我は勇者の素質なし!?(笑) @ ひらからパーク「ドラゴンクエストミュージアム」に行ってきました。
2017-01-07 09:51:00
どうも、こんにちは。
ここしばらく、寺社仏閣や京都巡りの話をしておりましたが、またTwitterの方では、ほとんど政治や社会の話題ばかりしておりましたが。
元々私は、漫画やアニメ、ゲーム(特にRPG)、妖怪などオカルトのオタクであり、そもそも弊ブログもそれらの趣味のために立ち上げただけなのですが。
何でこんなことになってしまったのでしょ?(笑)
もっとも、『京都妖怪探訪』シリーズなどの京都巡りをやめるつもりは全然ないのですが、ここらでアニメやゲームの話、特にRPGでもしたくなってきました。
そこで今回は、現在(2017年1月5日)ひらかたパークで開催中のイベント、『ドラゴンクエストミュージアム』と、その元となった国民的人気RPG『ドラゴンクエストシリーズ』の話でもしようかと思います。
『ドラゴンクエストシリーズ』。
この名を一度は耳にした方も多いでしょう。
社会的な現象も起こした、日本のファンタジー・RPG(ロール・プレイング・ゲーム)の「先駆け」、「代名詞」ともいうべき作品です。
主人公は「勇者」と呼ばれる運命に選ばれたヒーローとなって、魔王や竜王、地獄の帝王などといった巨悪や、その手下の魔物や悪人などと戦って、世界の危機を救うというストーリー。
第1作が発売されてから今年で30年になりますが、今なお国民的な人気を誇っています。
そのシリーズ30周年を記念して行われたのが、『ドラゴンクエストミュージアム』です。
実はファンタジーRPGオタクである私も、第一作の頃から夢中になって遊んできた思い出がありますので、今回訪れてみました。
まずはアクセスから。
京阪電車でいきますが、その時に乗った特急の内装もこの通り。
「枚方公園」駅で降りますが、駅の各所にも『ドラクエミュージアム』の宣伝がある上に、改札を通るとゲームで流れるBGM(キャラクターの成長・レベルアップ時)が。
京阪電気鉄道株式会社、ひらかたパーク、スクウェア・エニックスの3者は、このイベントに相当気合いを入れている!?
駅から少し歩きますと、ひらかたパーク内の会場へ。
会場入り口辺りには、一般から応募したらしいイラスト・コーナーも。
こういう数多くのイラストを観ていると、『ドラクエ』シリーズに多くの人がそれぞれ深い愛着を抱いているのが伝わってきます。
会場へ。多くの人が詰めかけて行列が。
シリーズ自体の人気の他、冬休み期間中だったこともあって、ご覧の通り盛況だったのですが。
ただ、これだけの人が詰めかけているのに、会場入り口の受付が1人か3人しか居なかったというのは少々問題なのではないか、とも思いましたが。
会場内へ。
原画やイラスト画、BGMの楽譜等の制作資料は、著作権等の問題もあるのか撮らせてはいただけませんでしたが。
しかしシリーズ各作品の場面を再現したジオラマもたくさん展示されていて、その撮影は許可されていました。
私自身も『ドラクエ』シリーズに親しんできた一人ですから、どれも懐かしい思い出のある場面です。
これはシリーズ第4・5・6作に登場する、竜神が治める天空の城。
シリーズ第4作『導かれし者たち』・第1章の戦い。
シリーズ第4作は、5つの章で構成されており、そのうち第1章から第4章までは、後に物語全体の本当の主人公である「勇者(プレイヤー)」の仲間となる登場人物たちの冒険になっています。
第1章はライアンという戦士の物語になります。
はるか昔に封じられた‘地獄の帝王’と呼ばれる存在が甦りつつあり、それを倒すことのできる勇者も生まれるという予言。
‘地獄の帝王’を崇める邪悪な者たちが、世界のどこかに生まれている勇者(シリーズ第4作の本当の主人公)を抹殺しようと次々と子供たちを攫い、それに戦士ライアンが立ち向かうという話。
これは子供を攫う魔物たちを率いる魔法使い「ピサロのてさき」との戦いの場面。
この章の主人公ライアンは、魔法呪文などの特殊な能力は持たず、剣(と回復アイテム)だけで戦います。ゲームシステム的に言えばシンプルではありますが、傷や疲労・消耗などを回復する手段が限られている分、持久性やバランスを考えながら冒険をしなければならない難しさや楽しさもありました。
これはシリーズ第4作・第2章の戦い。
武術の才能に恵まれたアリーナ姫が武者修行の旅に出て、訪れた他国で開催された武術大会に出場する話。
その試合にて、分身の術を使う「ベロリンマン」という敵との戦い。4人のうち3人は分身で、うち一人だけの本物を見極めて攻撃を当てなければ倒せない。
この戦いでは随分苦労しましたが、楽しさもありました。
私にも、本物を当てようとして必死に目を凝らしながらプレイした思い出があります(笑)。
この章では、神官クリフトと魔法使いブライ魔法呪文を使う従者2人も、アリーナ姫と共に章の主人公として登場します。
ほとんど剣だけで戦ってきた第1章と違って、魔法呪文などの特殊能力も使えるようになれます。ゲームシステム的に言えば、ファンタジーRPGの初心者向けの冒険(攻撃だけのシンプルな冒険)と戦いから、中級者向けの冒険(ファンタジーRPGには付き物の魔法呪文などの特殊能力を使うもの)へとなります。ファンタジーRPGの経験が無い初心者でも、少しずつ慣れて、楽しめるような配慮がされたゲームでもあります。
これはシリーズ第4作・第3章の冒険。
この第3章は、ファンタジーRPGとしてはオーソドックスなストーリーだった第1章と第2章とは、がらりと違った雰囲気の冒険シナリオでした。というより、ストーリーも登場人物も、それまでのファンタジーRPGには観られなかったような斬新なものでした。
嫁さんと子供も居る、いい歳をした商人のおっさんであるトルネコという男が主人公であるところに、驚きました。
普通、ファンタジーRPGや、その元となった英雄伝説や冒険物語などの主人公は、若者です。これが英雄物語、冒険物語のセオリーなのには、ちゃんとした理由があります。
昔、高名な神話学者・ジョーゼフ・キャンベル、の「‘英雄の旅’に関する論説」を聴いたことがあるのですが、それによれば、古今東西の英雄神話には、
「(1)主人公は非日常世界への旅立ち、
(2)試練や通過儀礼など経て、
(3)元の世界に帰還する」
という共通の構造が観られるというのです。
さらに主人公はその過程で成長を遂げ、何かを得て帰ってくるので、その主人公はたいてい未熟な、あるいは成長途上にある若者となるのです。
その点から言えば、小太りの中年男である商人トルネコは、その定石から外れた異色の主人公となるのですが。
しかしこのトルネコという人物は、嫁さんと子供が居る中高年ではありますが、冒険開始時は街の商店に雇われたヒラ店員でしかない。でも、「いつかは大物になりたい」という夢を抱き続けている。つまり、まだまだ成長の余地と意欲を持ったキャラクターなので、若者ではなくても、英雄物語の主人公となる要素は持ち合わせているわけです。
なるほど、ちょっと視点を変えれば、面白いキャラクターやストーリーなどが出来るものですね。
私見ですが、このトルネコというキャラクター、現在の日本社会の世相にマッチしたキャラクターではないかと思います。何故なら、近年の過剰な市場原理主義政策による貧困や格差の拡大により、若者どころか中高年になっても貧困もまま、ヒラ社員どころか非正規雇用のままの人たちがたくさん居るのですから。こういう底辺から這い上がって夢を実現しようとする中高年の冒険物語があってもいいと思います。
この第3章の冒険も、第1・2章とは違ったトリッキーなものになっています。謎や罠だらけの地下遺跡の中頭を使いながら宝探しをしたり、見張り兵士の目を盗んで牢獄につながれた囚人と話をしたり、戦争の危機にある国同士の戦争を阻止して両国の王子と姫との仲を仲介したりなど、その冒険自体もユニークです。
話が進むにつれてトルネコは、戦争を阻止した功績で自分の店を持つ許可を与えられ、そこからさらに海底トンネルを作る、自分所有の大型船を建造する等の大事業を実現させます。
後に本当の主人公である勇者の仲間となりますが、戦いの最中に敵から物を盗んだり、「つまらないだじゃれ」を言って敵の攻撃を妨害したり等、ユニークな戦い方をして味方を助けます。
このトルネコという個性的なキャラクターは、多くの人気とインパクトがあったらしく、その後も彼を主人公とした『トルネコの大冒険 不思議のダンジョン』等のスピンオフ作品も創られるほどでした。
さて話を、『ドラクエミュージアム』と、シリーズ第4作との話にもどしましょう。
次は、シリーズ第4作・第4章の場面です。
次は美人姉妹の仇討ち物語。
姉ミネアは占い師、妹マーニャは踊り子を生業として、父を裏切り殺したという仇の男を探し続けるという話。
この第4章では、後のストーリーにつながる伏線や背景も次第に明かされていきます。
姉妹の父を裏切り殺した犯人は、優れた学者・錬金術師だった父の元弟子の男。姉妹の父が研究活動で偶然発見し、葬り去ろうとしたという「しんかのひほう」を奪うのが、その動機だったことがわかります。
「しんかのひほう」とは、あらゆる生物を邪悪で強力な存在へと変化させるという危険な術であり、第1章からその存在が暗示されている‘地獄の帝王’の正体は、「しんかのひほう」によって、究極的に邪悪で凶悪な存在へと変化した古代魔族の王だった。
ここで、シリーズ第4作の第1章から最終章に至るまでの全体の大きな背景とストーリーが。世界に危機をもたらし、主人公たちが戦うことになる巨悪の正体が少しずつ見えてきます。
第4章の最後で、姉妹はもう少しのところまで仇を追い詰めます。仇の男自身は手に入れた力に酔いしれ、暴虐を尽くしているだけの小悪党に過ぎなかったのですが、その背後にはより強大な力を持つ本当の敵が。「しんかのひほう」の力をより高めて‘地獄の帝王’を復活させようとする闇の勢力が居て、その圧倒的な力に敗れ、無念の思いを抱きながら姉妹は国外へと逃げ延びる、というところで第4章は終わります。
この写真は、姉妹がその圧倒的な力の前に敗れ、逃げだそうとする場面を再現したジオラマです。
ゲームシステム的な話をすれば、第4章の主人公である姉妹は、第3章までの主人公たちとは違って、肉体的な力と武器を主体とした戦闘の代わりに、魔法などの特殊能力を主体とした戦い方をします。つまり第1~3章と比べて、ファンタジーRPGの中級者・上級者向けの冒険となります。
次は第4章の後、第4作の最終章である第5章の一場面
主人公とその仲間たちが、気球に乗って移動する場面です。
第4作の最終章では、それまでになかった気球を入手して、空を移動してこれまでの移動手段では行けなかった場所へも行けるように、より広い範囲を自由に移動できるようになります。
第1章から第4章までを終えた後、(プレイヤーが好きに名前をつけることのできる)本当の主人公である「勇者」が登場する最終章へとつながります。最終章では、主人公は第4章までで主人公として活躍した登場人物たちを率いて、本格的な冒険へと乗り出します。
この第4作に限らず、『ドラゴンクエストシリーズ』シリーズでは、「ファンタジーRPGに慣れた中級者・上級者は勿論、経験が無い初心者でも、簡単に始められ、少しずつ慣れて、楽しんでもらう為のゲーム」というコンセプトが一貫されているのがわかります。
次は、第4作最終章最後の戦い。
‘地獄の帝王’の巨大な腕とかぎ爪による攻撃を高くジャンプしてかわし、一太刀を浴びせようとする主人公・勇者とその仲間たちです。
一度は甦った‘地獄の帝王’を倒したものの、‘地獄の帝王’を崇める闇勢力の指導者となった魔族の若者ピサロは、さらに強化した「しんかのひほう」を使って、より恐ろしい第二の‘地獄の帝王・デスピサロ’に変貌して、人類を滅ぼそうと企みます。
このピサロは、最愛の人を人間に殺され、絶望と復讐心にとらわれて「しんかのひほう」を使った為、悪意と憎しみだけの存在と成り果てています。
歴代の『ドラゴンクエスト』シリーズに登場してきた敵キャラの中でも、最もインパクトがあり、そして最も哀しい悪役の一人でした。歴代のラスボス(最後の敵キャラ)の中でも、少し異質な存在でした。
その戦い方にも、強烈なインパクトがありました。腕を切り落とし、首を潰しても再生し、より恐ろしい姿に変化し続けながら、そしてより強力かつ凶悪な攻撃を次々と繰り出しながら、主人公たちに襲いかかってきます。
成長して強くなった主人公たちでも苦戦必至で、まさに最終決戦にふさわしい戦いとなります。
このジオラマで表現されたのはその最終形態であり、このアングルからは見えないのですが、腹部にももうひとつ不気味な怪物の顔があるという、奇怪で恐ろしい姿を
私にとっても、『ドラゴンクエスト』シリーズを通してだけでなく、今まで遊んできた様々なゲームに登場する悪役の中でも、最も印象に残る悪役キャラの一人です。
この第4作も私にとって、トルネコやデスピサロなど特別な個性を持ったキャラクターの存在もあって、シリーズ中最も印象的な作品になりました。
シリーズ第5作『天空の花嫁』の場面を再現したジオラマも。
シリーズ第5作は、主人公・勇者の人生を、半生をかけた長く壮大な冒険を描いた作品でした。
まだ何もよくわかっていない幼い子供の頃から、成長して旅を続け、生涯の友と伴侶を得て、子供も生まれて……。
ずっと以前、私のRPGの師匠的存在だった人が、「RPGとは、もうひとつの仮想の人生を生きることだ」と発言したのですが、この作品はまさに「人生を体験する」ゲームでした。
主人公は幼き頃に母と別れ、父を殺され、さらに8年間奴隷として闇の勢力に囚われたり、邪悪な者に石に変えられて家族と何年も引き裂かれたり等、随分と過酷な人生を歩んでいます。
そんな作品の中でも、特に印象的な場面がこちら。
これは、2人(リメイク作品によっては3人)の候補女性のうちから一人を生涯の伴侶に、つまり結婚相手に選ぶというイベントの場面です。
幼馴染みの女性を選ぶか?
有力者の娘(あるいはその姉)を選ぶか?
このイベントは、この作品を遊んだ多くのファンの間で印象的なものだったようです。
誰を選ぶかで長時間、ほぼ一日悩んだ人も居るようです。各人の好みによって別れ、誰を選ぶかで論争も起こったそうです。さらに、シナリオ全体を3回続けて遊び、それぞれの回毎に違う候補を選んだという試みまでした人も居るそうです(笑)。
そしてシリーズ第6作『まぼろしの大地』。
この作品についてもいろいろ言いたいことがあるのですが……長くなりすぎますので、控えることにします。
第6作については、次の場面の話だけでも。
これは第6作の中でも、最も恐ろしい場面のひとつです。
魔物の脅威に晒されているグレイス王国の王は、「毒をもって毒を制す」の考え方で、さらに強大な魔物を呼び出して対抗しようと考えます。
しかしながらその為に呼び出した魔物によって、王国は滅ぼされるという話です。
これはその魔物が姿を現し、「我は誰の命令も受けぬ」と言って今まさに破壊と殺戮を始めようとしている場面です。
作品では、別の人物に「王様は‘毒をもって毒を制す’とお考えのようですが、私はその考え方は別の毒を生み出すような気がします」という台詞を言わせています。
これは「毒をもって毒を制す」、「目的の為に手段は選ばない」という考え方の危うさをとりあげているようです。さらに、現代文明の科学技術や、戦争など非常時にとる手段の是非など、あらゆる社会問題にも通じる命題を示しているようにも思えます。
第6作だけでなく、『ドラゴンクエスト』シリーズ全体には、制作者の思想や価値観、問題意識などがそれとなく現れているような場面やストーリーにも時々出くわします。
必ずしもそうした問題意識を持たないといけないわけではないでしょうが、問題意識をもって制作者の隠れた意図をくみ取りながらプレイれば、また違った楽しみもあるかもしれない。
『ドラゴンクエスト』シリーズは、シンプルなようで、実はなかなかに奥の深い作品だと、私は思いますよ。
会場の中には、ゲームイベントとして「5つの試練(ゲーム)」を体験して、それを攻略する毎にスタンプがもらえて、5つ揃えば「勇者の証」がもらえるというイベントも。
しかしながら私は、何と一番目の試練で躓いて不合格になり、ご覧のようにスタンプがひとつも無い状態に。
うーん……。
どうやら私は、勇者や英雄になる素質はゼロだったようです(苦笑)。
最後はフードスペースで少し遅い食事を。
シリーズに登場するモンスターに因んだメニューが。
セットメニューを入れた箱です。
これは「ミミック」という宝箱の姿をした登場モンスターを模しています。
気に入ったので、捨てずに持って帰りました。
最近ではオフも公私ともに多忙で、またゲーム以外のこともするようになったので、昔のようにゆっくり時間をかけてゲームをする時間も少なくなりました。
が、ここでそんなゲームに熱中した頃を懐かしく思い出すと共に。
また、少しはゲームもやってみたくなった。
そんな思いを抱いて帰りました。
今回はここまで。
また次回。
*『ドラゴンクエストミュージアム』のHP
https://dqmuseum.jp/
*スクエアエニックス『ドラゴンクエストシリーズ』公式HP
http://www.dragonquest.jp/
*ひらかたパークのHP
http://www.hirakatapark.co.jp/
*『京都妖怪探訪』シリーズもよろしく。
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