とね日記

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定本 解析概論:高木貞治

2016年01月23日 18時00分12秒 | 物理学、数学
定本 解析概論:高木貞治

内容紹介:
「高木の解析概論」として知られる解析学の名著を、著者の没後50年を記念して読みやすく組み直し定本とする。刊行以来70年以上にわたって読み継がれ、その後の微分積分学入門書のお手本となった。数学を学ぶすべての人の座右の書として不動の地位をしめる。新版にあたり黒田成俊による高木函数の解説を補遺として加えた。
2010年刊行、536ページ。

著者について:
高木貞治(たかぎていじ): ウィキペディアの記事
1875年岐阜県に生れる。1897年東京帝国大学を卒業、後渡欧。1900年東京帝国大学理学部助教授。1904年同大学教授。1936年東京帝国大学を停年退官。1925年日本帝国学士院会員。1940年文化勲章受章。1960年没。

高木貞治先生の著書、関連書籍: Amazonで検索


理数系書籍のレビュー記事は本書で294冊目。

本書はあまりにも有名すぎて、あえて紹介するまでもないと思えるが、「解析学入門のための教科書談義」という記事で取り上げたので、これを機会に再読してみた。

大学1年のときに「解析概論 改訂第3版」が微積分学演習という科目の副読本として指定されていた。卒業後、ほとんどの教科書は捨ててしまったのだがこの古いハードカバーの本だけは捨てることなく、今でも本棚に収まっている。

再読してみたといっても学生時代には試験に出る範囲を拾い読みしていた程度。高校数学のイメージでしか微積分を考えられない僕にとって、この本は「いつか読破してやるぞ。」と読むのを先送りしていた学術書だった。処分できなかったのは「先送り」の結果である。学生時代の僕には高木貞治先生の功績や本書の価値は全く理解できていなかった。

他の数学書はいざ知らず、解析概論はときおり無性に読みたくなるのである。同じ想いをしている方も多いようだ。僕のように「学生時代にやり残してしまった勉強への未練」が動機になることもあるだろうし、むかし挑戦して挫折感を味わった本へ再挑戦したい、名著なのに読んでいないので損をした気分になっているなど理由は人それぞれなのだろう。

本書を読みたいと思った理由がもうひとつあることに気が付いた。学生時代はすぐ答の出る微積分演習のような数学が好きで、時間と労力のかかる厳密な証明はまどろっこしく感じていた。ところが卒業して社会に出てみると、ぶち当たる問題は不確実でマニュアルどおりの解法が通用しないものや、思い通りにいかないことばかり。手間はかかるけれども厳密な手順さえ踏めば、理路整然と結果が得られる世界がいかに貴重なものだったか思い起こされるのである。不確実な現実社会に生きているからこそ、確かなものへの憧れが生じているのだと気が付いたのだ。

これらの気持ちを総じて「解析概論病」と僕は名付けることにした。

初版から定本まで、次のような本が刊行されている。

初版(1938年)岩波書店
増訂版(1943年)岩波書店
改訂第3版(1961年)岩波書店
改訂第3版 軽装版(1983年)岩波書店
定本(2010年)岩波書店 - 補遺に黒田成俊「高木函数の解説」が追加。

微分積分学の永遠の名著
あらゆる数学の教科書が手本とした書
新たに高木函数の解説を補い新版として登場!
https://www.iwanami.co.jp/moreinfo/0052090/top.html

お読みになるのなら2010年に刊行された軽装版の「定本 解析概論:高木貞治」がよいだろう。La TeXを使って美しく組み直されているにもかかわらず「関数」は「函数」のままである。実解析(実数関数の微分積分学)と複素解析(複素関数の微分積分学)の両方を含んでいる。記述に味わいのある教科書だ。章立ては次のとおり。

改訂第三版序文
改訂第二版序文
第一版緒言
定理索引
第1章:基本的な概念
第2章:微分法
第3章:積分法
第4章:無限級数、一様収束
第5章:解析函数、とくに初等函数
第6章:Fourier式展開
第7章:微分法の続き(陰伏函数)
第8章:積分法(多変数)
第9章:Lebesgue積分
附録I:無理数論
附録II:二、三の特異な曲線
補遺:いたるところ微分不可能な連続函数について(黒田成俊)


今回通読してみてまず思ったのは「古い本にもかかわらず新しいと感じた」ということだ。でもこれは僕が最近高瀬先生の「微分積分学の史的展開 ライプニッツから高木貞治まで」や「微分積分学の誕生 デカルト『幾何学』からオイラー『無限解析序説』まで」を読んで黎明期の微積分学に馴染んでしまっていたからだと思う。解析概論を新しいと感じたのはやはり錯覚である。

第4章までは学生時代にも読んでいたが通読して初めて気が付くことが多かった。「中間値の定理」がその代表例なのだが、直観的に当たり前なこの定理の証明を学生時代にはつまらない、退屈なものと決めかかっていた。この定理は後のページで微積分の別の定理の証明に用いられることが通読して初めてわかる。厳密な証明の積み重ねを楽しみ、味わうことは今回経験した最大の愉しみだった。

面白くなってきたのは第5章から。本書では「解析的延長」と表現されている複素関数の「解析接続」、多変数の積分、ルベーグ積分の箇所がよい感じ。それぞれ他の本で学んでいたので復習がてらに通読すると厳密さを保ちながら、無駄なく緻密に証明と解説が進んでいることに気が付かされる。そしてなぜだかわからないが他の数学書にはない「情」のようなものを感じるのだ。

解析学の教科書には通常あまりみられない「ルベーグ積分」があるのも本書の特徴だ。この積分は数理ファイナンスを学ぶためには必須である。金融、経済の世界では為替や株価など計算の対象値の変動が確率解析、確率過程で示されるようなジグザグの動きをするからだ。

学生時代には数理ファイナンスなど学ぶつもりがなかったからこういう積分があることは知っていても、なぜこんな不自然でとってつけたようなジグザグ関数の積分を考えるのか理解できていなかった。やはり僕にとって数学は「何かの役に立つ」ことが学ぶための動機付けに必要なのだ。


今回通読したことで僕は若き日の自分との約束を果たしたことになる。解析概論病はとりあえず治ったが、いつ再発するとも限らない。近いうちにまた本書を読みたのなるのではないかという気がしている。

今回の紹介記事は、もちろんみなさんにこの病に感染していただくために書かせていただいた。


余談:改訂第3版 軽装版」は昨年アニメに登場してネット民たちを沸かせたことで知られている。

参考リンク:「(祝)解析概論アニメ出演」、「あるアニメの中の解析概論
アニメのこの回は次のリンクから視聴できる。: TVanime55 ニコニコ動画


最後に高木貞治先生の生涯を知るための本も2つ紹介しておこう。

高木貞治 近代日本数学の父 (岩波新書):高瀬正仁




高木貞治とその時代: 西欧近代の数学と日本:高瀬正仁




関連ページ:

高瀬正仁 解析概論の系譜
http://www2.tsuda.ac.jp/suukeiken/math/suugakushi/sympo19/19_15takase.pdf

高木貞治の『解析概論』の思い出
http://www.nagaokaut.ac.jp/j/nyuushi/bookguide/bg_04.pdf

高木貞治「解析概論」
http://homepage2.nifty.com/aquarian/Book/Bk7.htm

日本数学会 高木貞治50年祭記念事業
http://mathsoc.jp/meeting/takagi50/

日本数学会 高木貞治50年祭記念講演会 ビデオ
http://mathsoc.jp/videos/takagi50.html

高木貞治先生自筆ノート
http://gazo.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/takagi/takagi.html

第二次世界大戦と高木貞治
http://www2.tsuda.ac.jp/suukeiken/math/suugakushi/sympo17/17_14kimura.pdf

近現代日本人数学者列伝~高木貞治~(前編)
http://toyokeizai.net/articles/-/1809

近現代日本人数学者列伝~高木貞治~(後編)
http://toyokeizai.net/articles/-/1868


関連記事:

解析学入門のための教科書談義
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/22c325e49cfd7c721679dbc2896b86a4

大学で学ぶ数学とは(概要編)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/07137c47d16d95ddde8f5c4cb6f37d55

大学で学ぶ数学とは(実用数学編)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/975ad3faa2f6fd558b48c76513466945

線形代数学入門のための教科書談義
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/9d2ac30c9f5f620ad703304d710ed90b

ちょっと気になる常微分方程式の本
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/779e59b0996c582373308c0a4facf16f

ルベグ積分入門(新数学シリーズ23):吉田洋一
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/b48ebd53c2e741330526f5d3ff71586f

ルベーグ積分入門:伊藤清三
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/686a82d413fe6668cb776488820b1b39


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定本 解析概論:高木貞治



改訂第三版序文
改訂第二版序文
第一版緒言
定理索引

第1章:基本的な概念
 1. 数の概念
 2. 数の連続性
 3. 数の集合・上限・下限
 4. 数列の極限
 5. 区間縮小法
 6. 収束の条件 Cauchyの判定法
 7. 集積点
 8. 函数
 9. 連続的変数に関する極限
 10. 連続函数
 11. 連続函数の性質
 12. 区域・境界
  練習問題(1)

第2章:微分法
 13. 微分 導函数
 14. 微分の方法
 15. 合成函数の微分
 16. 逆函数の微分法
 17. 指数函数および対数函数
 18. 導函数の性質
 19. 高階微分法
 20. 凸函数
 21. 偏微分
 22. 微分可能性 全微分
 23. 微分の順序
 24. 高階の全微分
 25. Taylorの公式
 26. 極大極小
 27. 接線および曲率
  練習問題(2)

第3章:積分法
 28. 古代の求積法
 29. 微分法以後の求積法
 30. 定積分
 31. 定積分の性質
 32. 積分函数 原始函数
 33. 積分の定義の拡張(広義積分)
 34. 積分変数の変換
 35. 積の積分(部分積分または因子積分)
 36. Legendreの球函数
 37. 不定積分の計算
 38. 定積分の近似計算
 39. 有界変動の函数
 40. 曲線の長さ
 41. 線積分
  練習問題(3)

第4章:無限級数 一様収束
 42. 無限級数
 43. 絶対収束・条件収束
 44. 収束の判定法(絶対収束)
 45. 収束の判定法(条件収束)
 46. 一様収束
 47. 無限級数の微分積分
 48. 連続的変数に関する一様収束 積分記号下での微分積分
 49. 二重数列
 50. 二重級数
 51. 無限積
 52. 巾級数
 53. 指数函数および三角函数
 54. 指数函数と三角函数との関係 対数と逆三角函数
  練習問題(4)

第5章:解析函数,とくに初等函数
 55. 解析函数
 56. 積分
 57. Cauchyの積分定理
 58. Cauchyの積分公式 解析函数のTaylor展開
 59. 解析函数の孤立特異点
 60. z=∞における解析函数
 61. 整函数
 62. 定積分の計算(実変数)
 63. 解析的延長
 64. 指数函数 三角函数
 65. 対数log z 一般の巾z^a
 66. 有理函数の積分の理論
 67. 二次式の平方根に関する不定積分
 68. ガンマ函数
 69. Stirlingの公式
  練習問題(5)

第6章:Fourier式展開
 70. Fourier級数
 71. 直交函数系
 72. 任意函数系の直交化
 73. 直交函数列によるFourier式展開
 74. Fourier級数の相加平均総和法 [Fejerの定理]
 75. 滑らかな周期函数のFourier展開
 76. 不連続函数の場合
 77. Fourier級数の例
 78. Weierstrassの定理
 79. 積分法の第二平均値定理
 80. Fourier級数に関するDirichlet-Jordanの条件
 81. Fourierの積分公式
  練習問題(6)

第7章:微分法の続き(陰伏函数)
 82. 陰伏函数(陰函数)
 83. 逆函数
 84. 写像
 85. 解析函数への応用
 86. 曲線の方程式
 87. 曲面の方程式
 88. 包絡線
 89. 陰伏函数の極値
  練習問題(7)

第8章:積分法(多変数)
 90. 二次元以上の定積分
 91. 面積・体積の定義
 92. 一般区域上の積分
 93. 一次元への単純化
 94. 積分の意味の拡張(広義積分)
 95. 多変数の定積分によって表わされる函数
 96. 変数の変換
 97. 曲面積
 98. 曲線座標(体積,曲面積,弧長の変形)
 99. 直交座標
 100. 面積分
 101. ベクトル法の記号
 102. Gaussの定理
 103. Stokesの定理
 104. 完全微分の条件
  練習問題(8)

第9章:Lebesgue積分
  I. 概括論
 105. 集合算
 106. 加法的集合類(σ系)
 107. M函数
 108. 集合の測度
 109. 積分
 110. 積分の性質
 111. 加法的集合函数
 112. 絶対連続性 特異性
  II. Lebesgueの測度および積分
 113. Euclid空間 区間の体積
 114. Lebesgue測度論
 115. 零集合
 116. 開集合・閉集合
 117. Borel集合
 118. 集合の測度としての積分
 119. 累次積分
 120. Riemann積分との比較
 121. Stieltjes積分
  III. 集合函数の微分法
 122. 微分法の定義
 123. Vitaliの被覆定理
 124. 加法的集合函数の微分法
 125. 不定積分の微分法
 126. 有界変動・絶対連続の点函数

附録I 無理数論
 1. 有理数の切断
 2. 実数の大小
 3. 実数の連続性
 4. 加法
 5. 絶対値
 6. 極限
 7. 乗法
 8. 巾および巾根
 9. 実数の集合の一つの性質
 10. 複素数

附録II 二,三の特異な曲線

補遺 いたるところ微分不可能な連続函数について(黒田成俊)

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用語が違うなー (hirota)
2016-01-24 12:35:09
106. 加法的集合類(σ系)って僕が使った「ルベーグ積分入門:伊藤清三」では「σ加法族」と言ってた奴だな。
107. M函数 これは何だろう?
この位置にあるのは、「単調増加関数があれば実数集合の測度が定義できる」という奴だろうか。Mはmeasureで。
返信する
Re: 用語が違うなー (とね)
2016-01-24 17:16:38
hirotaさん
おっしゃるとおり解析概論と伊藤先生のルベーグ積分入門では、用語が違っています。

> 106. 加法的集合類(σ系)って僕が使った「ルベーグ積分入門:伊藤清三」では「σ加法族」と言ってた奴だな。

はい、そのとおりです。

> 107. M函数 これは何だろう?この位置にあるのは、「単調増加関数があれば実数集合の測度が定義できる」という奴だろうか。

M集合、M函数については次のように書かれています。(定本の431ページから)

106. 加法的集合類(σ系)のところで「Ωの部分集合
の一類Mが次の条件に適合するとき、それをσ系(または加法的集合類)といいσ系Mに属する集合をM集合と略称する。」とありその後にMについての次の3つの条件が続きます。

1)M集合の列{e_n}の合併はM集合である。すなわちe_n∈M(n=1,2,...)ならば ∪e_n∈M。

2)M集合の差はM集合である。すなわちe_1∈M, e_2∈Mならば e_1-e_2∈M。

3)特に空集合はe_1 - e_1としてMに属する。

そして107. M函数に入ってすぐ「σ系Mに属する或るM集合eにおいて、点函数f(x)が定義されているとする。すなわちxはeの元である:x∈e, e∈M。そのとき、一つの実数aに関して、f(x)>aなるxの全体の集合Eは、必ずしもM集合をなさないであろう。もしも、その集合Eが、各々の実数aに関してM集合ならば、f(x)をM函数と略称する。」と書かれています。

この部分が伊藤先生の本のどこに対応するのか調べてみましたが見つけることができませんでした。
返信する
Unknown (ふくちゃん)
2016-01-24 23:27:55
こんにちは。
解析概論読んだのですねー!
僕はまだ読んだことないです。
何故か解析概論病にもかかったことはないですが(笑)


>この部分が伊藤先生の本のどこに対応するのか調べてみましたが

可測関数のことですかね?
伊藤清三の本の
60ページから61ページにかけて載っているものな気がします。
MはMeasurableの略かもしれませんね。

ところで、解析概論のσ系の定義って、
Ω \in Mという条件はいらないんですかね?
無いと気持ち悪いような
(M集合の補集合がM集合になってくれないような)?



返信する
ふくちゃんへ (とね)
2016-01-24 23:54:37
ふくちゃん

教えていただきありがとうございます。
解析概論での説明で使われているMは伊藤先生の本の60ページのEのことですね。
MはMeasurableの略です。解析概論の該当ページの脚注にもそう書かれています。

> ところで、解析概論のσ系の定義って、Ω \in Mという条件はいらないんですかね?

「Ωの部分集合の一類Mが~」と書かれているようにΩ \in Mです。

> 何故か解析概論病にもかかったことはないですが(笑)

若い頃に解析概論で挫折感を味わわないと、この病にかからないのかもしれませんねぇ。w

hirotaさん

「M」の謎が解けました。伊藤先生の本の60ページのEに対応しています。伊藤先生の本では「E函数」のような呼び方はしていませんが。
返信する
Unknown (ふくちゃん)
2016-01-25 00:35:57
返信ありがとうございます。

>「Ωの部分集合の一類Mが~」と書かれているようにΩ \in Mです。

「Ωの部分集合の一類Mが~」というのは、
「Ωの部分集合を元とする集合M(部分集合族M)を考える」ということですよね?
単に「Ωの部分集合族M」と言った場合、
Ω \in M(\in はΩはMの元という意味) という仮定はしないと思いますが、
解析概論では定義が違うのでしょうか。
手元(本棚の奥の方)に解析概論があるので、
少し眺めてみます。

まぁ、いずれにしても少し気になっただけですので・・・。
返信する
ふくちゃんへ (とね)
2016-01-25 00:58:43
> 「Ωの部分集合の一類Mが~」というのは、「Ωの部分集合を元とする集合M(部分集合族M)を考える」ということですよね?

はい、そうです。「集合M」は脚注にも書いてあるように「外延では、MはΩの特殊の部分集合を元とする一つの集合(集合の集合)である。ゆえにe∈Mは'eは一つのM集合である'ことを意味する。」と書いてあります。集合の集合=集合族ですから、おっしゃるとおりΩがMの元(Ω \in M)とは書いてありませんね。

また「類=classは論理学上の意味でいう。また通俗的に族(family)、系(system)などともいう。」とも書かれています
返信する
M函数 (hirota)
2016-01-25 11:45:08
なるほど、可測関数のことでしたか。
Lebesgue測度が出る前に可測関数を出すとは意外でした。
返信する
Re: M函数 (とね)
2016-01-25 12:05:02
hirotaさん

疑問が解消できてよかったです。
解析概論ではLebesgue測度に入る前に可測関数についての解説が書かれています。

I. 概括論
106. 加法的集合類(σ系)
107. M函数
108. 集合の測度

II. Lebesgueの測度および積分
114. Lebesgue測度論
返信する
下んないネタです (astray)
2016-01-26 08:12:33
私も、最近、少し目を通したんですが、
-- ちゃんと読めてるかどーかは内緒。
意外と誤植が多くて驚きました。
-- オリジナルの誤植を、忠実に残してあるとかでしょうか ?

66 page 最終行
F(x) -> f(x)

74 page 式 (2)
- -> =

136 page 式 (13)
最後に余計な括弧あり。

163 page L2
h - s -> k - s

222 page 下から L4
Σ の中は、負になるのが正しいと思う。
返信する
astrayさん (とね)
2016-01-26 12:26:06
「定本」の誤植情報ありがとうございます。
公式の正誤表がないのが残念ですね。

誤植の指摘はここにも見つけました。

「定本 解析概論」の誤植 (P12)
http://d.hatena.ne.jp/epsilon_delta/20110320/1301715692

おそらくLa TeX化したときのミスだと思いますが、帰宅したらハードカバー版で確認してみます。
返信する

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