音楽の話 (39)

　ふとした時に思い出すフォーク歌手がいる。そんな一人が、佐藤公彦である。

　通称「ケメ」の方が、有名かもしれない。ラジオの深夜放送にはまっていた私はケメの「バイオリンのおけいこ」を聞いて、なんとなく気に入っていた。声は確かに男なのであるが、かわいいイメージだった。そのユニセックス的な感じが、当時の女性には大変な人気であった。まあ、私の周りの女の子は、彼のことを知らなかったが。何せ田舎だったので…

　いろいろ聞いてみると、「メリーゴーランド」が一番好きかな。ほのぼのした曲だ。グレープ（音楽の話 (38)）のところでも書いたが、結局周りが求める彼のイメージと曲が自分が求めるものとのギャップがどうしても起きてくる。そこを上手に乗り越えられるといいのだが、口で言うほど簡単ではない。

　一時、彼がどうなっているかわからなかったが、活動を再開していたと聞いていた。ただ残念ながら、2017年に心筋梗塞のため65歳という若さで死去。

　エレックレコードの先輩である泉谷しげるが、追悼の言葉を出して早すぎる死を残念がっていた。