これは,ネオマックス((株)NEOMAXの商品名)という「世界最強」の磁石のまわりの磁力線を,鉄粉で可視化したものです.
このように,小さい磁石でも,磁力線が非常に遠くまで及んでいます.
ネオマックスは,鉄とネオジムとボロンの金属間化合物であり,1980年頃に,当時の住友特殊金属の佐川さんが発明されたものです.
コンパクトMRIには,このネオマックスが使われています.
なお,それ以前の強力な永久磁石材料としては,サマリウムとコバルトを使ったものが有名で,歌人の俵万智さんのお父上の俵好夫博士は,その有名な研究者でした.
俵万智さんの有名な歌集,「サラダ記念日」には,
"ひところは世界で一番強かった父の磁石がうずくまる棚"
という歌があるそうです.
私自身は,1976年に大学院に入学した時に,当時の指導教官から,サマリウムコバルト磁石が1万円札を吸引するのを見せられ,感動したことがあります.