京都の闇に魅せられて(新館)

2019年霊場貴船の雪・後編 @ 京都妖怪探訪(603)




(記事中の写真はクリックで拡大します。プライバシー保護等の為、人の顔部分に修正を加えていることがあります)


 どうも、こんにちは。
 今年も雪の季節になりましたので、京都の霊場魔所の雪の光景を巡ります。
 前回に引き続き今回も、「京都の真の霊場魔所」のひとつである、貴船の雪景色を巡ります。


 前回の続きで、本宮境内の雪景色を眺めて回ります。









 雪だるまを創っている人も居るようです。











 その後も、貴船のあっちこっちで雪だるまを見かけますが、まるで雪だるま制作退会でもやっていたかのようです(笑)。


 境内を出ます。









 貴船川沿いを「結社(ゆいのやしろ)」へ。









 貴船神社の摂末社のひとつ、「結社(ゆいのやしろ)」です。














 現在は工事中のようで、工事中の社に代わって仮の社殿が
 結社について詳細はシリーズ第135回に書いてありますので、ここでは省きます。
 「天の磐船」と呼ばれる石もこの通り。








 なおこの結社には、縁結びのご利益があるとされていますが。
 元々私は、「神様・仏様にはお願い事はしない」と決めておりますし(※その理由はこちらを参照)。
 また、もうオッサンと言われる年齢にもなり、今更恋愛したいという気もありませんし、恋愛で結ばれたいと思う相手ももう居ませんし。
 礼儀として礼拝だけして、この社を後にし、貴船川沿いを「奥宮」目指して歩きます。









 「奥宮」へ続く参道の鳥居と灯籠の道へ。









 誰が創ったのか、参道にも雪だるまが。






 さらに参道を進みます。
 こんな雪深い山奥にも、参拝者の姿が観られます。









 門前の手水舎で身を清め、奥宮の境内へ。












 雪に覆われた貴船神社・奥宮の舞殿と本殿。








 私はここを「真の霊場魔所」のひとつと認定しています。
 この本殿内には「竜穴(りゅうけつ)」という、「本物の竜が棲む」とか「風水のエネルギーが集まる」とされるスポットがあるとも伝えられています。
 こうして静寂の雪の中で眺めると、その神秘性がより増して見えるようです。
 さらにここでは、過去訪れて本殿を直接撮影しようとした時、たまたま近くに居たある霊能者の方から「ここは竜穴があるから撮ってはいけない」と怒鳴りつけられたことがあります。
 それ以来、奥宮本殿を直接撮影することは避けています。
 今回もこうして、舞殿の後ろに隠れるような形で撮影しました。
 こういうことがあったので、私はここを「真の霊場魔所」だと考えるようになったのですが、認定した理由はそれだけではありません。


 ところで、舞殿の周りにも、多くの雪だるまが。




















 これらの他にも、まるで雪だるま大会でもあったかのようにいくつもの雪だるまが並んでいました。
 このほほえましさに、思わず笑ってしまいそうになりましたが……。
 しかし同じ舞殿で、次のようなものを目にした途端、それまでの緩やかな空気が一気に吹き飛び、辺りの空気以上に冷たく、張り詰めた緊張に覆われてしまいました。





 この写真では小さすぎて見えにくいかもしれませんが、舞殿の柱や柵などに、いくつもの小さな穴が開いています。
 明らかに人の手によるこの無数の穴は、おそらく「丑の時参り」の痕跡でしょう。
 「丑の刻参り」。
 古来より、日本で最も有名な呪術、呪殺術のひとつ。
 丑の刻(午前1時~3時頃)、神社の御神木に憎い相手に見立てた藁人形を釘で打ち込んで呪うという、あれです。
 本格的なものなら五寸釘で行うものですが、これは小さな釘で行われたようですが、五寸釘が手に入りにくいから、雑貨屋やホームセンター等でも簡単に変えそうな小さな釘を代用したのでしょうか。
 あるいは、真剣に人を呪殺しようとまではいかなくても、「青春の記念に呪ってみました」くらいの軽い気持ちでやったのか。
 それはそれで怖いと思うのですが。
 舞殿だけでなく、境内やその周辺の木をちょっと調べてみると……あるわ、あるわ。











 五寸釘の後は見つかりませんでしたが、ここを訪れる度に、毎回このような明らかに人の手で開けられたような穴が、辺りの木の幹からみつかるのです。
 しかもそう古くはなさそうな。
 つまりここ最近でも、現在でも「丑の刻参り」をしている人が居るのでしょうね。


 実はここ貴船・奥宮こそが、「丑の刻参り」発祥の地だとも伝えられています。
 「貴船神社の神様が、丑の年、牛の月、丑の日、丑の刻に地上に降臨した」という言い伝えから、その時間は霊力が最大限に高まるので、参詣したら願いが成就すると考えられたようです。
 つまり元々は呪いだけではない、諸願成就の為のものだったのですが。
 それが「呪いの儀式」になったのは、「鉄輪(かなわ)伝説」や「宇治の橋姫伝説」による影響があったと思われます(※それぞれシリーズ第4回と、シリーズ第183回第184回を参照)。
 その呪い儀式が今日まで伝わり、受け継がれてきたということでしょうが……。

 丑の刻参りの痕跡だけではありません。
 奥宮に奉納されている絵馬にも、人間の呪いというか、欲望や憎悪や怨念などが込められたものを時折見かけます。
 勿論、大半の絵馬は、ごく普通の穏やかな諸願成就の内容ですが……時々、そういう恐ろしい内容のものも見かけるのです。
 「○○さんと××が別れますように」だとか、「○○さんと××の悪縁を切り、○○さんと私が結ばれますように」だとか、もっとストレートに「○○が死にますように」などというのもあったりします。
 今まで見た中で最も恐ろしかったものは、一昨年訪れた時(※シリーズ第467回参照)に見かけたあの絵馬ですね。
 「○○(女性の名前)が消えて居なくなりますように。二度と××さん(男性の名前)に近づかないようにしてください」と書かれていた上さらに、「このゴムを使った女です」とご丁寧に実物まで付けられていたという、かなり本気度の高そうな呪いの絵馬でしたが……。
 このような呪いと、それを生みだし続ける人間の剥き出しの欲望や情念などが顕れている。
 それこそが、私がここ貴船・奥宮を「真の霊場魔所」だと認定した最大の理由なのです。


 ふと境内で、無邪気に雪遊びをする小さな子供の姿が。











 その子は元気に走り回りながら、小さいながらもかまくらや雪だるまを作りあげたようです。
 おおーっ、大したものだと思いましたが同時に、霊場魔所に渦巻いていたダークな人間の負の情念が、それで一気に吹き飛ばされ、日の当たる日常世界へと引き戻されたような気がしました。


 元の世界に戻されたところで、この霊場魔所を後にします。












 道中にこういうものを観ると、自分が元の日常世界へと帰って行くのだという気がしてきます。






 来年か、いつかまた……。















 今回はここまで。
 また次回。




*貴船神社へのアクセス・周辺地図はこちら



*貴船神社のHP
http://kifunejinja.jp/




*『京都妖怪探訪』シリーズまとめページ(旧)
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm



*『京都妖怪探訪』シリーズまとめページ(新)
https://kyotoyokai.jp/




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