さて,前回で,多くの組織において,T1は1秒前後,T2は50ms前後に分布していることを述べました.ところが,水のプロトンのT1は,共鳴周波数(静磁場強度)に対して,顕著に延長することが知られています.
上に示すグラフは,カエルの筋肉を用いて,水のプロトンのT1とT2を,共鳴周波数に対してプロットしたものです(Seymour Konigの論文より引用).
このように,多くの生体組織において,共鳴周波数の増加に対してT1は延長し,T2はほとんど変化しない(より高い周波数では,わずかに減少することが多いようである)ことが知られています.
この性質は,異なった静磁場強度でMRIを行う際には,必要な知識です.