朝日カルチャーセンターで竹内薫先生が「ファインマン講義 重力理論」というテーマで6回の講義を行うことを先週知ってさっそく申し込んだ。9月までの3ヶ月間、隔週の金曜日の夜に西新宿の住友ビルで開催される。今はまだ他の物理学書や数学書を読んでいるので、このテキストは3冊くらい先に読もうかと思っていたところ。僕にとってはうってつけのタイミング。
竹内薫先生はサイエンス・ライターで、これまで数々の宇宙物理学を中心とした入門書を執筆されている。僕も彼の「ゼロから学ぶ量子力学」を読ませていただいた。初心者に理解しやすいように楽しく執筆されているのがわかる。略歴はHPによると以下のような感じ。
・「猫好き科学作家」(サイエンスライター)。
科学の真面目な解説があるかと思えば、それを小説風に料理したSFタッチのショートショートも登場する。SFか現実かわからない不可思議なミステリーも飛び出す。本の多くには変幻自在のシュレ猫が登場する・・・それが「竹内ワールド」だ!
・科学評論、エッセイ、書評、講演などを精力的にこなす。スポーツインストラクターの妻と猫二匹とともに横浜に在住。実家にも三匹の猫がいる。
・1960年東京生まれ
筑波大学附属高等学校卒業
東京大学教養学部教養学科卒業(専攻、科学史・科学哲学)
東京大学理学部物理学科卒業
マギル大学大学院博士課程修了(専攻、高エネルギー物理学理論)
理学博士(Ph.D.)
昨夜はその第1回目の講義。大学卒業以来、授業らしいものは(会社での研修を除いて)いっさい受けていなかったのでとても新鮮だった。こういうコースにはどんな人が受講するのだろうとも思っていた。「生徒」はだいたい24人。僕くらいの中年男性と初老の男性が中心。大学関係者(どこかの大学の職員か先生)もいらっしゃったようだ。女性はおそらく30代~40代の方が4名。
ファインマンはマンハッタン計画にも参加したアメリカの物理学者「ファインマン物理学 I - V」をはじめとする数々の著作で知られる。物理学を勉強する学生には知らない人はいない著名な学者だ。
テキストとして使用する「ファインマン講義 重力理論」はファインマンが1962年~1963年にかけてカリフォルニア工科大学の大学院生に対して行った重力についての講義を彼の助手がまとめたものだ。幾何学的なアプローチを排除した量子論的な立場からアインシュタインの一般相対性理論で論じられている重力理論を説明している。量子論はもともと電磁気学をベースに発展したものだから、重力理論を説明する試みは電磁気力と重力を同じ理論として説明しようとする統一論のアプローチである。結局この試みは失敗に終わるのであるが、失敗するまでの彼がとった過程、方法が極めて独創的で、現在最先端と言われる「超ひも理論」や「ループ量子重力理論」を予見させるような要素が含まれていて興味深く、勉強に値するものとなっている。(と竹内薫先生はおっしゃっていた。)
ともかく、これから9月まで楽しい金曜の夜が続く。
竹内先生の日記によると10月期以降も同様の授業が続くらしい。
関連リンク:
ファインマン講義 重力理論:見てみる
竹内薫先生のホームページ:
http://kaoru.to/
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