音を立てちゃダメだ!シーンと静まり返った場内でお腹の鳴る音が響き渡る・・・
まるで背後霊のように盲目のミチル(田中麗奈)の家に忍び込み、そのまま居座ってしまった男大石アキヒロ(チェン・ボーリン)。まるでギドク監督の『うつせみ』状態だ。アキヒロが駅のホームから彼女が窓辺で佇む姿をジッと見ていたことから、もしやストーカー行為に走るのではないかと想像してたのに、展開は全く違ったものになりました。音を立てずに部屋の片隅を自分のテリトリーとして、彼女の生活を眺めているアキヒロ。風呂だって覗かない、寝室だって覗かない、かなりストイックな青年だったのです。
駅のホームの転落事故。死んでしまったのは松永(佐藤浩市)だ。ハーフであるアキヒロと同じ職場で、彼によっていじめられた経緯もあることから、アキヒロが重要参考人と報道される。もしや殺人犯?と緊張感が生まれる中で、ミチルは何も知らないで生活を続ける。音を立てられない、匂いも出せない、トイレだってペットボトルという窮屈な逃亡生活。いつまで居座るつもりなんだと疑問を持ちつつも、何も悪いことをしそうにない彼にも感情移入してしまう。よく観察すると、佐藤浩市の亡霊がアキヒロに取り憑いたんじゃないかと思うほど、唇、鼻、眉毛が似てきているのです。ひょっとすると佐藤浩市の隠し子なんじゃないかと疑ってしまいました。
ミチルの親友のカズエ(宮地真緒)もいい存在だ。一人暮らしを決めたのなら、一人で外を歩く練習しなければならないと突き放すところもあり、真に彼女の生活のことを考えてくれる。そしてそれ以上に優しさを感じさせるのが日本語もたどたどしいアキヒロの存在。見つかって食事をご馳走になったんだから「礼くらい言えよ」とは感じるのですが、何しろ自分の居場所がないと信じている男ですから、黙って去ることも考えていたのでしょう。
外国人や障害者に対する世間の冷たさや、『武士の一分』のように親戚の態度をもチクリと描きつつも、人間の温かさを感じる映画でしたけど、これはサスペンスなんだということを忘れてしまいそうになります。そのおかげで[井川遥の超人的ダッシュや狂気に満ちた表情に]インパクトがありました。遥ちゃんってば・・・
★★★★・
まるで背後霊のように盲目のミチル(田中麗奈)の家に忍び込み、そのまま居座ってしまった男大石アキヒロ(チェン・ボーリン)。まるでギドク監督の『うつせみ』状態だ。アキヒロが駅のホームから彼女が窓辺で佇む姿をジッと見ていたことから、もしやストーカー行為に走るのではないかと想像してたのに、展開は全く違ったものになりました。音を立てずに部屋の片隅を自分のテリトリーとして、彼女の生活を眺めているアキヒロ。風呂だって覗かない、寝室だって覗かない、かなりストイックな青年だったのです。
駅のホームの転落事故。死んでしまったのは松永(佐藤浩市)だ。ハーフであるアキヒロと同じ職場で、彼によっていじめられた経緯もあることから、アキヒロが重要参考人と報道される。もしや殺人犯?と緊張感が生まれる中で、ミチルは何も知らないで生活を続ける。音を立てられない、匂いも出せない、トイレだってペットボトルという窮屈な逃亡生活。いつまで居座るつもりなんだと疑問を持ちつつも、何も悪いことをしそうにない彼にも感情移入してしまう。よく観察すると、佐藤浩市の亡霊がアキヒロに取り憑いたんじゃないかと思うほど、唇、鼻、眉毛が似てきているのです。ひょっとすると佐藤浩市の隠し子なんじゃないかと疑ってしまいました。
ミチルの親友のカズエ(宮地真緒)もいい存在だ。一人暮らしを決めたのなら、一人で外を歩く練習しなければならないと突き放すところもあり、真に彼女の生活のことを考えてくれる。そしてそれ以上に優しさを感じさせるのが日本語もたどたどしいアキヒロの存在。見つかって食事をご馳走になったんだから「礼くらい言えよ」とは感じるのですが、何しろ自分の居場所がないと信じている男ですから、黙って去ることも考えていたのでしょう。
外国人や障害者に対する世間の冷たさや、『武士の一分』のように親戚の態度をもチクリと描きつつも、人間の温かさを感じる映画でしたけど、これはサスペンスなんだということを忘れてしまいそうになります。そのおかげで[井川遥の超人的ダッシュや狂気に満ちた表情に]インパクトがありました。遥ちゃんってば・・・
★★★★・
さきほどFMを聞いていたら、乙一は和製スティーヴン・キングなんだとか・・・知らなかった。
本来がそんなに明るい映画じゃないため、スリリングな部分と意外性など、見るべきところが違っていますよね。
差別の問題がさりげなく取り上げられていますけど、このさりげなさがいいんですよね。これをメインにしてしまったら、反日であるとかネット炎上すること間違いなし(笑)
井川遥は在日であることが発覚したし、今後の出演作も注目ですね・・・どうかな~
両作、最後は、希望を感じるものの、非日常性、死が絡むこと、不幸に継ぐ不幸、いくら行動・心理・動機の裏付けの為でも、【設定】・【配役】が、徹底的にブラックすぎて・・。
対人恐怖症で孤独な少女と耳が不自由な青年。失明した女性と中国とのWで差別やイジメを受け心を閉ざした青年。
井川サンには遊ばれ捨てられる女ではなく幸せになる女をやって欲しいし、ボスも佐野サンではなく岩城サンがチョコっとかばうとか、台湾のキムタクことチェンボーンサンが差別される姿も、反日感情を煽ってる。
ベストセラーになること自体・・日本は病んでる。
そういわれるとポルノの設定もおかしくない・・・(笑)
考えたら、キム・ギドクなんかも全作品ポルノとして作り変えることができたりして・・・ううむ。
まあ、乙一原作ですから、エロスはあんまりないんですが、この設定で、日活ロマンポルノであれば・・・妄想してしまいます(笑)
いやはや、この映画と『うつせみ』の両方観てる人って少ないんですよね~
映画館だと余計に感じるのですが、シーンと静まり返った場内で「音を立てちゃダメだ・・・」とマジでお腹を押さえたりして・・・(汗)
井川さん、カミングアウトしたせいで出演作が減るのかな。どんどん起用してもらいたいのに~
トラバ&コメントありがとうございました。
確かに『うつせみ』っぽい雰囲気ありましたよね。
井川さんは私も好きです。
やせ過ぎてないとこに好感が持てます(笑)
タイトルのイメージからすると、もっとロマンチックなものを感じますが、どちらかというとキム・ギドク風でしたよね。
井川遥はカミングアウト問題が取り沙汰されてますが、それでも好きです♪
題名から受ける印象がよくなかったのですが、DVDを借りて観てみるとこれが大変面白い。
まったく予想していなかった井川遥の演技は最高でしたね。
不思議で静かな生活、そんなに長くは続かないですよね^
存在に気づいてから一緒に食事をするのだって、3度目くらいには何か言いたくなるだろうし・・・
土鍋が落ちるシーンはすごかった。急行電車が突っ込んでくるシーンもそうですが、細かい編集は上手かったですよね。不自然さがなかったです。
>あさこ様
ボーリンの顔のクローズアップが徐々に多くなってくると、似てることを意識したものなのかな~などとも疑ってしまいました。
ムダ毛の処理・・・俺もちっとは考えてましたよ。
存在がばれてから一度ボーリンくんはヒゲを剃ってたようですから、麗奈ちゃんもカミソリは使っていたのでしょう(妄想ですが)。
たしかにエロティック度はあってもよかったですよね。
>よゆぽん様
たしかにホラー(笑)
井川遥はときどきいい演技をしますよね~
>aq99様
静かな映画では困りますよね。鳴らさないよう鑑賞前に飯を食うと眠くなるという理由で、俺はよく鳴らしてしまいます(汗)
考えてみれば透明人間みたいなものですしね・・・
欲情しても困るけど、自分の匂いも隠さなければならないんだから、風呂場は要チェックのはずですよね。
ペットボトルは同じモノを何度も使ったのか、気になります。
最近、私もよく鳴らしてますが、結構響くんで困りもんです。
のび太や、「インビジブル」のケビン・ベーコンだけでなく男全員、速攻風呂場なのに~。
小便を我慢するのに、ペットボトルを使うほどの人だから、欲情したら困ることを計算しての行動だと思います。
匂いでばれるって!
そういえば佐藤浩市とボーリンくんって顔の濃さが
似てるかもしれませんね。
>風呂だって覗かない、寝室だって覗かない、
男性が見るとやはり不思議ですかね?
女の私は目が見えないミチルはどうやって
ムダ毛の処理をしているのかが気になりました。
風呂上りのミチルを眺めるシーン
もうちょっとエロチックでもよかったな~と思います。
井川さんには私もビックリでした。
いつも窓際の定位置で体操座りをするアキヒロがキュートでした。
土鍋落下のシーンでは思わず声を上げそうに(笑)
それにしても遥チャンすご過ぎ~
いやぁ~やられました。
怖かったよぉ~遥ちゃん(笑)
優しいお姉さまが・・・・
このサスペンスと温かい人間関係のギャップこそがこの映画の面白さなのかもしれませんね。
>kazuu様
なんと!そんな台詞まで思い出せませんでした(笑)
そうかぁ~駅員もわからなかったほど速かったわけですね。納得・・・
劇中「陸上部だったからもっと速いわよ」というセリフがありましたが、これはこのシーンを示唆していたのかな(笑)。
サスペンスだったんですね~。なんだか不思議な映画でした。