システム担当ライブラリアンの日記

図書館システムやサービス系の話題を中心に。最近、歩き旅の話題も。

『南紀と熊野古道』(街道の日本史36、2003)

2024-09-09 20:49:15 | 本の紹介
『南紀と熊野古道』(街道の日本史36、2003)
ISBN ‏ : ‎ 978-4642062367

部分的に興味を引いたところをメモ。

●紀勢線のルート決定、興味深い。
確かに、御坊〜印南は不自然に山側ルート(御坊駅からの紀州鉄道も、町中心部から駅が遠いから建設されたとか)。
発電所やダム建設で、木材の筏搬出ができなくなる対応でもあったとか。

さらに、紀伊半島沖の航路は「幹線中の幹線」だったが、陸上交通が主体になると、半島は「陸の孤島」に。そして紀勢線が熱望されたと。
車社会が見直される日もあろうと。「敷設に尽力した先人の努力がふたたび見直されるであろう」。
ホントにそうなってほしい。あんな高速は緑ナンバー専用にすればよい。

●p.214~南方熊楠に絡めて、1906年の神社合祀令や、神社林について。
中辺路を歩いていると、旧王子の説明でドコドコに合祀されたという文面をよく見る。この合祀令が関係か。

神社の木も伐採、売却とか。「保存が不首尾に終わったのが野中の一方杉と呼ばれる継桜王子の社叢」(p.218)。結構立派な木があるが、元は30数本あったとか。神木の売却代金が新しい神社の建築費になってたとかで、結局参道両側の9本以外は皆伐と。
南方熊楠は保存の努力が実らず、当分蟄居謹慎。
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