MRIのすべて(all about MRI)

磁気共鳴イメージング(MRI)に関するさまざまな経験や知識を提供しつつ今後の展望を切り開きたい.

永久磁石(2)

2006-01-25 23:23:26 | Weblog

前に示した磁石は,上に示すような構造をしています.すなわち,小学校で使う磁石のような,U型の構造をしています.

でも,重量は,1300kg(1.3トン!)あり,理科実験用のU型磁石と比べると,1万倍くらいの重さです.

この磁石は,周囲に磁場を発生していますので,キャッシュカードが飛んだり,ネックレスが宙に浮いたり,鉄製の工具が吸い付けられたりします.

2年位前に,この磁石を引っ越したときには,10kg位の小型のジャッキが吸い付けられたことがあり,このときは,数人がかりでも外れませんでした.このような時には,角材を使って,梃子の原理で外すのが,コツのようです.

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永久磁石(1)

2006-01-25 23:22:08 | Weblog

MRIにおいて,最も重要なコンポーネント(部品)は,磁石です.

コンパクトMRIの最大の特徴の一つは,磁石として,小型の永久磁石を使っていることです.永久磁石は,正確には,「永久磁石磁気回路」と呼ばれています.

永久磁石は,(株)NEOMAXさん(旧住友特殊金属(株)さん)が,世界最大の企業で,私たちの研究室でも,大変お世話になっています.

上に示すのは,私たちの研究室で数年前に導入した,ギャップ(空隙)25cmの永久磁石です.静磁場強度は,0.2テスラで,直径15cmの球状の領域で,均一になっています.

手,膝などの四肢や,ワイン,牛肉などの食品などの撮像に応用されています.

撮像しているところが見えるので,教育用にもたいへん便利で,数年前には,NHK教育テレビの「10分ボックス」という高校生向けの番組の製作にも使われました.
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