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T1とT2は,MRIにおいて非常に重要なパラメタであることは,これまでに何度もお話しましたが,生体組織における水のプロトンのT1とT2に関する性質をお話しましょう.
上に示すのは,水を含む生体組織において,その水のプロトンのT1とT2を横軸として,縦軸に,水の含有量をプロットしたものです(P. Mansfield and P. G. Morris NMR Imaging in Biomedicineより引用).このように,いくつかの,非常に興味深い性質を読み取ることができます.
まず,第一は,T1,T2は,水の含有量に対して,「正の相関」を持っているということです.すなわち,水分の多い組織ほどT1とT2は長い,ということが分かります.
この性質は,理由はともかく,腫瘍などの病変組織において,水のプロトンのT1とT2が,正常組織のそれらに比べて延長する事実にも対応しています.
第二に,多くの組織において,T1は1秒前後,T2は50ms前後に分布していることです.
これらの数値は,T1強調画像や,T2強調画像を撮像する際のTRとTEの決定に,非常に深く関わっています.
このように,生体組織の水のプロトンの緩和時間は,バラエティはあるものの,同じような性質と,ほぼ共通の値を持っていることが分かります.
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