






ただいま、開成町瀬戸屋敷では


足柄刺繍の作品展が開かれています。

約1700年前、中国から伝来した刺繍は朝廷や寺院を彩り、桃山時代のころには、
小袖や内掛け能衣装など、美しさと贅沢の象徴として、上層社会の人々に愛されたそうです。
江戸時代に入ると、庶民の生活にまで普及し、明治の末からは小田原でも
一大産業として隆盛を誇ったことがあるそうです。
その後世界大戦を境に、「幻の繍」となりつつあったものを、上田菊明氏が、
足柄刺繍としてよみがえらせ、伝承・保存に努められています。
今回は、その上田氏の貴重な、すばらしい作品が展示されています。
瀬戸屋敷の母屋の裏にある、蔵が会場となっています。

残念ながら作品は撮影禁止でしたので、ご紹介することができませんが、
下地に綿糸で、縦横に刺した上に、グラデーションに染めた絹糸でさまざまな柄を刺していく
立体的で重厚な感じのする作品です。
展示作品の中には、実際に触れることのできる作品もあり、目の不自由な方にも、
作品を楽しんでいただけるような工夫がされています。
実際に触ってみると、想像以上にこんもりと盛り上がっていて、滑らかで、
その繊細な仕事ぶりが実感できます。
この作品展は、6月5日(金)まで開催されています。
瀬戸屋敷は、あじさい祭り期間中は有料となりますが、5日までは無料で見学することができますし、
周りの田園風景も美しく、訪れるには、とてもいい季節だと思います。


この機会に、お出かけになってみてはいかがですか?
