葉月の季まぐれノート 花と木と…時々五七五

日々の思いを気まぐれ、季まぐれに綴る。時々自己満俳句やります。

色紙雛

2022年02月26日 | 日記






色紙雛 寡黙な祖父の 大き背(せな)














童女のごと伯母 雛菓子華やげり





伯母の部屋 燦燦と雛(ひいな)の間




弟の過去のブログより抜粋


             2014年2月18日
雪とお汁粉と雛飾り 

大雪…。
雪の静寂というのは、静寂中の静寂だと思う。
その静寂に包まれて五日。
雪に閉ざされるっていう表現を、今身を持って理解している。

中略


伯母の部屋には雛飾りが、伯母の手によって飾られた。
毎年の恒例行事。
伯母と母の父親が、買ってくれたという。お内裏様とお雛様の絵。
お金の無かった時代。本物が買えない父親の、精一杯の愛情が、その絵には込められている。
伯母は、
「他の、どんな綺麗なお雛様より、これが好き。」
と 絵を見ながら言った。




心の底から温かくなる話。
とても好きな記事。その光景がそこには居ない私にも浮かんでくる。

ところで、このお雛様の色紙。
昔昔、私が小学生の頃(勿論そのずっと前からあったのだが)
おじいちゃん(伯母と母の父)の部屋、2階の南側(と思われる)のその部屋の壁、小さな床の間のような空間に、丸い額縁(参考までに写真を添付)の中に入っていた。

伯母はきっと、ひな祭りが近づくと、毎年ここに、飾ったのだと思う。
ひな祭りだという感覚もなかったが、この丸い額縁に、入ったお雛様の頃は、特に好きな季節だったと記憶している。

東京の真ん中、日本橋に母の実家、祖父と伯母の家があった頃の事。
小学生、中学生、高校になっても、夏休み、冬休み、春休みは祖父と伯母のこの家に泊まりに行くのが、何よりの楽しみだった。
寡黙な祖父は、ひがな、この部屋の大きな窓の前の机に鎮座して、新聞を読んだり、時におやつをたべたり。
その側で、私は漫画を読んだり 物思いに耽ったり至福の時間を過ごした。
なんの会話もなくても、幸福だった。
祖父の背中は、優しさに満ちていたから。

      









夜半の春

2022年02月25日 | 日記






娘の手の うすき静脈 桜餅




夕東風や 老いたれば子に 従いて













夜半の春 光陰をただ 惜しみおり




ようやく日中の気温が、二桁になった。
とはいえ11〜12度。風がやや冷たい。
昨日までの冷たい北風とは違う、スマホのお天気アプリを見ると「東風」
まだちょっと寒い。体感温度は、10度もない感じ。
それでも明らかに、日差しは春。
下の孫は、三時過ぎに元気良く帰宅し、「ばあば!昨日よりあったかいね!」と嬉しそう。
一時間遅く下校してくる姉と、又夕方、ボール遊びをするみたい。
今週になって、急に夕方、庭でソフトバレーボールで、姉妹仲良く遊ぶようになった。
日が長くなり、今までの運動不足を解消するかのよう。
まだまだ寒いのに、とばあばは余計な心配をする。暗くなって漸く家の中へ。
食欲もある。作った夕飯は、いつも綺麗に食べる。
それはほんとに嬉しい。バタバタとなんだか要領が悪くなり、時間ギリギリにやっと作り終える日々だが。
こうして、綺麗にたいらげて(笑)くれるって、ありがたいこと。
仕事帰りの娘も又然り、なのだが、この一か月、蔓延防止発令より、在宅勤務が週一回ある。

鬱々と過ぎて行く一月、二月。
だが気がついた。
娘と孫娘三人の仲の良い事。
きゃっきゃっと良く笑い、丸で三姉妹。
こんなに仲良かった?と娘に聞けば、「うん、なんかね。楽しいよ。喧嘩もするけど。」
どうやら新生活、うまくいっているよう。
もう一つ気づいた事。娘の手の甲の静脈。
痩せた訳でもないのに、なんだか目立つ。色白だからか?いややはり歳!
今年の12月には39歳!
夫に言わせれば、若見えすると言うけど。そして娘本人も、お客さんから、20代でしょ?ってよく言われる。
って、そりゃお世辞に決まってる!
と即座に笑い飛ばすばあば。

だって実際、いろいろ体調悪かったり、あちこち爆弾抱えてる身。
夫にはあまり言ってないけど。

まぁ母娘三人、家に帰れば誰に気兼ねもなく、気楽に楽しく暖かく暮らせるというのは良い。
末永く仲良くしんさい。

母娘三人といえば、もう一組。
2枚目の写真は、6年半前の我が母と妹と私。
2015年の8月末に、3度目の骨折入院した母を見舞った、私と妹。
手術前の不安げな母をよそに、姉妹の笑顔!
同居の弟、ずっと母、伯母の世話をして来た弟が見たら、なんたる親不孝かつ、お気楽無神経姉たちよ!と怒るかも。
でも、なんだかこの時、私たち姉妹は、母を囲んで小さな子どもに戻っていた。そんな一枚。好きな一枚なのだ。
母はこの手術、入院そして退院後、あれよあれよ、と衰えていった。
弟を唯一頼り、甘え 最期までこの末の息子を独占して。

だから(?)母娘三人のこの一枚。どうか大目に見てください、弟よ。













浅き春

2022年02月22日 | 日記






春動く 空一面を 雲遊ぶ













姑訪えば 春動きけり 久し笑み











浅き春 亡き父偲ぶ 日なりけり






相変わらず底冷えの1日。
だが、日が高くなるにつれ晴れて青空も。すると気持ちも明るくなる。

孫娘たちも、昨日よりなんだか元気。
(まだその頃は、朝日は低く、登校の子たちはきっと眩しかろう。)

冷たい風の朝、マスクから白い息が漏れるけど、本日は姉妹共に、笑顔で手を振り「行って来まーす!」と元気な声。思わず嬉しくなり、いつまでも見送る。
身震いしながら家の中へ入り、一息。

朝の月が傾き、鎮守の杜の上に見えたが、もう外へは出たくない。
やっぱり寒い!
朝刊をゆっくり読む。
本日は、2022年2月22日。
2が、6個。ニャンニャンニャニャニャンニャン。猫の日だそう。(笑)

25年前に、亡くなった我が父親の誕生日。
父は、何処かで「フフン」と笑っているだろうか。
すっかり変わってしまった世の中。
ウィルス騒ぎはまだまだ終わりそうもありませんよ。

午後から、ワクチン三回目の接種券を届けに、姑さんの施設へ行く。
面会は、まだ無理だろうと思っていたが、意外にも、玄関先で短時間ならと許可された。
相変わらず、視線は定まらないが、機嫌は良い。
また痩せた体。顔も小さくなった。ズボンの裾から覗く足首は、腫れてはいないが赤くて、思わず手で触れてみる。
冬はいつの頃からか、こんな風に膝から下は赤く腫れる。多分足の甲は腫れているのだろう。血行が頗る悪い。

夜中は、しばらく良好だった吐き癖。
また少し吐くようになったと、主任さんが言う。
衰えは、見た目よりきっと更に進んでいる。
だけど今日はとても大きな声で、「上がりなさい。」「又、来んね!今度はちゃんとご馳走するから。」と言う。

「ありがとう。じゃ又来ます。」と手を振り、主任さんに、宜しくお願いします、と施設を後にした。

帰路の道には、菜の花がチラホラ咲き始めた。

帰宅すれば、下の孫娘が間もなく下校して来た。今日はスイミングスクールの日。さっさと宿題を済ませる。

スクールへ送り、空を見上げれば一面の、なんとも綺麗な雲。
鱗雲みたいな、面白い雲に覆われる空。
そろそろ冬も終わりかな。
明日明後日までは、一桁予報の気温だが、金曜日から二桁になってる。
もう少しの辛抱だね。
上の孫。明日も友だちと遊ぶ約束をしたからばあば、お迎え良い?と。
良いとも!

明日は、天皇誕生日。
なんだかまだしっくりこない祝日だが….。






雨水

2022年02月19日 | 日記
底冷えの、長い一週間だった。
昨日、唯一最高気温が二桁になった金曜日。
朝はマイナス一度。日中は徐々に気温が上がり、久しぶりに青空が広がった。

前日、夫が探し当てた隣町の保育園。我が家のお雛様たちの、新居となるところ。

数年前、色々調べ、市役所やその他の施設に問い合わせたが、なかなか受け入れてくれる所がなく諦めていた。

43年前、長女の初節句に、実家の母が送ってくれた、七段かざりのお雛様。
田舎に嫁いでいなければ、当然こんな立派なお雛様を送る事など、無かったろう。

今は亡き母が、初孫に、そして田舎の長男に嫁いだ娘の為、随分高価な品物を買い送ってくれた。

43年経った今でも、色褪せることなく美しいお雛さま。

ただ、飾るのに時間がかかる。
雛壇を組み立てるのに、どれだけの時間がかかる事か。一人では至難の技。
義父が元気な頃は、良く手伝ってくれた。孫娘が喜ぶ顔と親戚や近所の人に見せたい為(笑)

やがて、娘たちはお雛様にあまり興味も示さない歳になり、飾る大仕事に私も意欲が失せ、お雛様は、ずっと二階の収納庫に置き去りに。

三年前、強い決意で、お雛様を飾った。
母が亡くなって三年後の春の事。
ただ段は組み立てず、テーブルを利用して、毛氈を敷き内裏雛、三人官女、五人囃子、右大臣左大臣、仕丁。
道具などは一部だけを飾るという。

それでも、心は晴れやかになった。
母が喜んでいるような気にもなった。
ただ…孫娘たちの反応はいまいち。
どうやら怖いらしい。端正な白い顔の美しいお雛様は、ちょっと恐ろしいらしい。
8畳の和室、明るい昼間はともかく、夜ともなるとその部屋の前の廊下さえ行きたくないらしい。(笑)

実は初孫(長女の子)の初節句、そして我が家に昨年、長滞在の小六の孫(次女の子)の初節句の時も頑張って雛壇を組み立て、三、四時間かけ、飾ったお雛様。
その時は、2階の長女が使っていた部屋に出したのだが、二人とも、あまり喜ぶ事もなかった。
やはり怖いらしい。2階の使っていない一番隅の部屋だから、と解釈して、三年前は階下の明るい部屋に飾ったのだが。

まだ元気だった頃の母は、飾った報告と写真を見ると、いつの頃からか「大変ね。これを出したり、しまったりは。いつかどこかに寄付とか出来るといいね。」と言うようになった。

そう。容易に飾り、当たり前に毎年お雛さまを観てくれるところ。

あったのだ。
本当にそれは突然決まった。

この週唯一晴れた、金曜の午後。夫と二人、大きな段ボール四つと、スチール製の雛壇の重い一抱えを二階からおろし、車に積んで。
ワゴン車を走らせ15分。
白梅が咲き誇る、可愛い保育園へ着いた。

園児がお昼寝の時間帯。数人の保育士さんが、すぐ出て来て園の講堂に運んでくれた。
段を組み立てるのだけは、レクチャー。
後は説明書を見れば、若い保育士さんなら容易に飾れる。
「ありがとうございます。」と笑顔の綺麗な保育士さんに、「こちらこそありがとうございます。どうか宜しくお願いします。」
(母の思いや私の感謝が籠ったこのお雛様、どうか毎年飾って下さい。)という重すぎる言葉を胸に秘め(笑)

それでもふと、母は喜んでくれるだろうか、本心はどうだったのだろう…がよぎる。
でもこの、真っ青な澄んだ空は、きっと母の気持ちなのだ、と解釈。

これから毎年、お雛様たちは、新しい住処で、元気な子どもたちを楽しませてくれることだろう。














雛の新居よ 梅白き 保育園








春空や 園に委ぬる 妣の雛




春光や 飛行機雲に 託す夢











しづかなる 雨のひと日の 雨水かな






そして、今日は雨水。雪が雨に変わり、草木の芽の萌え生ずる時季。

だが実際は、寒さがぶり返し、一日中冷たい雨が降る土曜日。
孫たちも来ない静かな一日となった。







暖かな土曜日

2022年02月12日 | 日記







春光を スクショして 旅気分かな











畔青む かの日の空と 伯母の声











白花たんぽぽ 日溜りを一人占め












菜の花や 月は今にも 雲隠れ











昨日より更に暖かい予報で、日中は14度という土曜日。
昨日と違い、朝から晴れて気持ちが良い。
明るい青空。お日さまが出てると気持ちも前向きになる。
半日があっという間に過ぎる。

昼前に、娘からLINEが来て、思わず笑ってしまった。
「外国に来てます。」
椰子の木と教会?美しい青い空。
ほんとに外国みたい。
⚪︎⚪︎プレミアム アウトレット。
小高い丘の上のモール。私は随分行っていないが、ブランド店やレストラン、カフェなど、沢山のお洒落なお店が、立ち並ぶ。「外」なので開放感あり、屋内のショッピングモールよりは、三密もいくらかは回避できるのかもしれない。
買い物好きな娘。
この時期、困ったものだが、子どもを連れ出すには、ここならと苦肉の策なのかも。
親と買い物は、随分嫌がっていた小六の孫娘、珍しく一緒!
ファッションに、今興味深々なので、ちょっと行きたくなったかな。

それでは、ばあばはウォーキングと決める。
目標は7000歩…。いや無理はしないで6000…5000 (笑)
ウォーキングというより散歩、散策。

ウォーキングを初めたころのコースを辿る。
田んぼ道から、大通りへ向かい、コンビニを抜けて、線路沿いへ。
これだと折り返し点もなく、ぐるりと一回りして帰宅。というコース。

畦道には、白いたんぽぽが一輪。
去年も確か見つけた。
そして菜の花の一角。一輪だけをアップで撮ると可愛い!
この木立のあたりで、伯母に電話したなぁ。もう少し暑い季節だった。
飛行機が頭上にさしかかって、伯母にその様子を話して…。

線路沿いの道は、まだ母が元気だった時。母はひたすら、息子(我が弟)の帰りを待ち侘びて。ちょっぴり腹を立て、尖った口調になった我が狭い心を今更ながら悔やむ。

いや線路沿いの道は、夜歩きの時、弟に電話した方が多かった。
オリオン座を眺めながら、車の行き交う音や、電車が通り過ぎる凄い音を、気にしながら。
多分、弟には愚痴ばかり聞かせた。

本日は、淡い昼月を見ながら、誰にも電話することもなく。
帰宅すれば、7050歩。
少し汗ばむほど。毎日歩けばいいのにねぇ。(笑)




苺大福って…

2022年02月07日 | 日記







かぶりつく 大福や 苺に歯形










やや密の 雀動かざる 春寒






     






柔き陽の さして翳りて 春障子














三寒の 四温兆して 白髪染め







苺大福が大好きな孫。
特に「石村萬盛堂」の苺大福に目がない。
月曜は、大体不機嫌に登校して行くが、帰宅して、苺大福を見つけ、満面の笑み。
手を洗い、早速食べる。
なんかちょっと、苺小さくなってない?とか言いながらそれでも、美味し〜と、ハイテンション。
二つ食べても良い?(笑)

ところで、苺は夏の季語である。
が、いちご大福は??
季語の訳はないけど、何となく春っぽい。
で、勝手に春に…と、ここで気づく。
苺大福、と書いてない俳句となった。
これは一体?
まぁ自己流なので🙇‍♀️

今日も、ほぼ曇天の寒い一日だったが、昨日よりは幾分日中の気温が上がった気がする。
週間予報、明日は10度。やっと二桁。
その後も暫くは、寒の緩みの気配。

三寒四温は、冬の季語。だけど自己流なので、お許しを。
白髪染めと言っても、カラートリートメントだし。(笑)
なかなか美容院にも行けない日々。

ばあばはテンション、下がるばかりです。






時々雪

2022年02月05日 | 日記





小雪舞う 久淹れる 珈琲薄き










二月の雪 夫は村の 葬礼へ















句帳替え ムーミン谷の 春心地










如月の 光陰を乗せ 雲走る











遠ざかるサイレン 虎落笛は止まず





底冷えの一日。予報通り朝から雪がチラつき、正午頃には激しい横殴りの雪になった。
昨日、コロナワクチン三回目を接種した夫。
二回目と同様、左腕の接触したところが痛い、と言い微熱もあるよう。

そんな状態で、こんな天候。
1時からの、地元のお婆さんの葬儀に行く。
熱は37度7分に上がった。
それでも村の役員代表で、何がなんでも列席しなくちゃいけないらしい。
昨日の通夜では、喪主の家の、隣組の中の数人から、「こんなご時世に、何で隣組を駆り出して、葬儀をするのか、家族葬にするべきなのに。」とひそやかな声があったとか。

全く同感。
我が村我が市、日々感染者が増え、本日はとうとう60人を越えた。

感染対策を万全にして短時間に、という事なのだろう。
古い村の体質、地元の年寄りは特に、昔通りに、葬儀はやりたいというのが本音のよう。

葬儀から帰宅した夫、幸い熱は下がってきた。凄い雪も昼の数十分がピークだった。

だけど、冷たい風は日がな吹き荒れ、雲の流れが早い。
時々青空が覗き、雲は輝くように美しい。

風が鳴っている。虎落笛。

この時期は、冬と春のせめぎ合い。
季語も、冬と春がごちゃ混ぜ。(笑)

二月は、やはり寒い。
昔とは気候が随分変わりはしたけど、二月は、本当に寒い、と思う。
日の出は、現在7時11分。日の入り17時53分。
確かに日は長くなったが、朝が遅い。暗い。だから起きられない。(とお日さまのせいにする、万年朝寝坊おばば。(笑))

一日どこへも行かず籠り居を決め込んだ。

心機一転、という訳でもないけど、句帳を久しぶりに変える。
句帳というけど、私のそれは、殴り書きの惨憺たるノート。
このムーミンノートは、二年前に、来福した我が弟から貰ったもの。可愛らしいムーミン一家が表紙の
、殴り書きするのが勿体ないもの、なので今まで大事に取っておいたが。
使わない方が罪だ。
1週間以上、胃の調子が悪くて、コーヒーを控えていたけど、今日、薄く淹れたコーヒーを飲む。
このくらいならいけそう。
薄いコーヒーとノートで心機一転。(笑)

ムーミン谷はまだ冬眠の最中かな。
今日は孫たちが居ないので確かめようが無いけど、確か雪解けの頃まで冬眠から覚めない… はず。 

表紙のムーミン達は、春の感じ。

暖かい春が待ち遠しい。