MRIのすべて(all about MRI)

磁気共鳴イメージング(MRI)に関するさまざまな経験や知識を提供しつつ今後の展望を切り開きたい.

勾配コイル(2)

2006-01-30 23:36:08 | Weblog

勾配コイルは,MRIの歴史の中で,最も本質的な進歩のあったハードウェアと言ってもいいかも知れません.

現在では,「技術の粋を凝らした」勾配コイルが使われていますが,一番シンプルな勾配コイルは,z方向に関しては,Maxwell pair(マクスウェル・ペア),xとy方向に関しては,平行4線コイルというものです.

上に示すのは,その原則に忠実に巻いた勾配コイルです.

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勾配コイル(1)

2006-01-30 23:35:02 | Weblog

さて,MRIでは,試料(人体)内の位置を識別するために,勾配磁場を使います.

勾配磁場というのは,静磁場方向の磁場が,位置(x,y,z)と共に変化するものです.MRIでは,その中でも,位置の変化に対して比例して磁場強度が変化する,線形勾配磁場を使います.

MRIでは,わざわざ「線形」勾配磁場とは言いませんが,勾配磁場と言えば,線形勾配磁場のことです.

勾配磁場(gradient field)は,傾斜磁場とも言われますが,勾配磁場の反転によるエコー信号は,勾配エコー(gradient echo)といわれ,決して傾斜エコーとは言われません.ですから,傾斜磁場という言葉は,あまり感心しません.

なお,特許庁の特許用語には,勾配エコーという言葉は,きちんと定義されていますが(傾斜エコーという言葉は存在しない),国内では,グラジエントエコーという,奇妙な外来語が使われています.

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