263-102 「クララとお日さま」

カズオ・イシグロ著　もちろんネタバレ

うーん。うーん。
クララの目線で進む語りが、
直近に読んだ「日の名残り」を彷彿とさせます。
クララの役割も忠実な執事みたいだし。
ところが購入者からは
病弱な娘亡き後の身代わり（？）要員と
目されていたとは。
お日さまへの信仰の純朴さ。
（太陽エネルギー駆動なのでやむなし？）
汚染物質をまき散らす
謎のクーティングズマシン。
少女の父はその存在さえ知らなかった。
奇跡が起きて元気に成長すると、
愛してくれた少女は大学へ。
次の帰省ではもういないかもしれないのねと言いながら。
感情移入できる相手がクララだけなので、
切ない。
てっきり友人以上の家族として
クリスマスにはクララを迎えるような気がしていた。
母親には計画を知っているクララが重荷・目ざわりだったかも。
最後に廃品置き場で平和に過ごす様子が描かれる。
機械としての終焉が来るまで
いろんなことを考えているのだろう。
「Ａ．Ｉ．」と同じように見てしまう私には、
イシグロの伝えたかったことは
よくわからなかった。

久々に福岡県が２桁に。
なんとかこれで収まってくれー