◇8月13日(土曜日)晴れ
習志野9-3明徳義塾
八幡商5-3帝京
作新学院3-2唐津商
如水館7-4東大阪大柏原
第1試合に登場した明徳義塾の4番・北川倫太郎(左翼手・右左・187/85)が第2打席、今大会2本目となるホームランをバックスクリーン右にぶち込んだ。1ボール2ストライクに追い込まれた5球目、135キロの内角高めストレートを捕手寄りで捉えて押し込んだ一発。四国在住のスポーツライター、寺下友徳氏は、「地元ではほとんど(ホームランを)打たないのに甲子園で打つ不思議な選手」と言うが、私はその甲子園で活躍するところしか見ていないので、地元で打てない姿が想像できない。
ヘッドが中に入るのがマイナス要素とも聞いた。その話を聞いたとき思い出したのが筒香嘉智(横浜ベイスターズ)の横浜高時代。少しヘッドが入るフォームを見て「それは監督か部長に注意されないの?」と聞くと、「そういう無駄なことをするなら始動を早くするなりして対応しろ」と言われたという。私が「少し」と思ったのに対し、注意した小倉清一郎部長(当時)は「そういう無駄なこと」と言う。
北川に話を戻すと、ヘッドの入りは、私は「少し」だと思う。しかし、意識の高い指導者なら小倉前部長のように「対応しろ」と注意を促すだろう。名将・馬淵史郎監督は北川のヘッドの入りをどう見たのか、是非聞いてみたい。
打撃以外はどうだろう。走塁は1回戦が[1]四球、[2]本塁打、[3]死球、[4]左直、[5]四球、この2回戦が[1]左飛、[2]本塁打、[3]三振、[4]三振(以上[]内の数字は打席数)と、ストップウォッチを用立たせてくれない。俺の脚力を勝手に計るな、と言われているようで嬉しくなる。
守備は昨年にくらべるとだいぶうまくなった。春の選抜のときも思ったが、打球に追いつくのが早くなり、返球も素早さを増した。ノートには「普通にうまい」と書いた。もちろん、プロ入りの障害になるようなレベルではない。北川がどのくらいの順位で評価されるのか興味深い。私はドラフト上位候補だと思っている。
[この日目立った好選手]
◇大野 駿(習志野2年・投手・右右・180/70)9回6安打6三振2自責点
直球は130キロ台が最速だがエース泉澤涼太に似ている。変化球多彩でキレよし
◇宮内 和也(習志野・遊撃手・右右・171/68)3打数3安打
1回戦は本盗で本領発揮。この試合は滞空長い一本足でタイミングとり3安打
◇皆川 健太(習志野・捕手・右右・182/75)4打数2安打3打点
イニング間の二塁送球1.89~1.92秒。低く伸びる強い球筋は大会屈指の迫力
◇松山 大志(習志野1年・一塁手・右右・180/85)4打数3安打
センターから右方向の安打3本。第3打席は内寄りスライダーを右前に打つ
◇福永 智之(明徳義塾2年・右右・177/69)2回0安打3三振0自責点
MAX144キロのストレート主体の投球小気味いい。右打者の内角に腕振って投げる
◇松本 剛(帝京・遊撃手・右右・180/80)4打数2安打2打点 ※本塁打1
雑なプレーあるが軽快な足さばきと強肩はピカ一。第2打席の本塁打は技術高い
◇阿部健太郎(帝京2年・二塁手・右左・176/70)4打数1安打
走らない帝京の中で数少ない俊足。第1打席、右前打と思った打球を二塁打に
◇石川 亮(帝京1年・捕手・右右・180/78)4打数2安打
動と静の間ほしいが、センターからライトへの安打2本。バットの引き小さく
◇飯野 徹也(作新学院・投手・右右・178/76)0.2回・0安打0三振0自責点
9回、1点差の1死二塁でリリーフ。サイドからのMAX144キロで2者凡退
◇佐藤竜一郎(作新学院・遊撃手・右左・180/68)4打数1安打
北方の外角高め149キロをいとも簡単に左前へライナーの安打。コンパクトな振り
◇北方 悠誠(唐津商・投手・右右・180/80)9回7安打10三振1自責点
1回強打の飯野徹也を外角低めの153キロで空振り三振。高速スライダーもいい
◇花本 太紀(東阪大柏原・遊撃手・右右・175/70)3打数2安打1打点
上半身と下半身が連動しない割にスイングがしなやかで打球に力強さがある
◇福山 純平(東阪大柏原・投手2年・右右・175/70)6.2回4安打5三振1自責
7四球、3死球は反省も、打者手許で伸びるストレートと多彩な変化球は魅力ある