京都の闇に魅せられて(新館)

京都妖怪探訪(28):錦天満宮




 菅原道真。
 生前は平安時代の優れた学者であり、当時を朝廷を改革しようとした政治家。しかし、政敵である藤原氏などの陰謀によって失脚・左遷させられる。死後は怨霊となって、天下や彼を陥れた人たちに祟りをなして雷神とも恐れられた人物。現在では学問や商売繁盛などの神様として祀られている人。
 歴史上にも名高い人物であり、また神様に祀り上げられた日本の偉人の中では最も有名な一人ですが、彼を祀った神社は、大宰府天満宮だけではなく、全国にたくさんあります。
 京都にも、有名な北野天満宮だけではなく、いくつも天神となった道真を祀った神社があり、当時の「天神信仰」の広がりを、彼がいかに恐れられ、敬われていたかを示しています。

 
 今回はそんな神社のひとつ、京都の繁華街の中に建っている「錦天満宮」を紹介します。
 京都の中心部、四条烏丸近くにある錦市場。
 昔から、京都の台所とも言われてきた有名な市場の入り口付近です。






 私が訪れたのは、ちょうど「歳の市」が行われていた昨年の年末でした。






 そういう時期だったこともあって、錦市場は多くの買い物客であふれていました。












 全国の商店街には、衰退して「シャッター通り」と化しているところも多い中で、ここ錦市場は活気にあふれていました。


 錦市場、錦小路通りの東の終点に見えてきました。
 錦天神の石の鳥居です。






 この画像ではちょっとわかりにくいかもしれませんが、この鳥居の上部が左右の建物の中にめり込んでいます。
 学問の神様の鳥居だけあって、一部では「この鳥居の刺さった建物にある理髪店で散髪すると合格祈願になる」などという噂があるとかないとか。真偽のほどは不明ですが。


 鳥居を超えて、錦天満宮の入り口です。





 ここは、京都有数の繁華街である京極通りも交わっていて、多くの人で賑わっています。
 錦天満宮は、平安時代の長保5年(1003年)に創建された「歓喜寺」の鎮守社と祀られた天満天神が始まりだとされています。菅原道真の父である菅原是善の旧邸「菅原院」を源譲の旧邸・河原院の跡に移築して創建されたのが「歓喜寺」でした。

(※なお河原院跡については、シリーズ第15回でも紹介していますし、「菅原院」についてもまた後日とりあげる予定です)

 後の天正15年(1587年)、豊臣秀吉の都市計画のため、寺とともに現在の場所に移築されました。その時から「錦天満宮」と呼ばれるようになりました。
 さらに後、明治の神仏分離により「歓喜寺」は東山五条に移り、神社だけが現在の場所に残されました。
 現在でも、学業や商売繁盛、家内安全などの神様として祀られています。


 中へ入ってみます。

 本殿の前辺りです。





 まずは、本殿にお参り。
 
 境内の一角には、天神の使いとされる牛が。





 天神とか、菅原道真を祀っている場所では、たいていこういう牛の像も見かけます。

 牛の横には、手水舎があります。





 この手水舎からは、京都の名水のひとつ「錦の水」が出ており、ペットボトルで汲みに来る人も多いそうです。
 京都市内には、このように良質の水が湧き出す場所が多く、それが京の都が繁栄する一因にもなったという話を、聞いたことがあります。
 ちなみにこの時私は、からのペットボトルなどの容器を持ち合わせておりませんでした。
 ちょっと惜しいことをしたかなあ。

 
 面白い、からくり仕掛けのおみくじがあります。





 本殿、左脇。
 その奥の方にも、何かがあるようです。






 奥の方には、いくつもの末社がありました。
 
 末社のひとつ、『源氏物語』の主人公のモデル・源融を祀った塩竈神社です。





 元々は河原院跡にあったからでしょう。
 源融を祀った社も一緒に移築されていました。
 「源融さーん。どうしたら、貴方のようにモテるようになるんですかー?」
 ……っと、いかん。またしょうもないことを言ってしまった。

 次にいきましょう。





 末社のひとつ、日の出稲荷です。
 こうしたお稲荷さんを祀る社や祠は、京都市内でも至るところで見られます。

 次は、末社のひとつ白太夫神社です。






 その他にも、いろんな末社がありました。

 ところで私が訪れた時には、境内の一角に、次のような見事な生け花も飾ってありました。






 この後、京都の魔所めぐりを続けて、いかに天神信仰、つまり菅原道真の怨霊が京の社会に大きな影響を与えたか、を知ることになりますが、それはまた後日。

 この時は、「来年もいい年でありますように」と願いをこめて、この地を後にしました。



*京都妖怪探訪まとめページ
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm





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