とね日記

理数系ネタ、パソコン、フランス語の話が中心。
量子テレポーテーションや超弦理論の理解を目指して勉強を続けています!

反物質を1千秒閉じこめ成功

2011年06月06日 21時34分37秒 | 理科復活プロジェクト
先ほど朝日新聞や読売新聞から発表されたこのニュース。

日頃、科学に馴染みのない一般の方や中高生向けに次の記事を紹介しておこう。

反物質を構成する「反粒子」のひとつ「陽電子」は1928年にイギリスの物理学者、ディラックによって予言されていたものだ。今回の成果が生まれた歴史的背景をぜひ知っていてほしい。

ディラックによる陽電子の予言(1928年)
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/0764eaa33a765ffff27bccee3e35b4f3

先日の「量子力学を見る:外村彰」についてもそうだが、20世紀前半の物理学者たちの「とてつもなく奇妙な予想」が次々と実現されている時代に私たちは生きているのだ。


今回の実験はCERN(欧州原子核研究機構)で行われたものだ。

CERNのトップページ:(フランス語トップページはここをクリック。)
http://public.web.cern.ch/public/

プレスリリース(CERN):(フランス語版はこちら。)
CERN experiment traps antimatter atoms for 1000 seconds
http://press.web.cern.ch/press/PressReleases/Releases2011/PR05.11E.html


以下の記事で実験の詳細や写真を見ることができる。(英語が苦手な方は「Google翻訳」などを活用してみよう。)

英科学誌「ネイチャー・フィジックス」電子版の記事
http://www.nature.com/nphys/journal/vaop/ncurrent/full/nphys2025.html


反物質を1千秒閉じこめ成功 宇宙誕生の謎究明に期待(朝日新聞)
http://www.asahi.com/science/update/0606/TKY201106060112.html

東京大学や理化学研究所などの国際研究グループが、電気的性質が通常とは逆の「反物質」の一種、「反水素」原子を1千秒(約16分間)閉じこめることに成功した。反物質と物質の性質の微妙な違いを調べれば、宇宙誕生の謎に迫れるかもしれない。英科学誌「ネイチャー・フィジックス」電子版に発表した。

宇宙ができたとき、物質と反物質は同じ量だけでき、互いにぶつかって消えていったが、両者の微妙な性質の違いから、最終的に物質だけが残され、物質で構成される現在の宇宙ができたとされている。

反物質を調べるには、人工的に作り出したうえ、安定した状態で保つ必要がある。反物質は物質とぶつかると、大量の熱エネルギーを放出して消えてしまうため、磁気を利用した真空の装置の中で、壁などにつかないよう、宙に浮かせて閉じこめる必要があった。


関連記事:

「理科復活プロジェクト」始動!
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/c08cbe47b0a5ce8c64549d913800cb0a


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コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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ありがとうございました (吉田です)
2011-06-11 01:08:44
今日飲ませていただいた吉田みちひこです

すごい知識豊富ですごいですね
また一緒にのんでください
返信する
Re: ありがとうございました (とね)
2011-06-11 12:44:27
吉田さん
楽しく飲めてよかったです。ぜひまたお会いしましょう。
早速このブログにお越しいただき、ありがとうございます!「理科復活プロジェクト」というカテゴリーの記事が比較的易しく書いているので、読みやすいですよ。
返信する

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