京都の闇に魅せられて(新館)

妖怪堂と2022年2月のご朱印と一眼一足の伝承 @ 京都妖怪探訪(770)





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 どうも、こんにちは。
 毎月恒例となりました京都の妖怪絵師・伝道師の葛城トオル氏による月毎のオリジナル御朱印の紹介記事です。
 今回は今年(2022年、令和4年)元旦、つまり2月の御朱印を紹介します。


 いつものように勧進橋にある店を訪れて。






 古物商でもある表の店から、やはり毎度の如く妖怪フィギアも。
 今回選んだのはこの2つ。






 その後もいつもの通り、店の裏側にある「妖怪堂」へ。









 いつもの通り御朱印を描く葛城氏。






 今月の御朱印、その1。





 左は「どくろの怪」で「仲良し」!(笑)。
 右は「疫病退散」祈願。有名なペスト治療のマスクですが、こうして観ると妖怪みたいにみえますね。


 今月の御朱印・その2。





 一眼一足(いちがんいっそく)。
 一般には「ひとつ目小僧」として知られているようですが。
 2月といえば、多くの人は「節分」→「鬼」を想起すると思いますが。
 過去記事でもとりあげたことがありますが、「事八日(ことようか)」というものがあるのです。
 現在ではあまり行われなくなり、地方によっても異なるそうですが、一年のうち、2月8日と12月8日がそれにあたるそうです。
 ひとつ目小僧などの妖怪や。疫神・厄神などが、人家や人里を訪れて災いを為すと伝えられています。それを防ぐ為に、目かごやヨモギ、柊に刺した鰯の頭などを魔除けとして戸口や軒下に掲げます。
 その中でも特に有名なのが、人間の悪事を神様に告げ口して罰や災いを与えるという「ひとつ目小僧」の話です。
 これは不真面目に修行しない僧侶が後を絶たないことを憂いた比叡山の高僧・慈忍和尚(じにんかしょう)が、自ら進んで魔道に墜ち、「一眼一足(いちがんいっそく)」という、その名の通りひとつ目と片足だけの姿の妖怪となって、死後も比叡山の修行僧たちを監視し続けているという伝承があります。
 その伝承が、「事八日」の「ひとつ目小僧」の元になっているとの説があります。
 「一眼一足」と言えば、最近では『虚構推理』というアニメにも登場し、一部には知られるようになったみたいですが、神もしくは神に捧げられた者の姿とも考えられています。片手片足を失い、まさに「一眼一足」の神の姿となった主人公は、妖怪たちにとって神様のような存在となっていました。

 またこの時、比叡山の「一眼一足」伝説について、葛城氏から以下のようなお話も聴きました。
 以前、比叡山でたたら製鉄の跡が発見されたこともあったそうです。
 「一本だたら」というひとつ目、一本足の妖怪が伝えられていますように、古来、たたら製鉄や製鉄に携わる者たちは、ひとつ目とされる、あるいはひとつ目のイメージで表現されることもありました。
 製鉄の作業に、片眼だけを開けて炉の様子を観るという作業もありましたし、また当時の製鉄作業では現在のように安全の為の保護具もなかった為、その作業で眼をやられて、本当に片眼の姿になってしまった人も居たそうですから。
 それで、鍛冶・製鉄に携わる人々は「片眼」「ひとつ目」のイメージと結びつけられた。
 比叡山の「一眼一足」伝説も、かつて比叡山中で行われていたかもしれない製鉄などと何か関連があるのかもしれない。


 また「一眼一足」は、「案山子(かかし)」のイメージから来ているという説も、葛城氏から聴きました。
 「案山子」は畑の作物を害獣や害鳥などから見張る監視役。慈忍和尚も、修行僧を見張る監視役。同じ「監視役」のイメージがあります。
 西洋にも「スケアクロウ」という案山子の妖怪も。
 『ウィザードリィ』という有名なシリーズモノのCRPGにも、血のついた鎌を持ってPLに襲いかかる案山子のモンスター、「スケアクロウ」も登場しました。
 有名なアメコミ・ヒーロー、『バットマン』でも、有名な悪役の一人に、その名も「スケアクロウ」という案山子の格好をした怪人が登場しています。
 現代の怪談でも、「くねくね」とか「案山子の神様」などといった、昔の農村で行われていた残酷な風習から生み出されたという、恐ろしい化け物の話が伝えられています(以下、その動画も貼っておきます)。









 さらに日本神話(大国主の国づくり神話)にも、久延毘古(くえびこ)という、風雨に晒されて崩れゆく身体を持つという、案山子の神様が登場します。
 「くねくね=案山子の神様」も、久延毘古を想起させます。
 もしかしたら、「くねくね=案山子の神様」で語られる恐ろしい伝承も、それを生み出した農村の残酷な風習の話も、全くの作り話ではないのかも・・・。

 一本足で、身体が朽ちるまで、監視し、立ち続けている。
 以上、幾つかの例にあげましたように、町の東西を問わず、「案山子とはボロボロで不気味なもの」というイメージがつきまとっていたのです。


 こうして2022年2月の御朱印も頂きました。






 妖怪フィギアのコレクションもそこそこ貯まってきたかな。
 自室の机の上も今ではこんなことになっています。






 今回はここまで。
 また次回。




*葛城トオル氏のTwitter
https://twitter.com/yokaido




*『京都妖怪探訪』シリーズ
https://kyotoyokai.jp/




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