Krannert MBA JP Blog

WORK HARD, WORK RIGHT, WORK TOGETHER

MGMT690 How to Design a Factory (2013 Mitsuhashi)

2013-06-25 23:48:16 | Elective-Operation
科目名: How to Design a Factory
受講時期:2012 Module 4 (GISMA)
担当教官: Hans-Peter Wiendahl

工場をどのように設計するか?についての集中講義。3日間で講義、工場見学、実習、テストを行います。Purdueの分校であるドイツのハノーバーのGISMAビジネススクールの授業です。一単位の授業です。

担当のHans-Peter教授は、大ベテランで心優しいおじいさんといった風貌で、実際優しいのですが、工場設計に関しては、強い自負が見えました。世界各国で数多くの工場設計を手がけてきたそうで、経験に裏打ちされた確固とした方法論を持っています。講義はもちろん英語です。教授の英語は聞き取りやすく何の問題もありませんでした。

講義は、工場設計の手順や設計時に考慮すべきことを学びます。汎用性が高く、拡張が可能で、効率的な向上とはどうのように設計すべきか、がテーマです。ほとんど建築学ですが、なかなか応用が広そうで個人的には面白かったです。例えば、部屋などの設計のモジュール化について、以下のような説明がありました。「モジュール化することで設計が簡単になり、汎用性が高まるが、デットスペースが増えたりという非効率もある。トレードオフを考えた上で、設計することが大切だ。」こういった考え方はおそらく他の業界でも一緒でしょう。特に、ITシステムとは類似性が高いと思いました。

工場見学は、ヘッドホンやマイクなどを作っているSENNHEISERの工場に行きます。工場はGISMAビジネススクールのあるハノーバーのダウンタウンから電車で20分ほど行ったところにあり、ちょっとした遠足気分でした。マドンナやスティングが出演するプロモーションビデオや4000ユーロのヘッドホンを見て、すっかりファンになる人たちも。

実習は、モジュール化理論などこれまでの講義で学んだことを基にして、チームで工場設計のケーススタディを行います。模造紙に設計図を描いて、発表します。

評価はクラスパーティシペーション(講義への参加や実習での発表)と3日間の最後に行われるテストで決まります。テストは、持ち込み不可で、ぼぼ授業で配られた資料を暗記するという内容。アメリカのビジネススクールではまずないことで、日本の大学の試験に似てるなあ、と思いました。

準備として必要なのは5ページくらいの論文を3本読むくらいで、ワークロードは軽いです。工場設計に興味がない方でも、たまには違った世界を覗いてみる、という感覚で気楽に受講することができると思います。

MGMT690 Consulting Method (2013 Mitsuhashi)

2013-06-25 23:46:31 | Elective-Others
科目名: Consulting Method
受講時期:2012 Module 2 (Module 6)
担当教官:Matthew Lynall

コンサルティングの方法論をレクチャー、ケーススタディ、実際のコンサルティングプロジェクトを通じて学びます。週一回で一単位の授業ですが、FOCUS、ロジックツリー等のフレームワークからチームビルディング、心理テストの応用まで、幅広く学ぶことができます。ケースも実際にありそうな話題で興味深いものばかり。

担当のLynall 教授は、コンサルティング、ストラテジー、Organization Behavior (組織論)が専門です。物静かなイギリス紳士といった感じの先生ですが、彼が重要と思うポイントになると、理知的かつ情熱的に語りかけてくれます。長年のコンサルティング経験に裏打ちされた彼の方法論は非常にクリアでわかりやすく、彼の主張には常に説得力があります。引き込まれる授業でした。

課題はコンサルティングプロジェクトとレポート2つの合計3つ。チームで行うコンサルティングプロジェクトは極めて実践的。授業のはじめにRFP (Request For Proposal 提案要求書)を渡され、次にクライアントへのインタビューを行います。ある大手ドラッグストアのオンラインサイト向けの提案を行いました。私はIT企業で働いていたのでRFPを受けて提案する、という仕事に携わったことがありますが、この課題は実際のシステム開発の提案とほぼ同じ設定で非常にリアルでした。
この他に2つレポートがあります。ひとつめは、ケースの内容をロジックツリーを作成して分析し、足りない情報をどのようにどこから取得するか明確にするというもの。あまり難しくはないと感じましたが、事前に教科書等を読んで理解してからでないと取り掛かれないので時間がかかりました。
もうひとつは、最終レポートで、10ページ程度のケースの内容を基に提案をまとめるというもの。予算やスケジュールの見積もりも含まれます。極めて提案の自由度が高いため、簡単ではありません。状況の正しい分析が必要なのはもちろんですが、プロジェクトのスコープを決めたり、クライアントとのコミュニケーション方法を考えたりするところが難しい。

評価は、コンサルティングプロジェクが30%、ロジックツリーレポートが20%、ファイナルレポートが25%、パーティシペーションが25%です。

この授業で最も印象的だったのは、Lynall 教授の「コンサルタントは信頼を売る商売だ」という発言。そのために重要なのは次の2つ。1つ目は、分析の鋭さ、提案の深さ、要するに「賢さ」。2つ目は、一緒に仕事したいと思ってもらうこと、つまり、「性格」。調整力や気遣いといった「人間力」ということだろうと僕は理解しました。Lynall 先生いわく、「MBAでは分析にばかり力を置きがちだが、顧客との良好な関係を構築できる『性格』のほうも忘れてはならない。」 
そして、さらに印象的だったのは、次の発言。「どんな組織やプロジェクトも完璧ではない。クライアントは賢いコンサルタントが急に現れて、『何を言われるのだろう?』と、ドキドキしているものだ。誰だってみんなの前で面目をつぶされるのは嫌だから、ちゃんと『Nemawashi (根回し)』をしないといけない。」欧米からは、日本流の根回しは意思決定が不透明になったり遅れたりする元凶のように思われているのでは?と勝手に考えていただけに、新鮮でした。

残念なのは、週一回の一単位の授業のため、時間不足になってしまったこと。時間不足のため、いいところで議論が終わりになってしまう場面が何度かありました。先に述べたように、課題は簡単ではなく、量も優に2単位分はあります。この件については、Lynall 教授と話す機会があり、この授業を2単位にするように提案したところ、「今度から2単位にする」と言っていたので、将来は2単位になるでしょう。彼の性格から推測するに、課題量もそれに応じて増えるとは思いますが。

MGMT644 Venture Capital and Investment Banking (2013 Mitsuhashi)

2013-06-25 23:43:56 | Elective-Finance
科目名: Venture Capital and Investment Banking
受講時期:2012 Module 1 (Module 5)
担当教官: Jin Xu

Venture Capital とInvestment banking (投資銀行) についてレクチャーとケーススタディで学びます。Venture Capitalのほうは、Venture Debtや各種バリュエーション(企業評価)の方法、タームシートについて、ケーススタディを交えて詳細に学びます。Investment Bankingのほうは、IPOのプロセスやプライシング、LBOなどについて扱います。

担当のXu 教授は、中国人の女の先生でまだ若いです。この科目を教えるのは初めてだそうです。そのせいか、授業の構成がまだこなれておらず、進め方も手探りなところも見受けられました。しかし、熱意は素晴らしい。質問にもしっかり答えてくれますし、授業の後に詳細な追加スライドを作ったりして、しっかりフォローしてくれます。学生からのフィードバックを大切にする教授なので、今後の授業では、今回うまくいかなかったところも、おそらく改善されるだろうと思います。

評価は、ホームワークアサインメント(2回)が20%、クラスパーティシペイションが20%、中間テストが20%、期末テストが40%です。

授業の特徴としては、定量的な評価をきちんとやるところだと思います。特に、バリュエーションとタームシートでは、ホームワークやテストで計算をみっちりと課されました。例えば、後の投資ラウンドの投資によるdilution (希釈、持ち株比率が下がること)の影響を計算する、といった課題です。この授業をとれば、VCと投資銀行の基本的な業務と必要な計算方法が身につくと思います。

MSF(ファイナンス専攻修士コース)と一緒の授業であるため、ファイナンスが強く学生が多くレベルは高いと感じました、クラスのモティベーションも高く、議論も活発で周りの学生から学ぶことも多かったです。

OBHR681 Managing Behavior in Organizations (MBA 2014 Kanako)

2013-06-25 23:40:09 | Core-OBHR
科目名:OBHR681  Managing Behavior in Organizations
受講時期:2012 Module 1
担当教官:Brad Alge

このクラスでは、人間の行動を理解し、人材のパフォーマンス向上にどう対応していくかという授業です。コア(必修)クラスの中で唯一、組織/人事に関連した、且つソフトスキルに関連した授業といえるでしょう。1週間に2回、1.5時間の授業、しかもレポートなしとなると、他のコアクラスと比較すると負荷が低く見てしまいがちですが、Module 1で履修する授業の中で最もクラス貢献度が成績に反映される授業なので、授業の準備を軽視してはいけない授業だと思います。

授業では、人間の行動を個人レベル、グループレベル、組織レベルで理解することを数週間ずつに分けて理解していきます。担当教官独自のPPTをベースに、彼の経験とケースを交えながら、各テーマのコンセプトを学んでいく形式です。マズローの欲求階層説やコッターのリーダーシップ論等の馴染みのある内容もあること、コンセプトの名称や内容全てを知っておらずとも、実際組織で働く上で「あるある」と感じることもあることから内容の理解は難しくない授業です。一方で、ややソフトスキルの概要によっているともいえ、定量分析をはじめ、ファイナンス等のような数字で語る世界にはなっていませんので、そういったことを期待している方や数字での判断に慣れている方の中には物足りないと感じてしまう方もいるかも知れません。

提出課題は、期末試験の代替としてケース分析のペーパーをチームで提出することのみです。中間試験(Pop Quizzes)は記述式のものが2度あるのみでした。1つは授業で習ったコンセプトを中心としたもの、もう1つはミニケースでした。これらの課題はそこまで難解なものではありませんが、むしろ留学生(特に東アジア諸国出身)にはClass Participation(クラスへの貢献度)が一番点数がとりにくい部分でしょう。(よく某国女性陣が、母国では挙手、発言をする文化ではないのでやりにくいとぼやいていました)。また、期末のケース分析では、前述のように特定の公式、解法がある世界ではありませんので、チームでのディスカッションは人によっては難しく感じるかも知れません。

MGMT 692 Managerial Communication Skills (MBA 2014 Jun)

2013-06-25 23:38:07 | Core-Others
科目名:MGMT 692 Managerial Communication Skills
受講時期:2012 Module 1,2
担当教官:Angelica Ruvarac

この授業では、プレゼンに必要な技術を、実際にプレゼン課題をこなしながら学ぶ授業です。授業は、第1モジュール、第2モジュールを通して、週1回のペースで開講されます。授業は各セッションとも3チーム程度に分けられ、担当教授も異なりますが、学ぶ内容は同一です。

授業のプレゼンは、エレベータピッチ、チームプレゼン、個人プレゼンに分けられ、個人プレゼンは、2-3個の課題を与えられ、最後は10分程度のプレゼンをすることが求められます。日本人にとって、英語力の問題もあって、最初はプレゼンを行うのに苦労しますが、それなりの数の課題をこなしているうちに慣れてくるものです。私のこの授業の一番の思い出はチームプレゼンでした。テーマはひとつの国を選定して、その国のビジネスカルチャーを紹介するというものでしたが、わがチームの選んだ国は「日本」。来て間もない私は、たどたどしい英語で、必死に日本のビジネス文化をチームメイトに説明して、ひとつのプレゼンに作り上げたのはよい思い出です。

プレゼン後には、クラスメイトからプレゼンのフィードバックをもらえるので、自分では気付かないプレゼンの癖が見えてきます。また、一般にアメリカ人はプレゼンがうまいといったステレオタイプな見方がありますが(私自身もそうでしたが)、実際に授業を通して感じたのは、確かにプレゼンはうまい人が多いですが、人によってアガリ症であったりと、人前での発表の苦労は万国共通であるということもわかってきます。

MGMT620 Marketing Management (MBA 2014 Kanako)

2013-06-25 23:34:11 | Core-Marketing
科目名:MGMT620 Marketing Management
受講時期:2012 Module 2
担当教官:S. Bala Balachander

このクラスは、まさにマーケティングの基本講座と言える授業です。4C、4P分析といった概念から、定量分析、シミュレーションまでを8週間でカバーします。

授業内容は、関連分野の教科書をベースにケースディスカッションを中心としています。ケースは週に平均2本ありましたので、毎回の授業までに読み込んでクラスディスカッションに参加できるように準備をするのはなかなか大変です。
一方で、ケースがカバーしている分野が一般消費財からエンターテイメント業界、マーケティングのテーマもブランドマネジメントからwebマーケティングまで幅広く扱っているので、毎回興味深く読んでいました。また、授業の形式として、クラス内でケース分析を行ったあと、まとめにくわえて必ず後日談(実際、ケースの題材となった企業はどう動き、どのような結果になったか)を教えてくれるので現実世界でどうなったかということも分かり、とても勉強になります。

ケースをベースとした授業にくわえ、Markstratというチーム対抗のシミュレーションゲームも行います。最初は授業時間内にレクチャーを受けながらシミュレーションを進めますが、後半には各チーム独自で進めていきます。途中の経過を元に戦略プランを作成し、moduleの最後には成果発表プレゼンテーションもありますので、シミュレーションゲームとはいえ侮れません。

採点評価は、Participation: 20%、Case Analysis: 25%、Markstrat: 25%、Final: 30% とバランスよく配置されているのでどれも気が抜けません。Participationは、やはりネイティブを中心に発言が多くなるので、よく準備して臨む必要があります。Cold Callはそこまで多くはありませんが、教授は満遍なく学生に発言させたいようですので各授業の前半から積極的に発言をしていくのがいいのではないでしょうか。Case Analysisは指定された7本の中から3本をチームでまとめて提出という形式でした。2ページ以内でExecutive Summaryを書くというタイプでしたので、チームでのディスカッションもさることながらまとめ上げるのになかなか難儀しました。私のチームはExecutive Summaryを書いた経験がある人がいなかったため、またほとんどがノンネイティブだったため、本文、添付資料ともに注力して作成しました。Finalは全てエッセイ式ですので、まとめシートの持ち込みが許可されているとはいえ、なかなか骨が折れます。

教授はインド系の方ですが、比較的英語が聞きやすいです。多くのケースで定量分析を中心に分析を進める点でとてもKrannertの香りを感じた印象があります。また、どんなに議論が白熱しても、1回の授業でカバーする予定のところはきっちり1回分でおさめてくれるのが個人的には好印象でした。Pricing Strategy等、Electiveのマーケティングクラスも教えていらっしゃるのでぜひとってみたいと思います。

MGMT610 Financial Management (MBA 2014 Yohei)

2013-06-25 23:31:29 | Core-Finance
科目名:MGMT610 Financial Management
受講時期:2012 Module 2
担当教官:John J. McConnell

このクラスでは、ファイナンスの基礎を学びます。テーマは大きく(1)債券、株価計算、(2)投資・企業価値計算(NPVおよびDCF法による企業価値算定)、(3)CAPMの3つに分けられ、週3コマのペースで進みます。本クラスはファイナンスの導入クラスという位置づけであり、内容は基本的です。したがって、ファイナンスのバックグラウンドを持っていない学生にとっても、毎回のケーススタディーをしっかりこなしていけば理解ができるようになってきます。

授業の評価は、授業中に行われる30分程度の試験が2回と期末試験、授業中のパーティシペーションに基づいて行われます。授業のパーティシペーションがそれなりの分量を占めるため、しっかりと授業の予習を行わないといけません(教授は毎回の授業について学生のパーティシペーションを3段階で評価します)。

この授業の特色は、過去にKrannertのベストプロフェッサーに選ばれたこともある有名教授であるJohn McConnell自身です。彼の授業は、ファイナンスの導入クラスという位置づけにもかかわらず、学生のパーティシペーションをベースに進みます。毎回の授業で必ずCold Callがあるので、3-5ページ程度あるケースに、多くの時間と労力を裂いて事前準備が必要でした。しかしながら、周りの学生もきちんと用意したうえで授業に臨むことからとても緊張感があり、教授はクラスのディスカッションをしっかり誘導してくため(逆に言うとColdCallでは今教授が求めている回答は何か?ということを考えねばなりませんが)横道にそれていくこともなく、成績のつけ方も分かりやすく、終わった今となってはとても充実したクラスだったと思います。

Krannertでは、第4Module以降にAdvanced Corporate financeが開講され、このクラスで学んだ知識をより深めることができるプログラムとなっています。


MGMT600 Accounting for Managers (MBA 2014 Naoto)

2013-06-25 23:26:46 | Core-Accounting
科目名:MGMT600 Accounting for Managers
受講時期:2012 Module 1
担当教官:Rick Johnston

この授業は、モジュール1の必須科目で週3回の開講です。この授業では、会計の基礎を学びます。まず基本の財務諸表である損益計算書、バランスシート、キャッシュフロー計算書のコンセプトの理解から始まり、実際の取引、売買を財務諸表に落とし込んでいく方法を最初に学びます。

次に、US GAAP(アメリカ会計基準)における、各トピックス;買掛金、在庫、債務の計算、等についてより深く掘り下げてゆきます。

最後に、管理会計のいくつかのコンセプトを紹介してゆきます。内部会計レポートが経営判断にいかに重要な指標を与えるかということや、外部に報告する財務諸表とどういった点で異なっているかを学びます。

授業は最初少しスローかなと思うペースで始まりますが、2週目くらいからはペースアップしてかなり早いスピードで進み、分厚い教科書を2ヶ月でほぼ終わらせてしまいます。

私は会計や経済学のバックグラウンドが全く無い状態で授業を受けたため、この授業で多くの初めての専門用語を学びました。まさしくこの会計の授業を通じてビジネスの“言語”を学んだような気がします。会計の知識があれば理解は早いと思いますが、私のような知識の無いものでも、基本からしっかりと教えてくれるため、きちんと授業をフォローしていけば大丈夫です。

教授のジョンストン教授は、非常にエネルギッシュな授業で知られており、評価の高い教授です。成績には非常に厳しいことでも知られています。期末試験の難しさには定評があり、今年もケース4本分相当の財務諸表(数十ページ)の問題が出題されました。期末試験で高得点を狙うのは難しいと言われているので、9つのホームワーク(個人提出)や3つのケース(チーム提出)、2回の中間試験やクラスパーティシペーションでこつこつと点数を稼いでいくことが大切だと思われます。ちなみに、配点はホームワーク(100)、ケース(50)、クラスパーティシペーション(100)、中間試験1(50)、中間試験2(100)、期末試験(400)です。

この授業は楽なクラスではありませんが、MBAで学ぶことの“芯”になる重要で有意義な授業でした。