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09-008 : 試練続く 【08個別評価・根元32】

2009年01月10日 23時35分00秒 | 08総評


さて、久しぶりの個別評価の記事です。 ずいぶんと時間が空いてしまったものです。
それも、今日(10日)から新入団選手の合同自主トレ(だから”合同自主トレ”って日本語が変だよ・・・)が始まって話題があるというのにねえ




今回スポットを当てたのは、根元俊一32



Marines TV


ある意味、マリーンズで今一番タイムリーな選手かもしれませんね。  
即戦力ルーキーとしてマリーンズに入団したのが2006年。 その力は、2軍では1年目から存分に発揮していました。 2006年は打率.343、そして2007年はなんと打率.383。 少なくとも打撃面では、2軍レベルではない選手ことだけははっきりしていました。 ただ、1軍での試合となると昨年までは特に変化球にはまったく対応できず、凡打を繰り返し1・2軍をいったりきたり。

それが2008年になると開幕1軍を果たし、なかなかスタメン出場は果たせなかったものの、9試合目・3月31日千葉マリンでのバファローズ戦で9番セカンドでスタメン出場。 ライトとレフトへのヒットを放ち4打数2安打と、負けゲームながらも気を吐きました。
4月になると右投手の時限定とは言いながらもスタメン出場の機会が大幅に増え、その起用に応えヒットを積み重ねていきました。 ホームランを打つほどの長打力はないものの、外野のど真中を抜くような2ベースヒットを多く放ち、チャンスメイクをしてくれました。 規定打席には達しないものの打率.330~.340台をキープしつづけ、隠れ首位打者、とマリーンズファン内で呼ぶ人も出てくるほどでしたからね。

ついに根元がブレイクするか!?、と期待しましたが、本格的なブレイクと言えるのはオールスター以降の後半戦を乗り切れるか次第。 
残念ながら根元は、2008年はその壁を越えられず7月後半からみるみる打撃成績を落とし、ついには試合前のバント練習中のミスで顔面骨折、という自爆である意味2008年シーズンを終えることになってしまいました。 (10月に2試合出場はしています。)
本格的なブレイクとまではいかなかったものの、110試合に出場し打率も3割近くで終えましたので、2009年シーズン以降のさらなる成長を期待させたシーズンだったのではないでしょうか。

とはいえ、多くの試合に出場したことによって多くの課題が浮き彫りになったのも事実。 ここではとりあえず二つだけ挙げてみます。
一つは、”巧い”と言うファンが多かった守備。 打者ごとの守備位置のとり方などは良かったように思いますが、捕球してから送球するまでに余計な球の握りなおしなどのアクションがあることでダブルプレーが取れなかったり、いわゆる「魔送球」を繰り出す場面も繰り返しありました。 
もう一つは、一言で言えばスタミナ。 シーズン通して出場したことがないからなのか、7月後半からの打撃悪化は目に余るものがありました。 相手チームに研究されたこともあるでしょうが、根元自身に小さな怪我や故障・疲れもあったようです。 西岡がいなくなった8月に大きく打撃成績を落としたことは、本人にとっても非常に悔やまれることだったのではないでしょうか。

それでも課題が明確ならばこのシーズンオフおよび春季キャンプで改善努力をすれば良いこと。 2009年シーズンは根元がどこまでブレイクしてくれるかが、マリーンズが優勝できるかのキーになるか!?、と思っていたのですが、根元にとってはもっと大きな試練が訪れる可能性が出てきました。 まあ、まだ決まったことではないので、具体的には書きませんけどね。






さて、ここからはいつものようにいくつかの表やグラフを見ていきましょうか。


表1) 過去3年間の打撃成績



入団してからの3年間で、確実に打撃は成長してきていることがはっきりとわかります。
試合出場数はもちろんのこと、ほとんどすべての数値において2008年シーズンは最高の数値を挙げたといってよいでしょう。 出場数が増えたからと言って、極端に三振数が増えたとかいう悪い点が見当たらず、むしろ改善されているところばかり。 意地悪い言い方をすれば、打撃成績が落ちる一方だった9月に顔面骨折で戦線離脱したことがトータル数値的には良い方向に出た、とも言えますけど、それはあまりにもひねくれた見方です。 打撃面では、本当に成長の跡がはっきりと見えた1年だったことでしょう。



2008年シーズンの根元といえば、ヒットは打つけどチャンスに異常に弱い、ということもファンの間ではよく語られていたこと。 果たして本当にそうだったのでしょうか。

表2) 塁状別打撃成績




確かに、得点圏打率とそうでない時の差はありますね。
1割近い打率の差があるのですから、ファンから「チャンスに弱い」というレッテルを張られてしまったのはしょうがありません。 数値上でも実証されてしまいました。

でも、赤文字(打率3割以上)と青文字(打率2割以下)のところを見てください。
ランナーがいたら打てない、というわけはなく、赤文字にしたランナー1塁もしくは1・2塁の時は非常に高い打率を誇っています。 色分けはしていませんが、満塁の時も.273ですからそう悪い打率ではないですし、四球、つまり押し出しの四球も3つも稼いでいるのです。 満塁での出塁率は.429になるんですよ。 そう考えると、得点圏打率だけでみるのとは違って、チャンスにはそこまで弱いわけではないんじゃないか、という気がしてきました。



そこで次の表とグラフを見てください。

表3・グラフ1) 塁状別打撃成績2





上記の表・グラフは、ランナーがある塁にいるケース(1塁→1塁、1・2塁、1・3塁、満塁)をまとめた場合の打撃成績です。 つまり、ランナーが1・2塁だった場合、上記の表(グラフ)では「1塁」と「2塁」の打撃成績両方に打撃成績がカウントされるわけです。

もうお分かりですよね。
根元はランナーが1塁にさえいれば打撃成績は抜群なのです。

ここから先に書くことはデータがないので完全なる憶測になるのですが、根元の打撃成績は相手の守備体系に大きく影響しているとも言えるのではないでしょうか。
ランナーが1塁にいる、ということは、相手の一塁手は1塁ベース付近で守っている場合がほとんど。 つまり、ランナーなしやランナー2塁または3塁、または2・3塁の時よりも、1・2塁間に大きくスペースが空きやすいということ。 結果的に、1・2塁間を抜いてヒットになったかどうかは別として、少なくとも根元の意識の中で引っ張る打球を打てばヒットになる確率が高くなる、という精神的な余裕により好結果に結びついた可能性がかなり高いのではないかと思います。 もしかしたら、より詳細なデータをみたら、本当に1・2塁間を抜くような右への打球によるヒットが多いだけかもしれませんが。

逆に言えば、2009年シーズンの課題としては、左へ流す打球ももっと意識して自信をもって打てるようになると、ランナーが2塁もしくは3塁にいるケースでも安打が打てるようになり、得点圏打率≒打点も稼げるようになるのかもしれませんね。



もう一つ、ケース別の打撃成績を少しまとめたものをみてもらいたいのですが、こちらもでかなり露骨な数値が出てきています。

表3・グラフ2) カウント別打撃成績(ストライク)




根元って、2ストライクになってから打つケースが5割以上あるのです。
全選手の統計をとっているわけではないのですが、マリーンズの選手は「早いカウントから打ってくる」イメージが非常に強いのですが、根元は違うようです。
ただし困ったことに、2ストライクになってから打っていった時の成績が本当に極端に落ちていることがはっきりとみて取れます。 もちろん、ほとんどの選手が2ストライクから打ったケースの打率は低くなるのですが、根元の場合は1ストライクおよび0ストライクから打った時の結果が非常に良いだけに、2ストライクまで追い込まれてしまった時の打撃の悪さが非常にもったいない。




似たような表・グラフをもう一つみてもらいましょうか。

表4・グラフ3) カウント別打撃成績(ボール)




表3)はストライク数の観点からみましたが、表4)は視点を変えてボール数の観点からみています。

こちらでも露骨な数値が現れています。
0ボールの時の打撃成績がものすごく良いのです。 1ボールも3割を超えているので良い成績ではありますが、ボール数が一つ増えることに打率も落ちています。
ストライク数との兼ね合いで考慮すると、根元も早いカウントで打った時の方が圧倒的に打撃成績が良い、ということがわかります。 思い返してみれば、根元がサヨナラ安打を放った4月13日のファイターズ戦も、武田久から初球アウトコースの球を打って決めていましたね。

もう一つ、3ボールまでいった時の打率は低いのですが、実は四球数が32もあるのです。
この点を踏まえると、実に3ボールまでいった時の出塁率は.577。 さらに、カウント2ストライク3ボールとなった場合、30打数5安打(打率.167)ですが四球数が16もあり、同じように出塁率が.457もあったのです(なお、三振数は9個のみ)。
このことから考えると、2ストライクまで追い込まれてしまったら、とにかくファールなどでカウント2-3まで粘りに粘れるようになると、7月半ばまで維持していたような打率が2009年シーズンは残せるようになるのかもしれませんね。 




根元が多くの女性ファン(だけじゃないけど)の期待に応えるためには、2008年シーズンの打撃成績を上回り、守備面(特に送球面)での安定感をみせてもらわねばなりません。 それは、井口の去就に関係なく根元がやらねばならぬこと。

大きな壁がどんどんとやってくる根元ではありますが、その壁を次々とクリアして、大きく羽ばたく姿をぜひ2009年見せてほしいものですね。

 11月17日 @千葉マリン






  【私的評価 Ⅱ】
  【年俸査定】 2,600 ← 1,450 ← 1,350
  (08) 110試合 打率.296 3HR 29打点  ← (07) 34試合 打率.266 1HR 9打点

  【実際の査定(推定年俸)】
    2,800万円(1,350万円増) 
        
  【09年の期待数値】
    125試合 規定打席数到達! 打率.300 50打点 15盗塁
    バントは顔面ではなくちゃんと野手が捕りにくいところへ転がそう♪ 魔送球は程々に。