鉄線花 受け流すこと むずかしく
否定から 話す夫の 扇子かな
リセットす 良き風呼んで 暮れの春
ふみの日切手 三枚貼って 六月へ
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万緑の 葉擦れさわさわ 夕歩き
クローバー いちりん摘みて 戻り道
緑の夜 闇満ちてきて 道はるか
夏星に顔上げ 舞台はじまりぬ
芭蕉玉解く 初挑戦の 長台詞
七時だから 空見上げれば 夏の月
夏近し 御堂裏ひそと 蛍草
ひとつあげると 薔薇のブーケ 置いてゆく
薄暮の窓辺 甘やかに 薔薇香りおり
綾なす薔薇 口ずさみたる 薔薇賛歌
参道の 左端を行く 白日傘
風渡る 柄杓ことりと伏せ 五月
絵馬の願い 東京の空へ 夏空へ
夕月や どくだみの白 咲いており
算数の 込み入ってきし 青葉騒
ブラウスの 袖はためいて 聖五月
楓若葉の エントランスや 洋菓子舗
(いわさきちひろ、絵描きです。より)
母の日や 母生きてきし 昭和遠し
声かけて カラー咲って 母の日なり
上弦の月 森はもう真っ暗闇
蒲公英の絮 一緒に電車 乗るつもり
街路樹の 緑濃くなり 夏は来ぬ
紫陽花色の 淡き変遷 ちひろ展
五月薫る 美術館に 風渡る
本能には 勝てぬ芸術 春長ける
若葉光 蜘蛛の囲揺るる 裏鬼門
風薫る ペダル踏む子の 一途な瞳
日傘回せば 海めく空 広ごりぬ
三色のポピー 揺れて透けゆく 水曜日
ひなげしや 懐かしき歌 ふと浮かぶ
花菖蒲 むらさき色に 風渡る
空模様怪し 牛蛙の池の端
その中に 薄紅隠し 白牡丹
障子真っ新 夕焼空は 眩しすぎ
山査子の 花に夕暮れ 来ておりぬ
薫風や 雅の宿の 枯山水
初夏や 姉妹が淹れる 朝の珈琲
旧き街並み 五月の風と カレーの香
帰り来れば 陰濃くなりぬ 夕牡丹
新樹晴 豊前と豊後の 国境
髪のリボン 外して五月 放たれる
若葉燃ゆ 車窓にいつしか 微睡みぬ
薫風や 子らの破顔を 包み込む
緑さす 沿線に沿う 水平線
坂登り坂降り 湯の街は薄暑
海色の 皿美しき こどもの日
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