さて,緩和時間とは何か,ということを説明する前に,まず,通常のMRIで撮像される,スピンエコー画像を紹介をしましょう.
「スピンエコー」という言葉を初めて聞く人もいるかも知れませんが,これは,MRIの撮像で使用される,最も一般的な信号です(スピンエコーの詳しい説明は,また後でやりましょう).
スピンエコー画像(SE像)としては,T1強調画像,T2強調画像,プロトン密度強調画像の3種類が主に使用されます.上に示す画像は,卵(うずらの卵)で撮像した,それぞれの画像です.この画像は,私の研究室の静磁場強度4.7TのMRI装置を用いて撮像したものです.
このように,卵の黄身と白身が,さまざまな画像コントラストで撮像されています.
黄身と白身が,なぜ,このような画像コントラストで撮像されるかに関しては,また,明日,お話しましょう.