あの日から、一年がたとうとしています。
あの日、みなさんは何処で、誰と、どんなふうに東日本大震災にあわれたのでしょうか?
あれから1年。今も生々しく残る体験したことこのない恐怖や驚きに、もう一年経ったのか・・と思い
いまだ瓦礫の残る何もない被災地の様子に、一年経つのにまだこれか・・・と、もどかしい思いに包まれます。
みなさまのご協力を得て咲かせ続けている 桜の文香
ASHIGARAアートフェスティバルのコア会場のタペストリーは、昨日のフィナーレの後、
神奈川県の職員の方に託して、石巻に届けられることになりました。
松田山ハーブガーデンのタペストリー2枚は、この後2週間ワークショップを続けます。
開花が進んで5分咲きになった桜を見ながら、一緒に被災地への想いを託していただければ・・・そう思っています。
昨日、ASHIGARAアートフェスティバルのフィナーレ会場となった南足柄文化会館には、たくさんのさおり織の布が飾られました。
長いものは30メートルもあるそうで、カラフルに模様を織り込まれ、舞台の両サイドも素敵に彩られていました。
ステージで歌っているのは高田風さん
この布は一人の作家の作品だと聞き、そのエネルギーに驚きました。
そして、その方が自閉症で17年間もひきこもり状態が続き、
その存在さえ知られないような暮らしをしていたと聞き本当にびっくりしました。
外に出られない他人とかかわれない子どもに、さまざまな手を尽くして向き合い続けた母親は、
60歳を前に、自分も少し好きなことに時間を使っても良いかな・・・そう思ってさおり織を始めたそうです。
すると、さおり織に夢中になる母の姿を見ていたお子さんが、自分もやりたい・・と興味を示し、
朝から夕方まで、のめり込むように織りつづけ、素晴らしい作品を作るようになったそうです。
現在母親は80歳を迎え、ひきこもっていたお子さんは海外でも作品が紹介され招待を受けるほどの作家活動をしているそうです。
固く閉じていた扉が、母の姿とさおり織をきっかけに外へ向けて開き、エネルギーの発露となったようです。
3月11日を前に、人の力と可能性を信じることができる良い話を聞かせていただいたと思いました。