どうも、こんにちは。
今回は、あの「平将門の首塚」をとりあげます。
普段は『京都妖怪探訪』シリーズで、京都及びその付近の妖怪伝承地や不思議な伝承の遺されている地を巡っていますが、今回は「特別編」ということで。
だいぶ以前になるのですが、急用ができて東京へと行った時のこと。
「せっかく滅多に行かない東京まで来たのだから、ヲタクの聖地・秋葉原と、東京の妖怪・怨霊伝説地を巡りたい」
そう思い立って、以前から訪れたいと思っていた場所のひとつである「平将門の首塚」を訪れました。
平将門といえば。
平安時代に起こったいわゆる「平将門の乱」で朝廷に謀反を起こして討たれ、その後歴史や伝説に名を残すほどの大怨霊になったとされる武人です。
「将門塚」とも呼ばれる「平将門の首塚」とは。
将門の首が、都大路で晒された後故郷に向かって飛んでいき、落ちた場所とされる場所です。
将門本人にも「不死身伝説」「七人の影武者」伝説などが。そして首塚にも「祟り伝説」「怨霊伝説」などが遺されています。
そんな地を訪れたのですが……。
祟りか。偶然か。それともただ私の運が悪かっただけなのか。
ここを訪れた時にも、いくつかのトラブルに見舞われました。
まずはいつもの通り、アクセスから。
最寄りの交通機関は、東京メトロ「大手町」駅です。
私がいつも利用している京都の地下鉄と比べますと、東京の地下鉄は線路網も駅構内も結構複雑で、ここへ来るまでにも何度か乗り換えたり、道に迷ったりもしました。
ところで将門塚を訪れたこの日、「人身事故」で列車が遅れるという事態に3度も出くわしました。
偶然か。
ただ運が悪かっただけなのか。
不況期というか、貧困化が進んだ故の現象なのか。
あるいは、まさか……?
目指していた場所が場所だけに、ふとそんな考えが頭に浮かびました。
話を戻します。
東京メトロ「大手町」駅のC5番出入り口から東へ歩いてすぐの場所、大きなビルの谷間というべき場所にありました。
なお、周辺にはいくつもの案内板が立っていましたので、「大手町」駅の他の出入り口からも行きやすいです。
それほど有名で、訪れる人も多いスポットだということでしょう。
高いビルの谷間にある出入り口付近。
近くには皇居(旧江戸城)の堀と石垣も見えます。
この日は休日だったためか、人や車の往来はあまり見られませんでした。
高層ビルの谷間にこのような異質な空間があるのは、少し不思議な感じがします。
ここでまたもやトラブル発生。
首塚とその周辺の写真を喜んで撮っていたら、転んでしまい、愛用のカメラを潰してしまいます。
これまでにも何度かつまづいたり、転んだり、またカメラを取り落としたり、どこかにぶつけたり等もしていたのですが、壊れたりすることはありませんでした。
しかしこの時は、カメラの主要な部分がひしゃげて、完全に使用不能となってしまいました。
おそらくは私がどんくさかったからか。
あまりにもはしゃぎすぎて足元への注意が散漫になっていたからでしょうが。
「もしかして、不謹慎にもはしゃぎすぎたから、将門公がお怒りになったのか!?」
……などという考えが、ふと頭の中を過ぎりました。
何しろこの首塚、昔からいろいろな「呪い」や「祟り」などの伝説が遺されている場所ですから。
いずれにせよ、不敬にあたらないように、気を引き締めて中に入ることにしました。
なお、手持ちのハンディカメラが壊れたので、ここからは持っていた携帯電話のカメラを使わざるをえませんでした。
首塚の奥に、大きな墓石のような石碑が立っていました。
石碑の周りには蛙の置物がいくつも。
この蛙の置物は、「左遷されても帰る」「誘拐されたり、行方不明になった人が帰る」などのご利益を願って奉納されたものだそうです。
まさかどの首が「帰った(=帰る)」ことにひっかけたものだそうです。
ところで、この首塚にはどんな曰く付きの祟り伝説があるのか。
今思いつくだけでも。
・関東大震災の後、旧大蔵省の庁舎をこの地に建てたら、大蔵大臣をはじめとした関係者14人が相次いで死亡した。
・戦後、GHQがここに駐車場を造ろうとしたら、ブルトーザーがひっくり返って死者が出るという事故が発生した。
・塚の参道にあった旧日本長期信用銀行(旧長銀)では、塚に面した部屋の行員が次々に病気にかかる異常事態が発生。お祓いをしたものの、その後旧長銀自体が破綻。
・現在でも首塚に隣接するビルでは、社員・職員が首塚に背を向ける形にならないように机を配置している。
・爆笑問題の太田光が、この塚にドロップキックをした為、その後しばらく仕事が来なかった(逆に言えば、その程度で済んでよかったのでは?)
などなど。
それらが祟りや怨霊などの伝説を生み出したのでしょう。
現在平将門は、崇徳院、菅原道真と、「日本3大怨霊」とされています。
そしてこの首塚と共に、荒俣宏氏の小説『帝都物語』など、多くのフィクションの題材にもされています。
妖怪ヲタク、怨霊マニアである私にとっても、夢にまで見た憧れの地でもあります。
カメラを壊してしまったのが、祟りや私のドジではないとすれば?
どのような形であれこの場所で祟りを受けたのは、非常に貴重な体験なのではないか……。
……っと、いけません。
こんな不謹慎なことを考えたら、またバチが当たりますかね?
それでは今回はここまで。
また次回。
*将門塚の周辺地図・アクセスはこちら。
*京都妖怪探訪まとめページ
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm