京都の闇に魅せられて(新館)

特別編・2024年「祝祭の呪物展3」・中編 @ 京都妖怪探訪(888)

 


 どうも、こんにちは。
 「呪物」。
 わかりやすく言えば「呪われた物品」。
 広義では、呪力や魔力など超自然的な力が宿り、人や社会に守護や御利益、もしくは呪詛や災いをもたらあす信じられている物品。
 有名な呪物コレクターとして有名な田中俊行氏らが、何百もあるというコレクションの中から選ばれたおよそ50点もの呪物を公開・展示するというイベント、「祝祭の呪物展」
 シリーズ前回に引き続き今回も、この呪物展のレポートです。


(※なお、今年の「祝祭の呪物展3」は大阪会場での開催分は5月26日で終了し、7月13日から8月3日までの間は、東京タワーの会場で開催されます)


 今回は、今年の呪物展で展示されていた「アイドル呪物」を紹介します。
 「アイドル呪物」とは。
 この言葉は、昨年の呪物展にて、この特別展を開催している株式会社アシタノシカクの名誉顧問・Apus shusei氏から聞いたもので、「アイドルのような魅力や個性を持った呪物たち」を言うそうです。
 昨年の呪物展でも、呪物人形「ルクちゃん」、‘歌う人形’ことウタちゃんなどのアイドル呪物と出逢うことができましたが。
 今年の呪物展でも、魅力的なアイドル呪物たちと出逢うことができましたので、その幾つかを紹介していきたいと思います。

 


 まずはこちらの「チャイニーズ・クマントーン」。



 クマントーンとは赤ちゃんや胎児の遺灰と土やハーブなどとを混ぜて造られた人形のことらしく、持ち主に幸運をもたらすというタイ国では定番の呪物だそうです。
 シリーズ次回でも触れますが、呪物や呪具などの中には、遺灰や人間の遺体の一部を用いて造られたような、ヤバいといいますか、現代社会の倫理に反するのではないかとも思えるようなものが少なくないようです。
 このチャイニーズ・クマントーンもそうした呪物・クマントーンのひとつですが、近年では中国系の人からの需要もあるらしく、その為に造られたものだそうです。
 こういうところは、何とも時代背景を感じさせます。
 それにしても、このチャイニーズ・クマントーンをご覧ください。



 まさに「死美人」という感じで、怖さや不気味さの一方で、何ともかわいい・・・というより妖艶な色気も放っているようです。
 これも「アイドル呪物」というふさわしい逸品だと思います。

 


 夢姫ちゃん。



 香川県在住のTさんいう人が散歩中の公園で拾ったところ、毎晩Tさんの夢に現れ、鬼ごっこの鬼としてTさんを追い回したという人形だそうです。
 このだるま型の少女人形は、昔の愛媛県の家庭で、招福や安産などを呼び込む縁起物として飾られていたものだったそうですが。
 人形というものは元々、呪術的な要素があり、しかもお守りや縁起物としても使われていたものであり、人の念というものがたまって、呪物と化したものかもしれません。
 かわいらしさの中に、一抹の怖さ・不気味さをも感じさせるこの人形も、「アイドル呪物」と言っていいと思います。

 


 つる子人形。



 京都の呪われた古民家に置いてあったという人形。
 この古民家の庭にあった池で死んだ老婆と孫の霊が憑依しているらしい人形。
 この古民家の持ち主に、「寝ている時に老婆の霊が首を絞めてくる」とか、「古民家内で撮影したら少女の霊が写る」などの怪現象をもたらしたという曰く付きの人形だそうです。
 その為その古民家は、現在も借り手がつかないままとなっているそうです。
 筆者は、この不気味なエピソードを持つ人形も「アイドル呪物」として認定したいと思います。
 その古民家が京都のどこにあるのか、探してみたいとも思うのですが・・・。

 


 冥婚人形。



 独身のまま亡くなった男性の為に、せめてあの世で花嫁がもらえるようにと、花嫁として人形を奉納する「冥婚」という風習。
 漫画『冥婚の契』や、多くの怪談話などで有名になった「冥婚」ですが、その花嫁人形のひとつが、今回展示されていたこの人形。
 この人形の横には、「夫婦一緒に居られるように」と、その夫となった人の写真も飾ってありました。旦那さんの写真は撮影禁止となっていましたので、ここでは公開できませんが・・・服装からすると、特攻隊で亡くなられた方でしょうか。戦時中は、このように恋愛や結婚もできずに若くして亡くなられた方がたくさんおられたのだと思うと・・・。
 東北地方には、「冥婚」や「ムサカリ絵馬」などといった風習の遺る地域もあるそうで、いつかそういう霊場も訪れてみたいものだという思いもあります。
 ところで、私のように生涯恋愛とも結婚とも縁が無いであろうオタク男性の為に、死後は花嫁として漫画・アニメの美少女フィギアでも奉納するというのはどうだろうと・・・すみません、またもやアホなことを考えてしまいました(汗)。

 


 呪物人形「ホムちゃん」。



 昨年の呪物展でも逢った「ルクちゃん」と同じく、ルクティーブというタイの呪物人形。
 「ホム」という名前には「香り」という意味があるそうで、日本語で言えば「かおりちゃん」でしょうか。
 幼くして亡くなった子供の魂を宿した呪物人形ですが、タイでは「幼く、若くして亡くなった者は地獄に落ちる」と考えられているそうです。そこで、亡くなった者の魂を呪物やお守りに宿すことによって、持ち主に幸福をもたらせることによって徳を積み、天国へと導かれるようにする。こういう考えに基づき、亡くなった者の魂を宿したりしたものや、遺灰や遺体の一部を呪物やお守りとしているそうです。
 なるほど、それなら呪物・呪具化された死者と、それを所有する者とのWin-Winの関係が築けるということでしょうが。
 ところで、この「ホムちゃん」の中には、亡くなった母子の体液を入れたというものがあるそうですが・・・やはり、現代の倫理からすればどうかなあ、という思いも否定はできません。
 このかわいらしさと、一種の背徳感を伴った不気味さをも感じさせる。
 この子もまた「アイドル呪物」と言うにふさわしいでしょう。
 

 

 黒稲荷。



 京都伏見のとある寺院で発見され、骨董屋の手を経て、田中俊行氏のコレクションのひとつとなった謎の呪物。
 「絶対に何かの呪術に使われていた」と言われたそうですが、詳細は不明。
 ご覧のように、幾つもの黒い鳥居が描かれた蓋と、中に小さな狐が黒い狐が祀られた社と、そして狐の面をつけた黒い人形とが、木箱の中に収められていたというもの。
 こちらも不気味さと、一種のかわいらしさや愛くるしさとを感じさせるものなので、「アイドル呪物」として、認定させていただきました。

 


 このように今年(2024年、令和6年)の呪物展でも、それぞれ個性と魅力を持ったアイドル呪物たちに出逢うことができました。


 ただひとつだけ欲を言えば、呪物人形・ルクちゃんや


 


 抱き人形ちゃんや


 


 ‘歌う人形’こと、ウタちゃん(注:筆者が勝手に命名)といった、昨年の呪物展で逢った子たちにも、またいつか再会したいという思いもあります。


 


 なおシリーズ次回はあともう一回、呪物展をとりあげます。
 ただし次回は、もしかしたら【閲覧注意】という注意書きが要るかもしれません。
 呪物の中でも、呪具。
 本当に呪術や何かの儀式に使用されたものとか。
 特に、現代の禁忌とか人倫に反するような材料や方法で造られたようなものもとりあげます。


 


 それでは今回はここまで。
 続きはまた次回。

 

 

*「祝祭の呪物展3」のHP
https://astnhorror.official.ec/blog/2024/04/07/142758

 

*アシタノホラーのHP
https://astnhorror.official.ec/

 

 

*『京都妖怪探訪』シリーズ
https://kyotoyokai.jp/

 

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岩上安身責任編集 ? IWJ Independent Web Journal

 

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