大旦那日記

大旦那の日常と、宿の情報などなど。

昔の話

2010-04-16 21:43:22 | 宿
もう何年前になるか定かではないのですが、
始まりは2羽のセキセイインコを飼い始めたことでした。
当時、体を壊して仕事をやめたばかりだった私は、時間を持て余していたのでしょう。
あまり真剣な思いではなかったように記憶しています。

セキセイインコは子供の頃に飼っていたので、
大体のことは知っているつもりでした。
ところが実際に生きたセキセイインコと付き合うと、
何も知らなかったということを思い知らされました。

それからは本やネットで情報を漁る日々。
いつしか私は、鳥の飼育にどっぷり嵌ってしまっており、
オカメインコや文鳥に手を出すのに、さほど時間はかかりませんでした。

最初に飼ったオカメインコは、オスのアルファでした。
気分屋で乱暴なこのオカメは、それでもいつも寂しそうでした。

「相方が欲しいのかもしれないな」
そう思った私は、ペットショップで若いメスのオカメを購入しました。
それがベータです。

ベータは最初から大人しく、いつも止まり木の端で小さくなっていましたが、
数日経つとケージの底の隅に体を膨らませてうずくまっていました。
餌もほとんど食べていません。

私は慌てて獣医を探しました。しかし、鳥を診てくれるところは見つかりません。
鳥が診れる獣医は少ないと、ネット情報で知っていたはずなのに、
やはり甘く考えていたのでしょう、あまりに病院が見つからず、
私はパニックになる寸前でした。

でもようやく、少し離れた地域に、鳥も診てくれる動物病院があることを知り、
電話で問い合わせたところ診てくれるということだったので、
大急ぎでベータを連れて行きました。

ところが、実際に診察室に現れた若い獣医は、ベータを保定することすらできません。
どう触って良いやらわからないふうで恐々見回した後、
「痩せ過ぎていて検査ができないので、体重が増えたらまた来てください」と、
パウダーフードとシリンジを渡されました。
シリンジによる強制給餌のやり方は教えてもらったものの、
私の頭の中は「?????」状態でした。

そして私が帰ろうとすると、その獣医は営業笑顔でこう話しかけてきました。
獣医 「その鳥は最近ペットショップで買ったものですか?」
私  「はい、そうですが…」
獣医 「だったら店にクレームを入れたほうがいいですよ。そしたら交換してくれるかもしれないし」

今思えば、文句の一つ位言えば良かったと思いますが、
そのときは只々悲しくて仕方なくて、何も言わずに病院を出ました。
私はベータを助けて欲しかったんです。元気に飛びまわれるように、
これから毎日幸せに暮らしていけるようにして欲しかったんです。
なのに、何故あんなことを言われなければならないのか。

けれど、思えば人間と暮らしている他のいろんな沢山の鳥たちも、そして飼い主さんたちも、
こういう思いを沢山してたりするんだろうなあ、
自分には何かできることは無いのかなあ、
漠然とそう思いました。

その思いが紆余曲折の末、小鳥の宿へと辿り着きます。

ちなみにベータはその後中津動物病院で治療を受け、
2週間以上に渡る投薬と強制給餌の結果、
全身の相当部分の羽根が抜け落ち、目も殆ど見えなくなったとはいえ
なんとか一命を取り留めました。

その後、ベータと暮らす中で、鳥を世話する上での気構えやちょっとしたアイデアなど、
色々なものを与えてもらいました。
オーバーでもなんでもなく、ベータが居なければ
小鳥の宿は存在も継続もできなかったでしょう。


そのベータが、昨日亡くなりました。


喪失感やら何やら、まあ色々無くはないです。
でも私はまだ沢山の鳥たちに囲まれて生きています。
小鳥の宿もまだまだ続きます。

ベータがくれたものだからと言って、
ベータが死んだから放り出すなどと言うわけにも行きません。
そんなことしたらベータに怒られます。


今更言うまでも無いことですが、
沢山鳥を飼ってますから、沢山死に目にも会っています。

一部はこのブログにも書きましたが、
曲りなりにも仕事の為に書いてるブログに
個人的な悲しみの感情をダラダラと書き連ねるというのには
多少抵抗もあったりしたので、
どちらかというと書いていない死の方が多いかもしれません。

しかしベータの死をここで書かないというのは、
経緯からしてやはり違うだろうと思い、書いてみました。
不快に思われた方がいらっしゃいましたら申し訳ございません。
そして長々とした駄文をここまでお読みくださいまして、
ありがとうございました。


以下は在りし日のベータの写真を4枚ほど載せておきます。
よろしければ見てやって下さい。

2005年の頃のベータ。

2006年頃のベータ。

2007年頃のベータ。

去年の夏のベータ。



 ◇ 小鳥の宿 mi ya gi ◇

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
悲しいですね。 (ぶ~りょん)
2010-04-17 19:16:18
始めて見るベータちゃんの姿は、痛々しくも見えましたが、目がとても活き活きとしてますね。
どの写真も、冠羽がピンッと立っていて、とても楽しそうですね。うちのオカメが何かに興味津々になっている時と同じ顔をしています。
みやぎさんに、助けられた命を彼女は、めいいっぱい楽しんでいたのではないでしょうか。
ベータちゃんの話を聞けて良かったです。不快になんて思いません。
これからも、お宿頑張ってください。
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ありがとうございます (大旦那)
2010-04-19 22:21:14
強制給餌のおかげで、ベータは私が大嫌いでした(笑)。
それでもご飯は要求するし、
ケージから飛び出してケージや壁の隙間に落っこちたときは、
素直に手に乗ってくれたりもしました。
それなりに私のことを理解していてくれたのだと思います。
読んでいただいてありがとうございます。
また遊びに来てください。
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