京都の闇に魅せられて(新館)

鞍馬への道 @ 京都妖怪探訪(439)




 どうも、こんにちは。
 久々の感がある『京都妖怪探訪』シリーズですが、今回から何回かに渡って、京都・鞍馬を紹介します。
 鞍馬と言えば、「鞍馬天狗」というように、天狗伝説で有名です。
 あの英雄・源義経が天狗に武術や兵法を学んだという伝説でも有名。
 そしてここに祀られているという神様が、その名も「魔王尊」だったりとか。

 こんなに面白い場所なのに、本シリーズでまだ一度も取り上げて来なかったのです。
 そこで今回からじっくりと紹介していきたいと思います。
 叡山電車「鞍馬」駅から。






 駅構内には、こうした天狗の面や。






 毎年10月に行われる「火祭」で使われる大松明に。





 江戸時代末期の浮世絵師・月岡芳年が描いたという、鞍馬や源義経の絵のパネルが飾られています。






 その中のひとつ。
 源義経がその師・鬼一法眼(きいちほうげん、おにいちほうげん)から、武術の修行を受けている場面です。





 この鬼一法眼という人物、文武両道に優れていたと伝えられています。
 また、後述する「鞍馬山僧正坊」という大天狗と同一視されている人物でもあります。


 天狗伝説の地らしく、駅前にはこういったオブジェがあったり。






 付近の店には天狗の面が売ってたりします。






 天狗とは、鬼や河童などのように、最も有名な日本の妖怪の一種です。
 山伏の服装をして、赤顔で鼻が高く、翼があり空をと飛び、ヤツデの葉のようなうちわを持って風を起こしたり、術を使ったりする。
 天狗には、鼻の高い「鼻高天狗」や、鼻先がくちばしのように尖った「烏天狗」「木の葉天狗」という種類がある。
 以上が、今日伝わっている一般的な天狗のイメージでしょうか。
 また、「仏法に敵対し、人を魔道に導く魔物」とも伝えられています。西欧の悪魔みたいな存在でしょうか。

 その中でも「大天狗」と呼ばれる者は、優れた力を持った仏僧や修験者などが死後になり、他の天狗と比べて強力な力を持つ、とされています。
 鞍馬山に棲むという「鞍馬山僧正坊」も、日本の八大天狗の一人とされている有名で強力な大天狗です。
 


 話を鞍馬散策に戻します。
 駅から歩いてすぐの場所に、鞍馬山への入り口「仁王門」が見えてきます。









 聖地と外部の俗界とを分かつ門です。
 ここを守っているのは、門の中に立つ2体の仁王像。
 そして、阿吽の虎。狛犬ならぬ狛虎です。








 何故、虎なのかと言いますと。
 ここに祀られている本尊(「尊天」と呼ばれています)が、四天王のうちの毘沙門天千手観音、護法魔王尊の三位一体であり、そのうち毘沙門天の使いとされている動物が、虎だからです。



 拝観料(ここでは「愛山費」といいます)を払って中へ。









 道の途中に鞍馬山保育園があり、その近くには子供の守り神でもあるお地蔵さんが。






 さらに山頂への道が続きますが、途中に「普明殿(ふみょうでん)」というお堂があります。
 次の写真、向かって右側の建物です。





 「普明殿」には、鞍馬山の本尊のうち一人、毘沙門天が祀られています。
 ただ「撮影はご遠慮ください」との注意書きがあったので、その姿をここでご覧に入れることはできません。
 またここには、山の上につながっているケーブル駅にもつながっています。
 200円の寄付金を納めたら、乗せてもらえますが……ここは、このまま山道を登っていくことにします。


 ここで、鞍馬山・鞍馬寺について簡単に解説します。
 鞍馬寺に伝わる『鞍馬蓋寺縁起(あんばがいじえんぎ)』によれば、開山について以下のような話が遺されています。
 奈良・唐招提寺の鑑真和上の高弟・鑑禎(がんちょう)上人は、宝亀元年(770年)正月4日の寅の夜、夢で「山城国北方に霊山がある」というお告げを受けます。霊山を探しに出かけた鑑禎上人は、ある山の上に、宝の鞍を乗せた白馬の姿を見ます。
 山に入った鑑禎上人は、鬼女に襲われますが、枯木が倒れてきて鬼女を潰してしまいます。翌朝見ると、そこには毘沙門天の像があったので、上人はそこに庵を結び、その毘沙門天像を祀りました。

 それからおよそ四半世紀のちの延暦15年、藤原伊勢人(ふじわらのいせんど)という人物が、日頃から信仰する観世音菩薩を祀る場所を探していたところ、やはり夢のお告げと、白馬の導きで鞍馬山にたどり着きました。
 しかしそこには既に、鑑禎上人が毘沙門天を祀った庵があります。「私は観世音を祀りたかったのに」と訝る伊勢人に、「毘沙門天も観世音も根本は同じである」という夢のお告げがあり、それで納得した伊勢人は、毘沙門天と千手観音を祀る堂舎を建立しました。
 これが鞍馬寺の始まりで、鑑禎上人と藤原伊勢人の二人が鞍を負った白馬の導きからこの山に辿り着いた話から、この山が「鞍馬山」と呼ばれるようになります。

 また、鑑禎上人より以前から、鞍馬山は山岳信仰の霊場・修行場でもあり、多くの修行者が訪れていたそうです。
 天狗の姿は修験道の修験者のイメージから生まれたともされていますから、鞍馬山の天狗伝説も、鞍馬山に昔から居たそうした修行者たちのイメージから生まれたものと思われます。


 この後、「鬼一法眼社」と「魔王の滝」がある「護法境(ごほうきょう)」を通り、「九十九折参道(つづらおりさんどう)」と呼ばれる山道を、山頂の本殿を目指して上っていきます。






 それでは今回はここまで。
 この続きはシリーズ次回に。






*鞍馬寺へのアクセス・周辺地図はこちら




*鞍馬寺のHP
http://www.kuramadera.or.jp/index.html




*京都妖怪探訪まとめページ
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm





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