NHK高校講座がすごいことになっている。ほとんどの科目にAKB48級のアイドルが生徒役で出演しているし、スタジオのデザインはカラフルで、科目によってはまるで幼児番組のようだ。
宇宙白熱教室の感想記事を書いていてそのことに気付いてびっくりした。昔のお堅い感じの番組を知っている僕としてはジェネレーションギャップを強く感じた日曜日になった。僕は化学と生物、そして世界史と日本史は苦手だから、これで学んでみることにしよう。
この番組をあえて僕が紹介する必要はないのだが、この状況を見たらつい記事を書いてしまった。。。
NHK高校講座
http://www.nhk.or.jp/kokokoza/
前年度の放送は次のページから見れる。
http://www.nhk.or.jp/kokokoza/library/
1年分の授業をパソコンやスマートフォンから無料で見れるし、講義の内容もPDFでダウンロードできる。理科離れの進行を食い止められるのだったら、こういう趣向もありだと納得した。講義は教科書に沿っていて教え方もしっかりしているのだから。とてもよい教材だと思う。
もちろんアイドルばかりでなく、少年や大人のタレント、お笑い芸人もレギュラー出演している。役柄の組み合わせも科目ごとバリエーションがあり、うまく工夫されている。けれどもやはり目立っているのは女の子たちなのだ。
理数系科目から順に写真で紹介しておこう。写真をクリックするとその科目のページが開く。
物理基礎 - 黒川智花さん?
化学基礎 - なんと3人!
生物基礎
地学基礎 - 吉川ひなのさん?
数学I
数学I(2015年):大学で数学や物理を勉強していたそうです。
科学と人間生活 - 佐野量子さん?
社会と情報 - .rbが好きってRubyistだ!!
国語表現 - 言葉使いはアイドルからではなくプロの女優さんから教えてもらうのがいちばんだ。そのうえ中江さんは脚本家でもある。やわらかな雰囲気で好感がもてる。中江さんの他、生徒役の男女が3人ずつ出演。
地理
世界史 - 西内まりやさん?
世界史(2015年)
日本史 - なんとAKB48のメンバーが3人。そして番組進行役は桃太郎侍の高橋秀樹さんという超超豪華キャスティングである。
新科目:ロンリのちから - 番組はドラマ仕立てだ。
今後、NHK Eテレのこの番組や語学講座はどうなっていくのだろうか?アイドル化は行き着くところまで行っているわけだから。180度転換してジャニーズ系の男子中心になることはないだろう。10年後、20年後の番組のスタイルは想像もつかない。
ところでNHK高校講座はいつ頃からアイドル路線になったのだろう?
調べたところ、すでに3年前のアナログテレビ時代には始まっていたようだ。ただし、この頃はまだスタジオの雰囲気が落ち着いている。
寺田ちひろ「高校講座 世界史」- 2011年
香坂夏希「高校講座 地理」- 2011年
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司会者の容姿を重視するのは万国共通で、あのBBCですら(BBCばかり引き合いに出してすいません)、番組のプレゼンターは常に容姿端麗な人ばかりです。
例えば、BBC2の"Horizon"の宇宙番組で、イケメン物理学者ブライアン コックス博士がマスタングでアリゾナの砂漠に乗りつけ、石を並べて棒切れで円を描き、惑星の運動の解説をするのです。物理学に関心がなくても解りやすく面白い演出でしょう。
ただし、BBCの場合、教養番組には学者か教養人を起用し、「タレント」を起用することは少ないようです。
2000年代には高校講座にも広がっていましたか!まったく気付きませんでした。
ネットから視聴できるようになったことで、僕の視界に入ってきたのだと思います。
そういえば「人間大学」という番組ありましたね。あと昔は教育テレビでは中学校や小学校の授業の番組も放送していました。いつの間にか消えてしまいます。
AKB48のような美少女アイドルが受け入れられるのは日本や韓国、一部のアジア圏に限られるのでしょうね。ヨーロッパなどの文化が成熟した国々では、まず考えられないことです。日本政府はこういう文化を輸出しようとしていますが、ヨーロッパ諸国では大人の規範がしっかりしていますから、日本のサブカルチャーはごく一部にしか浸透しないでしょうね。
このへんの文化は、西洋ではメインがあっての対立文化なのでサブカルチャーですが、日本では源氏物語絵巻などの主流文化の継承として絵と一体となった物語のラノベやゲームなどが存在するので全くサブカルチャーではなく、西洋視点で判断するのは間違いだそうです。
西洋視点ではサブカルチャーに見えるのに何故か変な力があると思えるんでしょうね。
NHK第二のカルチャーラジオでやってた岡倉天心の回でも西洋の芸術が進んでいると考えるのは間違いだと言ってましたっけ。
それに気付いた芸術家達が日本の浮世絵などを取り入れたりしたそうです。
岡倉天心は最初から英語で書いた本を外国で出してますから日本人は知らなかったりして…
放送大学の講座では「サブカルチャー」について、そのようなことが解説されていたわけですか。
ラノベ(ライトノベルのことですよね?)とゲームが源氏物語を継承しているという説はとてもユニークだと思います。
表意文字文化と表音文字文化との間には視覚芸術に対する見方に明らかな違いがあります。特に、漢字文化とローマ字文化との間には政治体制に影響を及ぼすくらいの違いがあります(ユーラシア大陸の東では大国が、西では小国分立の傾向が)。
東洋で屋外やウェブサイトで広告が乱立するのも、漢字文化の影響かもしれません。我々は視覚芸術の天才なのです。
今ヨーロッパでは日本の「サブカル」が大人気です。しかし、とねさんがおっしゃるように、日本のサブカルが欧州文化の本流に与える影響は限定的でしょう。
そういえば、カルチャーラジオは人間大学の精神を受け継いでいますね。今春から金曜に「科学と人間」が新設されパワーアップしています。今期はモーツァルトやシェークスピア、ITなど充実のラインナップです。近年では小宮慶太博士の「科学の歴史を旅してみよう」が面白かった。
なるほど!日本のサブカルチャーは「視覚文化」ですね。hirotaさんが教えてくださった源氏物語も「絵巻」ですし、その後も視覚文化は受け継がれ、江戸時代には読み本にも挿絵がたくさんだし、浮世絵も西洋の美術にも影響を与えました。現代だけを切り取ってとかく表面的に判断しがちな態度をあらためようと思いました。
カルチャーラジオにも興味があります。でもなかなか聴く時間がとれないのが。。。というのが実情ですね。
それからフランスのように文化が成熟した国でも、フレンチロリータなんてのがあって、美少女アイドル好きなので意外と世界戦略になるかも知れません。
この記事では女の子の写真ばかり載せてしまいましたが、高校講座全体では男子と女子の比率は3対7くらいです。男子はアイドル系、ワイルド系というよりも劇団にいそうなタイプの男の子がほとんどですね。
あと、アンガールズやゴリなどお笑い系のタレントが出演し始めたのが最近の特徴です。
90年代はじめから高校生の男女は高校講座に出演していたような気がします。でもそこらへんにいるような普通の高校生だったような。。。
80年代前半までは、高校生はほとんど出演せず、竹内均先生をはじめ、大学や高校の先生がスーツを着て解説をするのが中心でした。
世界的にアイドルがもてはやされるのは、時代の流れとして定着してきたわけですね。
「フレンチロリータ」で画像検索してみました。60年代、70年代のアイドルがたくさんでてきましたが、今ではレトロファッションとして復活しているのでしょうか??
今のフレンチポップスは良く知らないので語れないのです。
どうぞどうぞ、一線を超えて下さい。
T_NAKAさんと僕のアイドルは世代的にだいぶ重なりますから。
ゲーンズブールのことを知ったのは大学に入ってからですが強烈でしたね。
今のフレンチポップスは僕もほとんど知りませんが、フランス語ブログランキングのページからたどると、流行っている歌手がわかります。明るいメロディーの曲が多いようです。