リメンバー 石井紘基

故石井紘基議員の存在を過去のものにしてはならない。石井紘基の業績と遺志を伝えていくBLOG

市営バスの運転手には1000万円プレーヤーも多い

2005年05月02日 | 役人の収入
当世給料事情/6 地方公務員
市営バスの運転手には1000万円プレーヤーも多い ◇民間の倍、年収1300万円も

 ◇赤字市バスの運転手

 5~6人に1人は年収1000万円超という、うらやましい職場が実在する。  横浜市営バスの運転手は、02年度で約1600人。平均年収(平均年齢43歳)は791万9000円だが、1000万円以上は245人、50歳代後半で年収1300万円超の運転手もいる。同市のバス事業は、02年度で約37億円の市税が投入されて、ようやく14億円の黒字だが、営業収支は22億円の赤字だ。

 1日の勤務時間は7時間45分で、午前5時半から順次出庫する午前番を2日こなし、翌日は朝・夕のラッシュ番、さらに午後2時からの午後番を2日、そして2日の休みというのが平均的な1週間の勤務。運転手が足りなくなって公休日に出勤したり、渋滞で車庫への到着が遅れれば超過勤務手当(残業代)が付く。年収1300万円の運転手は、実に「500万円近くが残業代」(横浜市交通局)だ。

 京都市営バスでは、約940人の運転手の平均年収が873万円。うち180人が1000万円プレーヤー。大阪市営バスも、約1390人の運転手のうち260人は年収1000万円以上で、3~4人の運転手は1300万円を超える。

 「人の命を預かる職業だから、高給批判は当たらない」という声もある。ただ、大阪市営バスと競合する民間の近鉄バスは「社員の平均年収が約600万円で、1000万円プレーヤーは皆無。契約運転手の平均年収は350万円」という現実もある。

  ◇  ◇

 国税庁の民間給与実態調査によると、02年の民間サラリーマンの平均年収は448万円(男548万円、女278万円)。これに対し、全地方公務員の平均年収は743万円(総務省調べ)。

 東京都三鷹市のある市営保育園は、保育士1人当たりの人件費(年収プラス社会保険料の事業主負担など)が799万円。これに対し、施設は同市が整備し、運営は民間企業に委ねる「公設民営」保育所は1人当たり467万円、認可外の保育所では1人当たり358万円。年齢の違いはあるが、市営の人件費は民間の2倍以上になる。

 東京都杉並区は、区立小・中・養護学校に計176人の常勤の給食調理員がいる。平均年収は約800万円で、「950万円を超える人もいる」(杉並区議会議員)。年間の勤務日数は約240日だが、給食実施日は180日強。給食がない50~60日は「日ごろ手が届かない消毒作業や研修に充てている」というが、清掃・消毒は日常業務。60日も必要かどうか。

 同区は、コスト削減のため、01年度から給食の民間委託を導入、現在は小・中・養護学校の68校中14校が民間委託している。この結果、「民間委託校では人件費が3~4割削減できた」(同区)。平均年収800万円の公務員に比べ、民間なら500万円前後で済む計算だ。

 さすがに、公務員の厚遇批判を意識して、同区は昨年の夏休みから、女性の給食調理員は保育所給食の応援、男性は安全パトロールを始めた。それでも「公務員の給食調理員は、仕事の密度に比べてもらいすぎ」(区職員)との声は強く、将来的には給食調理を全面的に民間委託する方向で検討が進んでいる。


毎日新聞 2004年1月10日 東京朝刊

[http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/wadai/price/archive/news/2004/20040110ddm008020999000c.html]