「ルベーグ積分超入門:森真―」
う~む、この本は。。。
「はじめてのルベーグ積分:寺澤順」と同じような青い表紙で、1冊目に読むにふさわしい入門書という位置づけに見えたので最初どちらを買おうか迷ったのだが、この「ルベーグ積分超入門:森真―」は本のタイトルに偽りがあった。著者も認めているとおり「超入門」とつけたのは本がたくさん売れてほしいという願いがあったためだ。中身はまったく超入門ではなかった。僕の理解度も4割止まり。
副題に「関数解析や数理ファイナンス理解のために」とあるように、測度やルベーグ積分以外にも確率空間や関数解析にも多くのページを割いているので、盛り込み過ぎという印象だった。そのため順序だてて証明や説明を重ねることがかなわず、ルベーグ積分をはじめて学ぼうとする読者へのハードルは高い。というか証明が省略されている箇所が目についたり、証明の順序が前後していたりしていて僕にはとっつきにくかった。(個人的な感想を述べたもので、読まれる方により印象は異なる場合があります。)
アマゾンのレビューに書かれているように、本書はルベーグ積分についてある程度学んだ人が2冊目か3冊目に読んで知識を整理するために利用したほうがよい。
測度やルベーグ積分は、どうあがいたところで理解するためにはそれ相当の煩わしさを避けて通れないのだから、手軽な入門書でごまかさずに最初から定番の「ルベグ積分入門:吉田洋一」や「ルベーグ積分入門:伊藤清三」を読むのが正解だと思った。「急がば回れ。」、「学問に王道なし。」を再認識させられた次第。
ネット上の無料教材でルベーグ積分を学んでみたい方には以下をお勧めする。
ときわ台学:ルベーグ積分入門
(とてもわかりやすいので、特にお勧め。)
http://www.f-denshi.com/000TokiwaJPN/16lebeg/000lebrg.html
ルベーグ積分入門(PDF):吉川敦
http://www7b.biglobe.ne.jp/~yoshikawa/lebesgue-lecture.pdf
今日紹介したのはこちらの本。
「ルベーグ積分超入門:森真―」
目次
第1章:線形代数と微分積分
- 有限次元の関数解析(線形代数復習)
内積、ノルム/計量線形空間/線形写像
- 微分積分の復習
連続関数の空間 C[0,1]/完備性/複素線形空間
- 補足、発展そしておまけ
位相/コンパクト/第2可算公理、可分、リンデレフの性質
第2章:ルベーグ積分のおもちゃ
- 確率空間
- 可測性
- 積分と期待値
- 大数の法則
- 具体的なΩの構成
- 補足、発展そしておまけ
条件付き平均/マルコフ連鎖
第3章:抽象的測度論
- 可測性、測度空間
可測関数、煩わしいこと
- 積分、素朴な定義
単関数の積分に疑念はないか
- ルベーグ積分の定義
エゴロフの定理
- 収束定理
- 新しい収束
- 補足、発展そしておまけ
リーマン積分/リーマン・スティルチェス積分/法則収束、中心極限定理/デルタ関数
第4章:関数解析入門
- 関数空間の例、2種類
空間 L^1(Ω)/空間 L^∞(Ω)
- 空間 L^p(Ω)
- 収束の強さ
- ヒルベルト空間
- フーリエ級数、フーリエ変換
- 線形作用素
- 補足、発展そしておまけ
ワイエルシュトラスの多項式近似/ラゲールの多項式とエルミートの多項式の完備性/量子力学の話
第5章:加法的集合関数
- 加法的集合関数
- ラドン・ニコディムの定理
- 補足、発展そしておまけ
有界変動関数と絶対連続関数/条件つき平均
第6章:測度の構成
- コルモゴロフの拡張定理
- 一般的な構成
- 完備性
- 直積空間、フビニの定理
- 補足、発展そしておまけ
フラクタル/ブラウン運動
演習問題の解答
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う~む、この本は。。。
「はじめてのルベーグ積分:寺澤順」と同じような青い表紙で、1冊目に読むにふさわしい入門書という位置づけに見えたので最初どちらを買おうか迷ったのだが、この「ルベーグ積分超入門:森真―」は本のタイトルに偽りがあった。著者も認めているとおり「超入門」とつけたのは本がたくさん売れてほしいという願いがあったためだ。中身はまったく超入門ではなかった。僕の理解度も4割止まり。
副題に「関数解析や数理ファイナンス理解のために」とあるように、測度やルベーグ積分以外にも確率空間や関数解析にも多くのページを割いているので、盛り込み過ぎという印象だった。そのため順序だてて証明や説明を重ねることがかなわず、ルベーグ積分をはじめて学ぼうとする読者へのハードルは高い。というか証明が省略されている箇所が目についたり、証明の順序が前後していたりしていて僕にはとっつきにくかった。(個人的な感想を述べたもので、読まれる方により印象は異なる場合があります。)
アマゾンのレビューに書かれているように、本書はルベーグ積分についてある程度学んだ人が2冊目か3冊目に読んで知識を整理するために利用したほうがよい。
測度やルベーグ積分は、どうあがいたところで理解するためにはそれ相当の煩わしさを避けて通れないのだから、手軽な入門書でごまかさずに最初から定番の「ルベグ積分入門:吉田洋一」や「ルベーグ積分入門:伊藤清三」を読むのが正解だと思った。「急がば回れ。」、「学問に王道なし。」を再認識させられた次第。
ネット上の無料教材でルベーグ積分を学んでみたい方には以下をお勧めする。
ときわ台学:ルベーグ積分入門
(とてもわかりやすいので、特にお勧め。)
http://www.f-denshi.com/000TokiwaJPN/16lebeg/000lebrg.html
ルベーグ積分入門(PDF):吉川敦
http://www7b.biglobe.ne.jp/~yoshikawa/lebesgue-lecture.pdf
今日紹介したのはこちらの本。
「ルベーグ積分超入門:森真―」
目次
第1章:線形代数と微分積分
- 有限次元の関数解析(線形代数復習)
内積、ノルム/計量線形空間/線形写像
- 微分積分の復習
連続関数の空間 C[0,1]/完備性/複素線形空間
- 補足、発展そしておまけ
位相/コンパクト/第2可算公理、可分、リンデレフの性質
第2章:ルベーグ積分のおもちゃ
- 確率空間
- 可測性
- 積分と期待値
- 大数の法則
- 具体的なΩの構成
- 補足、発展そしておまけ
条件付き平均/マルコフ連鎖
第3章:抽象的測度論
- 可測性、測度空間
可測関数、煩わしいこと
- 積分、素朴な定義
単関数の積分に疑念はないか
- ルベーグ積分の定義
エゴロフの定理
- 収束定理
- 新しい収束
- 補足、発展そしておまけ
リーマン積分/リーマン・スティルチェス積分/法則収束、中心極限定理/デルタ関数
第4章:関数解析入門
- 関数空間の例、2種類
空間 L^1(Ω)/空間 L^∞(Ω)
- 空間 L^p(Ω)
- 収束の強さ
- ヒルベルト空間
- フーリエ級数、フーリエ変換
- 線形作用素
- 補足、発展そしておまけ
ワイエルシュトラスの多項式近似/ラゲールの多項式とエルミートの多項式の完備性/量子力学の話
第5章:加法的集合関数
- 加法的集合関数
- ラドン・ニコディムの定理
- 補足、発展そしておまけ
有界変動関数と絶対連続関数/条件つき平均
第6章:測度の構成
- コルモゴロフの拡張定理
- 一般的な構成
- 完備性
- 直積空間、フビニの定理
- 補足、発展そしておまけ
フラクタル/ブラウン運動
演習問題の解答
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はじめまして。
コメントをいただきありがとうございます。
僕のブログの記事は大学レベルの物理や数学の記事がほとんどですので、難しいと感じる方のほうが多いと思います。この半年の間に書いた記事を読み返してみましたが、僕自身も勉強を進めていますので、年月を経るにつれて難しくなっていますね。
あゆをさんがおっしゃっているように、僕は気持ちが優しいのだと周囲の人から言われることが多いです。性格は子供の頃の家庭環境、生活環境でできあがってきますから、僕の妹2人も(今は中年のオバさんですが)穏やかな性格ですね。趣味や好きなことはそれぞれ違っていますけれど「根っこ」のところが同じ感じです。
僕の性格が色濃くでている記事を探してみたところ、以下のような記事が見つかりました。最初の記事に登場する甥っ子もこの4月から社会人です。
眉毛事件
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/333e93345020f86b5a8064a21e0a52bf
年越し派遣村でお手伝い
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/fda4acfc1777ebe89bb54c4b4e22064b
よろしければこれからもときどき当ブログを訪れてください。