MRIのすべて(all about MRI)

磁気共鳴イメージング(MRI)に関するさまざまな経験や知識を提供しつつ今後の展望を切り開きたい.

基礎講座40

2006-08-06 16:34:50 | Weblog

最後に,受講者の方々に,ブログに掲載する旨を伝えましたが,何とか約束を果たすことができました.一時は,どうなると思いましたが.

以上です.
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

基礎講座39

2006-08-06 16:34:06 | Weblog

今日,勾配エコー法に関して述べたことの,60%位が,私の本に書いてあります.また,もっと勉強したい人には,緑の本が薦められますが,少し内容は古いようです.また,分かりやすさを主眼として書かれている訳ではありません.名著とまでは言えませんが,これ以上の本を書くのは,難しいでしょう.

でも,Klauss Schefflerか,Brian Hasegroveならば,もっといい解説が書けそうですので,今後に期待しましょう.
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

基礎講座38

2006-08-06 16:33:20 | Weblog

これが結びです.

単純な結論ですが,勾配エコー法は,MRの製造メーカーによって,かなり違うようです.どこかで,きちんと撮像して比較した例があったら,教えて下さい.

ただし,勾配エコー法のシーケンスは,詳細まで公開されているのでしょうか.特に,スポイリングの部分は,なかなか難しいと思いますが.

なお,今回,勾配エコー法における,定常状態への近接に関しては,何も述べませんでした.また,snapshot FLASHなどの話も省略しています.

でも,通常使用している,勾配エコー法だけでも,謎は深いと思っています.ISMRMなどでも,いまだに,ウィークエンドセッションで,解説が行われています.

今年,面白かったのは,HASTEとTrueFISPが,すぐ隣のシーケンスだということでした.来年も,新しい解釈が聞けるかも知れません.
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

基礎講座37

2006-08-06 16:32:33 | Weblog

さて,では,二つのRFパルスでどのようにしてスピンエコーが出るのでしょうか.

これを理解するためには,spin phase graphというものを理解しなければなりません.

すなわち,このグラフは,任意のフリップ角を有するRFパルスが,全く核磁化の位置を変えない変換,縦磁化への変換,位相を180°変える変換という,3つの操作を有している事実(これは古典的には理解し難いので,量子力学的な確率として理解しなければならないようです)を使って得られるものです.

このように,二つのRFパルスは,何かしら,核磁化をリフォーカスさせる機能を有しています.
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

基礎講座36

2006-08-06 16:31:57 | Weblog

この図に示すように,スポイリングのための勾配磁場は,一定の大きさで加えられますので,一つのRFパルスの両側にあるスポイリングの勾配磁場の効果は,完全ではありませんが,ある程度キャンセルされます.

すなわち,二つのRFパルスにより,スピンエコー状の信号が発生し,次のRFパルスで励起され,次の横磁化の生成に寄与します.

このようなメカニズムにより,横磁化のコヒーレンスは,部分的に維持されます.

このような理由で,このシーケンスを,部分的コヒーレント型勾配エコーと呼んでいます(あまり一般的ではありませんが).
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

基礎講座35

2006-08-06 16:31:12 | Weblog

さて,部分的コヒーレント型勾配エコー法における,核磁化の運動を再掲します.

ここで示した円板が,画素の中に閉じ込められた核磁化の分布であることが分かると思います.ところが,このスポイルされた核磁化は,ある程度回復します.
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

基礎講座34

2006-08-06 16:30:32 | Weblog

ここに,磁場オフセットに対するTrueFISPの信号強度を再掲しますが,GRASSとFISPの信号強度が,TrueFISPの約60%になることが,良く分かるでしょう.

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

基礎講座33

2006-08-06 16:29:39 | Weblog

この図は,勾配磁場によるスポイリングのメカニズムを示すものです.すなわち,スポイリングは,画素の中で,ちょうど核磁化が1回転となるように行われます.

この操作は,レゾナンスオフセットアングル(ROA)に対して,TrueFISPの信号強度を積分することを意味しています.
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

基礎講座32

2006-08-06 16:29:00 | Weblog

これが,部分的コヒーレント型勾配エコー法の代表的シーケンスです.

このように,位相エンコードに関してはリワインドされますが,スライスとリード方向に関しては,横磁化のスポイリングが行われます.

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

基礎講座31

2006-08-06 16:28:14 | Weblog

このパワポに示すように,各社では,FISP,GRASS,FAST,FE,GREなどと呼ばれています.

このシーケンスでは,位相エンコードのリワインドを行いますが,スライス勾配とリード勾配に関しては,スポイリングが行われています.

これらのシーケンスは,TR,TE,フリップ角を調整することにより,T1強調画像,密度強調画像,T2*強調画像などの取得に,広く使われています.

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

基礎講座30

2006-08-06 16:27:23 | Weblog

これで,ようやくGRASSやFISPの説明ができるようになりました.すなわち,これらのシーケンスは,部分的コヒーレント型勾配エコー法と呼ぶことができます.
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

基礎講座29

2006-08-06 16:26:34 | Weblog

TRをさらに延長することにより,ダークバンドの幅は,ますます狭くなり,1画素の中に入ってしまいます.この時のシーケンスが,GRASSやFISPのシーケンスです.

これを見ると分かるように,静磁場の不均一性があっても,安定した画像が撮れることが分かります.

これで25番目のパワポの意味が分かりますね.

すなわち,GRASSやFISPは,TrueFISPの信号強度を,磁場オフセットに関して,積分したものということが分かります.
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

基礎講座28

2006-08-06 16:25:51 | Weblog

そこで,次ぎに,TEを一定にして,TRを,25ms,50msと延長してみました.すなわち,シムコイルによる勾配磁場によって,オフセット角が,時間と共に,どんどん増えていきます.

このため,ダークバンドの幅が,どんどん狭くなっています.

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

基礎講座27

2006-08-06 16:25:08 | Weblog

ダークバンドと垂直な方向に,画素強度の変化を示したのが,このパワポの右に示す図です.

このように,図25に示した信号強度のシミュレーション結果が,きれいに再現されています.
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

基礎講座26

2006-08-06 16:24:27 | Weblog

この図は,私の装置(200MHz)で撮像した,TrueFISPのファントム画像です.

このファントムは,内側の試験管にベビーオイル,外側の試験管に硫酸銅水溶液を入れたものです.

左図の左上に,縞状のパターンが見えますが,これは,静磁場の不均一性によるダークバンドです.

いっぽう,右図は,シムコイルに電流を流すことにより,黄色の矢印方向に,静磁場の勾配を人為的に加えて撮像したものです.このように,勾配磁場方向と垂直な方向に,ダークバンドが平行に生成されます.
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする