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ちまちま中間手続16

2024-09-08 21:10:03 | 仕事日記
弁理士近藤充紀のちまちま中間手続16

拒絶理由
 引用文献1には、・・に塩酸等の鉱酸を加えてpHを4以下に調整し、次いで水酸化ナトリウム等のアルカリ中和剤を加えてpHを調整することにより重金属水酸化物として沈殿させ、これを固液分離して重金属を含む澱物とカルシウムを含む濾液とに分離する・・から重金属を回収する方法について記載されている(特に、特許請求の範囲、・・・及び図面を参照)。 
 引用文献2には、鉛、亜鉛を含む・・に苛性ソーダ等のアルカリを添加してpHを7~11に調整して、鉛や亜鉛等の重金属が濃縮された残渣を得て、該残渣に硫酸を加えて亜鉛を溶出させ、硫酸鉛を含む残渣を得る・・から重金属を回収する方法について記載されている(特に、特許請求の範囲・・・及び図面を参照)。 
 引用文献1及び引用文献2に記載の発明は共に、・・灰から重金属を回収する方法に関するものであるから、引用文献1に記載の発明において、重金属を含む澱物に硫酸を加えて鉛を硫酸鉛として回収することは当業者が容易に想到し得たことであり、その効果は上記引用文献1及び2の記載から予測し得ることである。

意見書
拒絶理由が通知されていない旧請求項3に 基づき、旧請求項1~3の内容を合わせて新請求項1とした。したがって、新請求項1は 拒絶理由を有しないものである。

登録

拒絶理由が通知されていない請求項の内容を請求項1に組み入れることにより拒絶理由を解消した

対応としては、従属項を記載しておく意義を発揮したものであり、出願人、審査官、代理人のすべてにとって納得のいく手法ではあるので、たまには、このようなものがあってよいかと思われる。

ただし、拒絶理由の備考欄は、ちょっと雑なような気がする。

上記では、拒絶理由の最後の段落に「引用文献1に記載の発明において」の記載があるので、引用文献1を主発明と考えていることが分かる。

であれば、本願の請求項1と引用文献1の一致点・相違点を検討して、相違点を特定する。相違点として特定したものが、たとえ、引用文献2に記載されたものであったとしても、これを引用文献1に組み合わせることが当業者にとって、妥当である理由を検討する・・・等の本来的な認定がなされているのか不明である。拒絶理由の書きぶりからすると、かなり疑問ではある。
コメント
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