京都の闇に魅せられて(新館)

京都妖怪紀行(15):河原院跡




 京都市を横切る国道1号線(五条通)と鴨川が交わる五条大橋。
 そこからちょっとそれた場所にある大きな榎木。

 ここは、あの『源氏物語』の主人公・光源氏のモデルとされる源融が隠棲したという邸宅・河原院の跡だと言われています。
 この榎木は、当時の邸内にあったものがそのまま今日まで残ったものだそうです。

 この河原院。
 実は、平安京でも代表的な「幽霊屋敷」のひとつだったようです。
 館の主・源融が怨霊となってここに留まり、様々な災いをなしたと伝えられています。

 つまり、今で言う「心霊スポット」だったのです。
 前回で晴明神社にお参りをし、御守りまで準備したのは、こういう曰くつきの場所を訪れるからでもあります。
 『ウィキペディア(Wikipedia)』で調べてみたら、例えば次のような話が伝えられています(以下、引用)。


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* 『今昔物語集』27-2 -- 宇多上皇が滞在中に融の霊が現れ「ここは私の家です」と言ったので、上皇が「お前の息子から貰ったのだ」と一喝すると、それ以降、融の霊は現れなくなった。
* 『江談抄』 -- 宇多上皇が京極御息所と河原院で夜を過ごしていると、融の霊が現われ「御息所がほしい」と言った。上皇は断ったが、御息所は死んだようにぐったりとしていた。上皇は急ぎ宮中に戻り、僧に祈祷させたところ、御息所は生き返った。
* 『紫明抄』 -- 宇多上皇が御息所と河原院で月を眺めていると、何物かが御息所を建物の中へ引き入れようとした。上皇が「何物か」と問うと「融」と答えがあり、御息所は放されたが、すでに御息所は息絶えていた。
* 『今昔物語集』27-17 -- 東国から上京した夫婦が、荒れはてた河原院で一夜を明かそうとしたが、夫が馬を繋いでいる間に妻は建物の中から差し出された手に捕えられた。夫が戸を開けようとしても堅く閉ざされて開かない。戸を壊して中に入ってみると、そこには血を吸いつくされた妻の死体が吊るされていた。

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 引用、ここまで。
 現代でも、「源融の霊(らしき人物)が人妻をナンパしようとした」という話もあるそうですが……信じるか信じないかは、読者各氏の判断に任せましょう。

 こうして見たら、女性、特に人妻が狙われる話が多いような気がするのですが。
 さすが源融。
 光源氏のモデルとなっただけあって、スケベ……いや、プレイボーイですね。
 しかも、人妻好きのようです。



 河原院跡周辺を流れる高瀬川。





 その周辺を歩いていると、見えてきました。
 大きな榎木が。





 横にビルが建ってますから、その大きさがおわかりいただけるでしょう。

 ちょっと近寄ってみました。





 おや?
 後ろに鳥居が見えます。

 解説の立て札です。





 後ろの鳥居と祠に祭られている神様は、「榎大明神」というそうです。
 榎大明神の入り口です。





 身をかがめてやっと入れるような、狭く、小さな祠です。
 榎大明神の内部です。





 お稲荷さんみたいです。
 礼儀として、お参りもしていきました。

 この榎木は、「区民の誇りの木」として、今でも親しまれているようです。


 源融の霊には会えませんでした。
 もっとも、私のようなむさくるしい野郎が行っても、出てきてくれるわけないか。


 さてシリーズ次回も、曰くつきの心霊スポットを訪れることにします。
 もちろん、晴明神社の御守りは忘れずに……。




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