違えられて射殺されます。
死ぬことを選び、そしてそういう死に方を選んだのです。

ゴダールの熱狂的なファンとか映画通の人たちのこゆ~い論争は、
イメージフォーラムのサイトでじっくりご覧いただくとして・・・
予備知識ゼロの私の頭をめぐったことを、以下にメモ。


戦争も民族の違いも体感していないわたしの世界と、
オルガの生きている世界は全然ちがう。

信仰や、民族の違いの(ほとんど)ない日本では、
それぞれが持っている興味の対象・抱えている問題は、あまりにも個人的。
だから見知らぬ他人から、神妙な面持ちで思想をとつとつと語られるのは気持ちが悪い!
(私自身、blogでうっかり「語って」しまうたびに、軽く自己嫌悪に陥ります。)

日本で・この時代に・あの両親から・女として生まれた私が、
何かに殉じるとしたら、それは何だろう?
そういう、若者特有の熱っぽい考えは、人には見られたくないというか。

そういう感覚を生んでいるのはきっと、この日本の、この時代の空気のせい。

ああ、そうか。
だから、アワー・ミュージックなんだ。
それぞれの場所で、それぞれのやりかたで、決着をつけろと。

悩み苦しみ、納得のできる決着をつけられたら、
そこにはもう、来世が広がっていると(笑)
それが第三部の「天国編」なのだと、私は解釈しました。

たいがいの人は死ねずに、吐露したい「何か」を絵や音楽や映像やその他いろんなことで吐き出し続けるんでしょうなぁ。
なにやら小難しいことを言ってるゴダール自身だって、結局生きて映画を撮り続けているわけでしょ?


ここのとこ、ずしっと心に響くものを立て続けに観たので、
次は何か軽やかな感じのものを・・・(笑)
そう思った矢先、隣の席の男の子に『ハウルの動く城』を借りました。
グッドなタイミングです。帰って観よー♪