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12/19-1 : 新星誕生も 【08個別評価・唐川19】

2008年12月19日 01時00分01秒 | 08総評
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昨年の高校ドラフト1巡目指名の唐川19

 戸塚伎一


あくまで勝手な推測でしかないんですけど、もし昨年が統一ドラフトだったとしても、1巡目指名は唐川だったんじゃないかな、という気がします。 服部も評価は相当高かったと思うけど、1巡目でどうしても取らなければならない、という程の競合はなかったように思いますから、2巡目でも十分獲得できたでしょうし。

その唐川。
指名当時、各テレビ局等で付けられたキャッチフレーズは「総合力NO.1投手」。 完成度が高い投手ともとれるけど、悪い見方をすれば、全てが平均よりちょっと良い投手、って感じにも取れなくない。 いずれにしても、身体の線は前年の田中マー(Gイーグルス)の1年目などと比べてもひ弱な感じでしたので、1年目から1軍に出てくるにしても後半戦からかなぁ、と思っていました。

が、
良い意味で大きく期待を裏切る4月デビュー。 3月から行われた教育リーグとかイースタンリーグでの登板では、まったく高卒新人の投球ではなく、あきらかにプロで数年やっている1.5~2軍選手たちを打ち取っていたので、1軍でもある程度通用するだろうな、とは思っていましたが。

4月23日の福岡ドームでのデビュー戦。
もう何があろうと、とにかくテレビでリアルタイムで観てやる、と思い、仕事そこそこ、即効に帰宅。 テレビの前でかじりつきながら、唐川の一つ一つの仕草を見守る。 そして、プレイボールの声がかかり、橋本のリードに従って投げ込む。
「すごいっ!」
たった1球、テレビの画面を通して観ただけで、身震いがした。 球速が速いわけではないんだけど、とにかくマウンドからキャッチャーミットに投げ込まれる投球の軌道が美しい。 ピュッ、っと一直線に白い線が吸い込まれるように描かれている。 非常にゆっくりとした投球モーションから繰り出されるストレートだからなのかもしれないが、時間感覚がなんだかおかしくなる気がした。
そして、高い位置から大きく落ちてくるカーブ。 これも、すごいっ。 それほど長身でもない唐川だけど、手から離れたボールがかなり高い位置までふわっと上がったかと思ったら、急速に落ちてきてキャッチャーミットに収まる。

もう、本当に何年も武者震いするような新人投手なんていなかったですからね。
あえていうなら、松坂(元ライオンズ)くらい? まあ、松坂はもっとオーラがすごかったけれど、少なくとも1年目のダルビッシュ(ファイターズ)には感じなかった武者震いするような感動。
本当にマリーンズファンになってよかった、と思った瞬間。
そして、唐川がマリーンズに入団してくれてよかった、と思った瞬間でした。


成績としては、一気に3連勝するものの、交流戦に入るとその勢いは全くなくなったため、最終的には5勝4敗 防御率4.85。
交流戦以降は、残念ながらほとんど通用しなかった、と言ってもいいかもしれない。 入団前から言われていたランナーを出してからの投球術。 高校レベルではなんとかなったかもしれないし、2軍だったらまだごまかしもきいたかもしれない。
でも、唐川が登板したのは、プロの1軍。 少なくとも日本最高峰の野球の舞台。 小さな穴と思っていたものでも、その穴をピンポイントでついていける選手たちであり、スタッフが揃っている。 見事なまでにその穴をつかれ、ランナーが出ると必ず、と言っていいほど失点してしまう。 その繰り返しになっていました。

私が唐川の調子を判断する時の唯一のポイントは、3回までに四球を出さないかどうか。
出さなければランナーが出ても最少失点などで抑えてなんとかなる。 出せば一気に大量失点で崩れる。 実際に統計を取っていないのでわかりませんが、シーズン終わってみて登板試合をすべて見てみたら、かなりの確率でこの法則が当っているのではないかと思います。


実際のところ、プロの体力がついていなかっただけなのか、研究された上、致命的な癖などがあり攻略されたのか、その両方なのかはわかりませんが、多くの栄光をつかむとともに、多くの課題が見つかった1年だったのではないでしょうか。







さて、ここからはいつものようにデータを提示していろいろ検証してみましょうか。


表1) 2008年1軍での総合成績



5勝4敗で、完投も1つあるしそれも無四球試合という成績を残したのですから、高卒新人選手としては十分な成績でしょう。
与四死球は合計15個と少なく、投球回数が81回2/3ですから、与四死球率(1試合完投したらいくつ平均四死球を与えるか)は1.84ですから、非常に優秀な値です。 たしか、この数値に近い投手は和田か杉内(ホークス)くらいしかいないはずですね。 本当に制球は優れているということが言えます。
ただ、被安打102は多過ぎですね。 これが大いに改善点。 見ている資料で塁上別投球成績がないのでわかりませんが、恐らくランナーがいる時の被打率はかなり高いのではないでしょうか。 自責点と失点の差が大きいのもちょっと気になります。 要は、四球やヒットでランナーが出るのではなく、味方がエラーして出塁を許した時にも失点し易い、ということですからね。
ランナーが出てからが課題、というのが明白です。 たくさんオフ中に取り組んでね。




表2)対戦チーム別投球成績



セントラルとバファローズに関しては見る影もないようなボロボロな成績になっています。 唐川に対するデータがだいぶそろいはじめてから対戦することも多かったですし、連勝記録がかかっていたりして降板時期を大きく送らせてしまったミスなんかもありましたしね。 パシフィックとセントラルの野球の違いとか、外国人選手のパワーは非常に痛感したことでしょう。

対して、Gイーグルスのような拙攻タイプのチームだったり、長打力の心配がほとんどないファイターズの2チームに対しては良い成績だったようで。 特に、Gイーグルスとの対戦なんで、ほとんど三振が奪えていないにも関わらず、防御率0点台ですからね。 いかに勝手に打ち損でくれてアウトをプレゼントしてくれていたのかがわかります。




表3)月別防御率



月別の防御率グラフを出してみましたが、4月~5月当初の快刀乱麻はあったものの、5月中旬から6月にかけて交流戦が始まって大きく打ちこまれ始めてしまいました。
そして、交流戦が終って休養をとってすぐは良かったけど、真夏の8・9月ではすでに春先の輝きが観る影を失ってしまったことが露骨に出てしまいましたね。 あまりにも早く1軍で活躍してしまったために、年間通して投げ続けるための体力が、身につかなかったのでしょうか。。。



表4)防御率推移



これまた、折れ線グラフにすると露骨に表れてしまっています。
勝ち星がある時はほとんど防御率が上がらないか落ちており、勝ち星がつかなかった時には常に防御率が上がってしまっています。 いかに後半調子が崩れてしまっていたかがわかります。




一応、ファームでも7試合に登板していますから、ちょっと2軍での成績もみてみましょうか。


表5)2008年ファーム成績



大嶺の時にちょっと触れましたが、一軍で活躍する投手の条件として私が勝手に思っているのは2軍でも奪三振率が10.0を超えること、だと思っています。(打者は.350かな)。
唐川も例外なく、10.45の成績を収めています。 三振を取りまくるタイプの投手ではないと思いますが、それでも1試合完投すれば10個以上の三振を取る可能性が高い投手だと言えます。

あとは失点と自責点の差だけで判断するものではないのを重々承知の上書きますが、2軍だと全くその差がないのですよ。 唐川のランナーがいる時の球のスピード等の落ち方は、ファームでは問題にならないのですね。 唐川は1軍で調整をしていくべき投手なのかもしれません。



表6)ファームでの全登板成績



ざっと全7試合の成績を載せて観ました。
失点が0→3→0→3と繰り返しているのがなんともいえませんね。 まあ、野球とは関係ないけど。








いずれにしても、唐川はマリーンズに現れた輝く新星であるのは確か。
この1年で見つかった多くの課題(スーツのズボンのすそ含む)を克服し、プロの世界を大きく照らす巨星へと発展していってもらいたいものです。


唐川、来季は20勝二桁勝利を期待しまくっているぞ!



7月11日 県営宮城球場 勝利インタビュー(J-SPORTSより)






19 唐川 侑己
  【私的評価 Ⅰ】
  【年俸査定】 1,800 ← 1,000 ← 新入団
  (08) 15試合 5勝 4敗 0S 防御率4.85 ← (07) 新入団

  【実際の査定(推定年俸)】
    1,800万円(800万円UP) 
       
  【09年の期待数値】
    20試合以上の登板で、年間通して先発ローテーション入り 
    10勝以上 防御率3点台前半
    (ランナーがいる時の)セットポジションでも力・キレのある球を投げ込めるように♪
 





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にほんブログ村 野球ブログ 千葉ロッテマリーンズへ 代官山でやってもらったという唐川のヘアスタイル。 え・・・っと・・・・・ちょっとねぇ。