とね日記

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サクライ上級量子力学〈第1巻〉輻射と粒子:J.J.サクライ

2012年04月01日 13時40分17秒 | 物理学、数学
サクライ上級量子力学〈第1巻〉輻射と粒子

1967年に出版されてから長年読み続けられてきた名著「Advanced Quantum Mechanics: J.J.Sakurai」の日本語版は2年前に出版された。(ブログ記事)ようやく1冊目を読み終えたところだ。(計算機のオークションにばかりに熱中していたわけではない。)

本書の内容を高校生向でもわかるように書けば次のようになるだろう。

量子力学と特殊相対性理論の両方を満たすように物理法則を修正すると相対論的量子力学と呼ばれる分野になる。このもとで電子や光子の力学的、電磁気学的な振る舞いを記述する方程式を求め、ミクロの世界における物理現象の解明のスタート地点とする。

第I巻の副題は「輻射と粒子」というものだが、輻射というのは「光」つまり電磁波のことで、電子や陽電子などの粒子に光が照射されることで原子レベルのスケールで電磁場を量子化すればどのように光子が放射、吸収されるのかが計算できるようになる。つまり電子や陽電子、光子などが生成・消滅したり、ミクロの世界で光子がどのように散乱されるかなどがわかるのだ。特殊相対論を加味することで、量子力学や電磁気学だけでは説明のつかない現象や粒子の性質が次々と明らかにされていく。

量子力学と電磁気学の両方の要請を満たす「量子電磁力学」や「場の量子論」という分野の入門書である。本書では学んだことをさらに発展させ、電子だけでなく中間子やニュートリノを始めとするスピン1/2の粒子(フェルミ)粒子で成り立つ法則の解説へと進んでいる。つまり、素粒子物理学、原子核物理学の入口本でもあるわけだ。

今回僕が本書を選んだのは「ファインマンさんの流儀:ローレンス M.クラウス著、吉田三知世訳」や「物理法則はいかにして発見されたか:R.P.ファインマン」を読んでファインマン先生が苦労された量子電磁気学の世界をもっと深く知りたくなったからだ。第1巻ではファインマン・ダイヤグラムを使った電子と光子の相互作用、光子-電子散乱、ラム・シフト、ディラック方程式、ディラック場の量子化、弱い相互作用におけるパリティ非保存などを学ぶことができる。


特に僕の興味をひいたのは第3章7節で解説される「高速微細振動(ツィッターベヴェーグング)と負のエネルギーの解」という箇所だ。「Excelで学ぶ量子力学―量子の世界を覗き見る確率力学入門:保江邦夫」や「量子力学と経路積分:R.P.ファインマン、A.R.ヒッブス」という記事で紹介したように電子はジグザグに進むブラウン運動をする。これは電子の高速微細振動によっておきる。(断定的に書いたがこれはまだ実験で検証されたわけではない。論点は電子のランダムウォーク(ブラウン運動)がツィッターベヴェーグングに起因するものかどうかということであるが、理論的な仮説のよりどころとしては「G. N. Ord, and J. A.Gualtieri, The Feynman Propagator from a Single Path (PDF)」をお読みください。ただ、この論文ではツィッターベヴェーグングとランダムウォークの関係が直接示されているわけではないのでご注意ください。)

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2017年8月に追記: 高速微細振動(ツィッターベヴェーグング)が検証された。

電子の「震え現象」を検証、新たな揺らぎ現象を発見(東京大学)
https://research-er.jp/articles/view/61738

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「自由粒子波動関数について正だけでなく負のエネルギーをもつ平面波解を導入することによって電子の高速微細振動の角振動数と振幅が計算でき、その結果が本書で示されている。

さらに第3章9節ではディラックの空孔理論(ディラックの海)の枠内で原子内電子の高速微細振動についての議論が紹介される。原子内の電子とディラックの海の中の負のエネルギーの電子が交換散乱する状況において、エネルギーが励起している電子が元の位置から離れられる最大距離のオーダーが高速微細振動による位置のゆらぎと一致している。

高速微細振動(ツィッターベヴェーグング)についてはT_NAKAさんが記事をお書きになっている。

Zitterbewegungのwikiを読む
http://teenaka.at.webry.info/200804/article_27.html


タバコの煙の粒のブラウン運動は、空気中の酸素や二酸化炭素の分子が煙の粒子に衝突することによって引き起こされるという「外的要因」によるものであるが、電子のブラウン運動はこのような量子力学的な要因によるものなので根本的に違うということが具体的に理解できたのがよかった。

昨年からブラウン運動について金融工学の「ブラック・ショールズ方程式関連本」や「伊藤清先生の確率論の教科書」などで学んでいたが、これらの本でははっきりしなかった電子のブラウン運動の物理的な有り様を理解できたのがよかった。その確率分布が正規分布になるかどうかについては書かれていなかったけれども、とりあえず手がかりが得られたのでよしというレベルだ。


場の量子論への入門書としてお勧め本なのだが、本書の元となった英語出版されたのが1967年だということには注意しておいたほうがよい。この時期には電弱統一理論やクォークの量子色力学はまだ発表されてはおらず、本書で紹介されている2成分ニュートリノについても現在とは異なり当時はまだこの粒子の質量は0だと考えられていた。そのような箇所については翻訳者による脚注の中で解説がなされている。

本書が書かれた時代的な背景を了解した上でお読みいただきたい。多くの方が述べているように、具体的な物理現象との結びつきを常に意識した解説がたくさん盛り込まれ、教育的配慮に満ちた本なので独学するのに適している。


著者の桜井純先生は1933年に東京で生まれ、終戦後の高校時代にアメリカからの留学生招請の選考に合格し、その後アメリカの高校、大学で物理学を学んだ。

先生が渡米されたのは1949年のこと。当時敗戦国日本の高校生が渡米するのは非常にめずらしいことだった。その後、ハーバード大学卒、コーネル大大学院、カリフォルニア大学(UCLA)の教授を歴任、素粒子物理学の分野で幾つかの独創的理論を提出した。1982年にCERNに出張中49才で急逝された。

日本語版は2巻に分かれている。

サクライ上級量子力学〈第1巻〉輻射と粒子


サクライ上級量子力学〈第2巻〉共変な摂動論


第1巻の内容(「BOOK」データベースより)
量子力学上級編の教科書として長年親しまれてきたJ. J. サクライの名著"Advanced Quantum Mechanics"の邦訳。
訳書第1巻には第1章~第3章を収める。古典的なスカラー場やマックスウェル場を扱うラグランジュ形式を紹介。また、輻射(電磁場)の量子化を行い、レイリー散乱(光子‐原子弾性散乱)やトムソン散乱(光子‐電子散乱)などを量子力学的に扱う方法を示す。更に、ディラックによる相対論的電子論とその応用に関する本格的な解説を行うほか、ディラック場にも量子化を施して量子場の相互作用の扱い方を論じ、弱い相互作用による素粒子の崩壊過程に言及する。

第2巻の内容(「BOOK」データベースより)
第2巻には,量子場の共変な摂動論を解説する第4章と付録を収める。相互作用表示とS行列展開の一般論から始めて、具体例としてモット散乱(電子‐クーロン場散乱)やハイペロンの崩壊、電子‐ 陽電子対消滅やコンプトン散乱(光子‐電子散乱)、核子間相互作用やメラー散乱(電子‐電子散乱)などを扱いながら、電子・光子・中間子の伝播関数やファインマン規則、断面積の計算方法などを理解しやすい教育的な形で提示してゆく。また、量子電磁力学における繰り込み理論を概説する。


そもそも、この本が読めるレベルに達していらっしゃる方は、英語版でも構わないかもしれない。

Advanced Quantum Mechanics: J.J.Sakurai




サクライ先生による量子力学への入門書は以下のものである。入門書とは言っても量子力学の教科書の中では「中級レベル」なのだが。

現代の量子力学〈上〉J.J.サクライ」(第2版


現代の量子力学〈下〉J.J.サクライ」(第2版


演習現代の量子力学―J.J.サクライの問題解説


サクライ先生が独自に量子力学全体を考えなおして論理を再構築しようとしたものでシュレーディンガー方程式も、微分演算子も本書では与えられた仮定ではない。よく見かける通常の教科書とは異なり、全ては明確に提示された基礎概念から、極めて自然に導き出されている。サクライ先生がいかに量子力学をよく理解し、奇才だったかがうかがい知れる教科書である。

「現代の量子力学: J.J.サクライ」については2009年に読み、理解不足のつたない記事として投稿しているので、よろしければお読みいただきたい。

現代の量子力学〈上〉J.J.サクライ
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/24fd19db8b5e2169820606e076972fed

現代の量子力学〈下〉J.J.サクライ
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/a6ce1bc17d265ec766198418965a2c37

「現代の量子力学: J.J.サクライ」は英語の初版を邦訳したものだが、英語版のほうは2010年7月に第2版が出版された。初版との違いは「This revised edition retains the original material, but adds topics that extend its usefulness into the 21st century. Students will still find such classic developments as neutron interferometer experiments, Feyman path integrals, correlation measurements, and Bell's inequality. Updated material includes time independent perturbation theory for The Degenerate Case which can be found in 5. New supplementary material is at the end of the text. 」ということだそうである。

Modern Quantum Mechanics (2nd Edition):J.J.Sakurai, Jim J. Napolitano



関連記事:

サクライ上級量子力学〈第2巻〉共変な摂動論:J.J.サクライ
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/ef07c6e9d17863ca8e6c48959925783e

相対論的量子力学:森田正人、森田玲子
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/1002e77ccbe4253f35e97138164f1640

相対論的量子力学:西島和彦
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/7faabe0bcdf04c05bccf0aa129a1fba1

古典場から量子場への道: 高橋康著
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/9315c8336e6b582d7e8a7af63640bdc8

量子場を学ぶための場の解析力学入門: 高橋康著
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/e5ebbd29d17ffac8ce95d0ca8cc5e099


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第1章:古典的な場
- 粒子と場
- 離散的な力学系と連続的な力学系
- 古典的なスカラー場
(共変な表記法、中性スカラー場、湯川ポテンシャル、複素スカラー場)
- 古典的なMaxellの場
(基本的な場の方程式、ラグランジアンとハミルトニアン、ゲージ変換)
- 量子力学におけるベクトルポテンシャル
(シュレディンガー理論による荷電粒子の取り扱い、Aharonof-Bohm効果と磁束の量子化)
- 練習問題

第2章:輻射の量子論
- 古典的な輻射場
(横波条件、Fourier展開と輻射振動子)
- 生成演算子、消滅演算子、個数演算子
(輻射場の量子化、光子の状態、フェルミオンの演算子)
- 量子化された輻射場
(輻射場のゆらぎと不確定性関係、古典的な記述の正当性)
- 原子による光子の放射と吸収
(光子の放射と吸収を表す行列要素、時間に依存する摂動論、原子による光子の自発放射、Planckの輻射則)
- Rayleigh散乱、Thomson散乱、Raman効果
(Kramers-Heisenberg公式、Rayleigh散乱(光子-原子弾性散乱)、Thomson散乱(光子-電子散乱、Raman効果(光子の非弾性散乱))
- 共鳴散乱と輻射減衰
- 分散関係と因果律
(前方散乱振幅の実部と虚部、因果性と解析性、屈折率と光学定理)
- 束縛された電子の自己エネルギー:Lambシフト
(自己エネルギーの問題、原子準位のずれ、質量の繰り込み、BetheによるLambシフトの取り扱い)
- 練習問題

第3章:スピン1/2粒子の相対論的量子力学
- 相対論的量子力学における確率の保存
- Dirac方程式
(Dirac方程式の導出、保存する流れ、表示の任意性)
- 単純な解;非相対論近似;平面波
(大きい成分と小さい成分、静電的な問題に対する近似ハミルトニアン、静止している自由粒子、平面波解)
- 相対論的共変性
(Lorentz変換と回転、Dirac方程式の共変性、空間反転、簡単な例)
- 双一次共変量
(双一次共変量の変換性、電荷電流密度のGordon分解、自由粒子のベクトル共変量)
- Heisenberg表示によるDirac演算子、Heisenbergの運動方程式、運動における保存量、Dirac理論における”速度”)
- 高速微細振動(ツィッターベヴェーグング)と負エネルギーの解
(αとxの期待値、負エネルギー成分の存在、Kleinの逆理)
- 中心力問題:水素原子
(一般的な考察、水素原子)
- 空孔理論と荷電共役変換
(空孔と陽電子、Dirac理論におけるThomson散乱、仮想的な電子-陽電子対の効果、荷電共役な波動関数)
- Dirac場の量子化
(量子化を施さないDirac理論の困難、Dirac場の第二量子化、陽電子を表す演算子とスピノル、電磁相互作用と湯川型相互作用)
- 弱い相互作用とパリティ非保存
(相互作用の種類、粒子系のパリティ、Λハイペロンの崩壊、2成分ニュートリノ、π中間子の崩壊とCPT定理)
- 練習問題
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13 コメント

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ツィッターベヴェーグングはブラウン運動なのか? (T_NAKA)
2012-04-02 10:50:12
ブラウン運動というのは、不規則(ランダム)な運動と理解しています。
それに比べて(少なくても自由運動する電子の)ツィッターベヴェーグングというのは一定周期の振動ではないでしょうか?
つまり、「ツィッターベヴェーグング≠ブラウン運動」と思っているんですが、違うのでしょうか?

これに関しては、私の知識のソースは wikipedia のみなので間違っているかも知れませんが。。

「Zitterbewegungのwikiを読む」の再掲
http://teenaka.at.webry.info/201201/article_34.html

返信する
Re: ツィッターベヴェーグングはブラウン運動なのか? (とね)
2012-04-02 11:04:08
T_NAKAさん

意外な盲点を突いていただきました。僕がこれまでに読んできた量子力学系の本の記述から電子の運動はランダム運動(=ブラウン運動)だと理解しています。

一定周期の振動であるという考え方もあるかもしれませんね。もう一度自分のもっている本を調べなおしてみますね。

T_NAKAさんのお書きになった記事も本文中に紹介させていただきました。
返信する
Re: ツィッターベヴェーグングはブラウン運動なのか? (とね)
2012-04-02 11:18:46
T_NAKAさん

本書の該当箇所を読みなおすと、ツィッターベヴェーグングは一定周期の振動ですね。(角振動数と振幅が一定値として計算できているわけですから。)

電子がランダム運動していることはファインマンの経路積分の本をはじめ、いくつかの本で書かれていましたので実際の動きはランダムなのでしょうけれども、ツィッターベヴェーグングと直接結びつけることには飛躍がありそうだと思いました。もう少し考えてから今夜にでも本文の内容を修正します。

ご指摘ありがとうございました。
返信する
Re: ツィッターベヴェーグングはブラウン運動なのか? (とね)
2012-04-02 12:03:49
T_NAKAさん

以下のページの説明によればツィッターベヴェーグングにより振動している電子はブラウン運動するということになります。
http://www6.ocn.ne.jp/~kishi123/page066.html

でも「電子 ジグザグ運動」というキーワードで検索すると固体中の電子の運動(物性物理学)や熱電子の拡散というような文脈で使われていることが多いですね。
返信する
サムライかと思った (hirota)
2012-04-02 12:40:55
確率過程量子化で書かれた教科書って、あったんだ!
もの好きだけがやってる事だと思ってた。
返信する
Unknown (T_NAKA)
2012-04-02 12:44:37
ご指摘のページでの複合ポアソン過程の式を見ると、λが実数の場合にのみ、その意味をもつものではないでしょうか?しかし、伝播関数に現れているのは虚数なので、少し乱暴な議論のように思えました。
さらに、普通にクライン・ゴルドン方程式の平方根のディラック方程式を解いてツィッターベヴェーグングの振動が一定周期であるのと、ブラウン運動とが結びつきませんし、量子力学を語るのに経路積分・伝播関数を用いなければならないというものでもないと考えますし。。
返信する
Re: サムライかと思った (とね)
2012-04-02 13:16:58
hirotaさん

> 確率過程量子化で書かれた教科書って、あったんだ!

「Excelで学ぶ量子力学―量子の世界を覗き見る確率力学入門:保江邦夫」のことをおっしゃっているのですね。保江先生は武道家でもいらっしゃいますので、その意味でもサムライです。

武道v.s.物理学
著者: 保江邦夫
http://www.bookclub.kodansha.co.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2724758

返信する
Re: ツィッターベヴェーグングはブラウン運動なのか? (とね)
2012-04-02 13:23:27
T_NAKAさん

確かにご紹介したページの中のλは実数のはずですね。

> クライン・ゴルドン方程式の平方根のディラック方程式を解いてツィッターベヴェーグングの振動が一定周期であるのと、ブラウン運動とが結びつきませんし、

僕もそのあたりの結びつきがはっきり示す材料を得ているわけではありません。探してみます。

経路積分・伝播関数で量子力学を語ることについてはどちらかというと僕の「好み」ですね。ファインマン先生ファンなものですから。。。本質的な議論になっていなくてすみません。
返信する
Re: ツィッターベヴェーグングはブラウン運動なのか? (とね)
2012-04-02 19:47:33
説得力には欠けますが、ツィッターベヴェーグングとブラウン運動の関連性について述べている次のようなページを見つけました。

まず、ありきたりですがウィキペディアの記事です。

ウィキペディアの記事(Feynman chekerboard)
http://en.wikipedia.org/wiki/Feynman_checkerboard
Subsequently the roles of Zitterbewegung, antiparticles and the Dirac Sea in the Chessboard model have been elucidated

ウィキペディアのこの記事は、次の論文が元になっているそうです。
The Feynman Propagator from a Single Path
http://arxiv.org/abs/quant-ph/0109092

あと、このような本も見つけました。1962年出版のようですが。
http://books.google.co.jp/books?id=DWo7lVRVnhcC&pg=PA325&lpg=PA325&dq=Zitterbewegung+brownian&source=bl&ots=UlVjv2cTZj&sig=r0NjKnXSOREVaASAv7gUufeHKBM&hl=ja&sa=X&ei=NjV5T-elM8TImQXvhZHpDw&ved=0CE0Q6AEwBA#v=onepage&q=Zitterbewegung%20brownian&f=false
返信する
ツィッターベヴェーグングはブラウン運動なのか?(2) (T_NAKA)
2012-04-03 09:58:44
ご指摘の Cheker/Chessboard model というのは新しい解釈のように思えました。モデルとして分からないではありません。
ただ私は、ツィッターベヴェーグングは周期的な振動のように思え、それをブラウン運動と解釈するとか、確率力学でのジクザグ運動の元となるとは考え難いと感じています。
確かに、量子論では確定された軌道というのは在りえないでしょう。
そうすると、
http://en.wikipedia.org/wiki/Zitterbewegung
に書いてある最後の式の x_k(t) というの軌道なのでしょうか?
普通に考えれば、そこに書いてあるように position operator at time t であり、軌道そのものではなく、波動関数(この呼び方はきらいで「状態関数・ベクトル」というべき)に作用させて得た固有値が実測値になると考えるべきでしょう。(この場合、連続固有値になって具合が悪いのですが、、) 
そこに周期的な振動であるツィッターベヴェーグングとランダムなジグザグ運動を結びつけるものがあるかも知れませんね。ただ私にそれを理論付ける能力は有りませんが。。
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