京都の闇に魅せられて(新館)

東京都美術館『奇想の系譜』展で本当にもうお腹いっぱいになりました





(記事中の写真はクリックで拡大します。プライバシー保護等の為、人の顔部分に修正を加えていることがあります)


 どうも、こんにちは。
 3月も終わり頃、東京・上野公園を訪れました。
 今回は、今年2月9日から4月7日まで東京都美術館で開催されている「奇想の系譜展」という特別展を観に行きました。

 この展覧会を知ったのは、NHKEテレ『日曜美術館』という番組の、3月10日の放送「奇想の画家たち~江戸絵画に見る“前衛芸術”~」でした。
 1970年に美術史家・辻惟雄(つじ・のぶお)氏が、明治から戦後(昭和)まで埋もれていた、江戸時代の絵画の数々を紹介した著書『奇想の系譜』。
 その著書に基づくものらしく、「異端」とか「異形」ともいうべき、前衛的な作品ばかりを集めたものです。その中には、伊藤若冲曾我蕭白(そがしょうはく)など、異形の天才ともいうべき作家の作品もあります。また、この2名以外にも「異形の天才」ともいうべき作家とその作品を、今回の『奇想の系譜展』で知ることが出来ました。


 前回より、満開の桜で彩られた上野公園の道を、東京都美術館を目指します。















 以下、実にたくさんの名作が並んで……もう満足どころか、もう本当にお腹いっぱいになりました。
 それこそ、ここにはとても書き切れないほど。
 紙幅と時間がいくらあっても、足りないほど。
 なので、全部は紹介しきれないけど、その中の作品と絵師の一部とについて、以下語っていきたいと思います。

 なお、さすがに貴重な作品のオリジナルを直接撮影させていただくことは出来ませんでしたので、以下の写真は会場の物販コーナーで買った絵葉書などからです。


 まずは、伊藤若冲の『蝦蟇河豚相撲図』から。





 伊藤若冲については、弊ブログの過去記事(こちらこちら)でとりあげたこともあります。
 リアルで緻密な作品を数多く描いた一方で、こういうデフォルメされたユーモラスな絵も描く。
 それ以前に、ガマとフグの相撲という奇抜な発想が出て、それを本当に形にしてしまうのも、あの奇才の面白い所ですね。
 勿論会場にはこれだけでなく、多くの若冲作品も。


 次は、曾我蕭白(そがしょうはく)の作品のひとつ『雪山童子(せっせんどうじ)図』。





 曾我蕭白は、こちらの過去記事などで私が‘異形の天才’と讃える絵師です。
 2013年に開催された「ボストン美術館展」で、大きな襖一面に描かれた巨大な『雲龍図』に圧倒されて以来、ファンになってしまったのですが。
 この『雪山童子図』は、仏教説話の一場面を描いたものです。
 釈迦の前世である「雪山童子」が詩に記された貴重な教えを得る為、自ら人喰い鬼(その正体は帝釈天)の口に飛び込もうとする場面です。
 いわば一種の宗教絵画ですが、本来は神聖なものまで原色で派手に、ケバく強烈なインパクトに描くという、いかにも蕭白らしい作品のひとつ。
 また蕭白は、神仙や聖人・賢人なども、表情をバカっぽく描いたり、スケベそうに描いたりした作品もたくさん作っています。
 これらの作品の数々を観てもわかるように、曾我蕭白という人は優れた絵の技量や発想力だけでなく、ある種のユーモアとか反骨心を持ち合わせた、非常にクセのある人物だったようです。
 「江戸時代日本のサルバドール・ダリ」ともいうべき人物かも。
 この他にも、蕭白の強烈な個性を表す作品が幾つも。


 この時点で私は。
 これだけ観たらもう満足、目的達成。
 伊藤若冲と曾我蕭白だけでもうお腹いっぱい。
 そういう心情だったのですが……。
 この後、それまで(この会場を直接訪れるまで、或いはNHKEテレ『日曜美術館』3月10日放送「奇想の画家たち~江戸絵画に見る“前衛芸術”~」を観るまで)私も全く知らなかった、さらなる‘異形の天才’たちとその作品に圧倒されることになります。


 鈴木其一『百鳥百獣図』。





 こんな見事な作品を描く天才も居たとは!
 まだまだわが国には、こういう天才と優れた作品が埋もれているのかも、とも思えてきました。


 長沢芦雪(ながさわろせつ)『龍図襖』。





 こんな見事な、躍動的でかっこよすぎる龍の絵があったとは!
 この作品が観られて、長沢芦雪の名を知ることが出来ただけでも、遠く関西から上野まで来ただけの価値は十二分にあったと思います。


 そして、江戸時代の有名な浮世絵師の一人、歌川国芳の作品も。
 以下は『鬼若丸の鯉退治』
 
 



 国芳は妖怪関連の作品も数多く描いているようですが、以下もそのひとつ。
 鬼若こと若き日の武蔵坊弁慶が、巨大な人喰い鯉と戦ったという伝承をモチーフにした画。
 『京都妖怪探訪』などというものをやっている、妖怪好きとしましては、こういう作品もあるのはありがたいですね。
 同じく歌川国芳の作品『宮本武蔵の鯨退治』。








 もうひとつ、歌川国芳の作品を紹介しますと。





 人文字ならぬ猫文字で「ふぐ」と。
 何故、「河豚(ふぐ)」!? ……などと思いましたが、これは面白い。


 他にもたくさんあり、もっと語りたいのですが。
 これ以上はきりがないですし、このまま全て語ろうとしたら、紙幅と時間がいくらあっても足りませんので、ここまでにしておきます。
 妖怪画あり、俗な(?)神仏画あり、リアルな鳥獣画あり、かっこいい龍画あり、ユーモアあるデフォルメ画あり、遊び心たっぷりな作品もあり。
 もう満足どころか、お腹いっぱいどころか。
 多種多様な江戸時代の絵画の世界と、それらを生み出した異形の天才たちと。更にその両者を育んできた先人たちに最大級の敬意と称賛とを捧げたいと思います。
 わざわざ関西から東京まで無理して出てきて良かった。






 今回はここまで。
 また次回。




*東京都美術館のHP
https://www.tobikan.jp/




『京都妖怪探訪』シリーズもよろしく!




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