どうも、こんにちは。
「呪物」。
田中俊行氏と‘都市ボーイズ’はせやすひろ氏。2人の有名な呪物コレクターが、何百もあるというコレクションの中から選んだおよそ50点もの呪物を公開・展示するというイベント、「祝祭の呪物展」。
昨年開催されました第1回の「祝祭の呪物展」(※シリーズ第780回記事を参照)に続きまして、今年(2023年、令和5年)も開催されました。
シリーズ前回に続き今回も、この特別展のレポートです。
今回は展示呪物の中でも、株式会社アシタノホラー顧問で怪談蒐集家のApus Shusei氏の仰った「アイドル呪物」について。
呪物の中でも、アイドルのような魅力や可愛らしさもも併せ持ったモノ・・・否、子たちを紹介していきます。
「針人形と坊ちゃん」
中古物件の天袋から発見されたという人形と、人形の首です。
口、額、手の甲、足に釘が打ち付けられ、足には人名らしきものが書かれています。
またうなじに「死駄ニ苦」という気味の悪い言葉が書かれた壊れた首だけの人形。
現在は田中俊行氏の所有となっていますが、その前の所有者であるコレクター氏はいつもこの人形を持ち歩き、何かに憑かれたかのように「かわいそうー、かわいそうー」と言いながら、飛び跳ねながら歩いていたという話もあったそうです。
シリーズ前回で紹介しました「匠の藁人形」のように、複数の箇所に釘が打ち付けられていたりとか、強烈な怨念が込められているかのようです。
「呪いのマリア像」
2枚目の顔写真はちょっとぶれていてすみませんが。
一見、気品を感じさせるマリア像ですが、唇からわずかに見える歯も造られていて、妙なリアルさと不気味さをも感じさせます。
マリア像やキリスト像を収集していたコレクションのひとつでしたが、このマリア像を入手してから所有者は、誰もいないはずの廊下を誰かが歩く音がしたり、大勢の黒い影に追われる夢を見るなどの怪現象に見舞われ。更に霊感のある友人から「人形に悪いモノが憑いている」と告げられたそうです。
身の危険を感じた元の所有者はこのマリア像を手放し、現在ははせやすひろ氏の所有になっているそうです。
なお私は、この特別展を一回目に訪れた後に、更に展示呪物が追加されたというので、二回目も訪れたのですが。
その時には、このマリア像の横に以下の展示呪物も追加されていました。
十字架のネックレスをかけて訪れた女性客がこのマリア像の前に立つと、なんとそのネックレスはひとりでにちぎれて床に落ちたそうです。
単なる偶然か?
呪物がまた新たな呪物を産んだ・・・のか?
シリーズ前回で触れましたように、この特別展には、このように不思議なことが幾つも起こっているようです。
抱き人形。
これは悲しいエピソードを持つ布製の人形です。
大正の頃、京都市北区におばあさんとその孫娘が暮らしていましたが、ある時その孫娘が、いつも大事に抱きかかえていたこの人形と共に、深泥が池で遺体となって見つかります。
この人形は証拠品として警察に押収されましたが、何度押収しても、残されたおばあさんが暮らす家に戻ってきたという話です。
現在では、田中俊行氏の所有となっていますが、そこで安住の地を得たと思いたい・・・。
「ガンギマリ・ガエル」。
ストーカー被害に悩まされていた日本人女性から受けたハワイの呪術師が、縁切り祈願の依り代として与えたというカエル人形。
おかげでストーカー被害はなくなったものの、その効果があまりにも強烈だったため恐れをなしたその女性はこのカエル人形を手放し、現在は田中俊行氏の所有となっているそうです。
スケボーに乗っているところといい、そして話の通じなさそうな表情といい、「今すぐ、早急に呪いに行ってやるぞ」という意志が表れていて、これはものすごく効果がありそうです。
呪物人形「ルクちゃん」。
タイでは、人形には子供の魂が宿り、幸運を運ぶと信じられ、「ルクティープ(子供の天使、の意)」と呼ばれているそうです。
それで通称「ルクちゃん」。
義父に殺害された4歳の女の子の魂が宿っているというこの「ルクちゃん」。
はせやすひろ氏がタイの呪物マーケットで出会ったという「ルクちゃん」は、水や牛乳などの飲み物を与えると懐き、夜中でひとりでに歩き回ったりするという。
一方でこの子を怖がったり、或いは嫌われたりすると、事故などの不幸な目にも遭うという話も。
Apus Shusei氏のお話では、この呪物展でも、毎日この子に牛乳とお菓子を供えたり、かわいがっているそうです。
実際に髪を整えてあげたり、「ルクちゃん」をかわいがっておられるApus Shusei氏。
ところで私はこの呪物点を2回訪れているのですが、2回目に「ルクちゃん」と遭った時、表情が微妙に違っているように思えたのは、単なる私の気のせいでしょうか?
他にもここで紹介したい展示呪物はたくさんあるのですが。
やはりその全てをここで紹介するのは無理がありますので、今回はあと1点だけ紹介します。
可愛がると歌う日本人形。
あるおばあさんが可愛がっていた日本人形ですが、ひとりでに声を上げたり、歌ったりしたという人形。
おばあさんの孫が触ろうとしたところ、睨みつけ、ひっかいたという話もありますから、先述の「ルクちゃん」みたいに、人間の女の子と同じく、相性とか好き嫌いとかもあるのでしょうかね。
まるで『スター・ウォーズ』シリーズに出てくるジェダイ騎士みたいな格好をしていますが、元の所有者のお話に寄れば「この子の服を見たがるということも、可愛がっているということなので、布をかけておいてください」とのことだそうですが・・・うーん、この子が歌っているところも、観たかったような気がします。
やはり1回目と2回目に訪れた時と。
実際に遭った時と、パンフレットに載っていた写真とでは。
何と言いますか、微妙に表情も違うような気もするのですが・・・これも私の思い過ごしでしょうか。
なおApus Shusei氏に、この子と一緒に記念撮影をさせていただきました。
ただ少し緊張していた為か、せっかくのツーショット撮影なのに、私の表情が少しかたくこわばっていたのが残念、と言ったら、Apus Shusei氏から
「いや、呪物っぽい顔でいいと思いますよ(笑)」
とのコメントが。
妖怪・オカルトオタクの一人として、また呪物愛好者の一人として、このコメントは、最高の褒め言葉であるとして受け取っておきます(笑)。
実に楽しかった呪物展。
また3回目以降も開催してほしいですね。
田中俊行・はせやすひろ両氏のコレクションは他にも何百点もあるそうですので、次回はどんな呪物にお目にかかれるかも、今から楽しみです。
最後はパンフレットと、展示呪物を象ったお菓子「ジュブレ」をお土産に。
今回はここまで。
また次回。
*「祝祭の呪物展2」のHP
https://astnhorror.official.ec/blog/2023/04/10/214944
*アシタノホラーのHP
https://astnhorror.official.ec/
*『京都妖怪探訪』シリーズ