大旦那日記

大旦那の日常と、宿の情報などなど。

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2008-06-22 23:52:57 | Weblog
突然ですが、擬卵をご存知でしょうか。
鳥が卵を産み過ぎないようにコントロールするために
使われるニセモノの卵です。

セキセイインコの場合、発情するとふつう5~6個の卵を産みます。
しかし、例えば1個産んだ直後に擬卵を4つほど巣の中に入れてやりますと、
合計5個の卵がそこにあるように見えます。
するとインコは、もう卵を産まなくなるのです。

例外はありますが、大抵はこれでコントロールできます。

とはいえ、擬卵もタダではありません。貧乏にはツライところ。
そこで私は、うちの鳥たちが産んで孵らなかった卵(死卵)の中で
殻の固いしっかりした物を取っておき、
誰かが卵を産んだとき、擬卵の代わりとして使っています。


さて前置きが長くなりましたが、昨日の朝のその前、
一昨日の夜の時点でのお話。

セキセイインコ五兄弟の一羽、メスのトシエが卵を5個抱いておりました。
トシエはいわゆる「産み癖」のある子で、やたら卵を産んでしまいます。
もちろん巣箱など入れていませんし、
ケージが巣箱を思わせるような状態になっているわけでもないのですが、
糞切り網の上に産んでしまうのです。

まあこれまで産んだ卵は全て孵らなかったので、
数が増える件については心配していなかったのですが、
とはいえ沢山卵を産んで、こないだのオカメのイプ嬢のように
フラフラになられても困ります。
そこで擬卵代わりの死卵を入れて、卵を産まないようにしていました。
結果、今回トシエは1個しか産んでいません。

ところが、ちょっと困ったことに
トシエの母親でもあるセキセイのウミが卵を産んでしまいました。
何せこちらは卵を産んで孵した実績があります。
そのまま放置もできません。
当然、死卵を置いて卵を産ませないようにしなければなりませんが、
2組同時に投入できるほど、大量の死卵は用意していませんでした。

そこで、アイデアが浮かびました。

トシエの方から死卵を2つ取り上げてウミの方に入れ、
ウミの卵をトシエに抱かせる、ということです。

何せトシエは卵を数こそ産むものの、ほとんど暖めません。
ときどき暖めるそぶりは見せても、
放鳥時間になると、卵そっちのけで遊びまわり、
ケージにもなかなか帰って来ないのです。
卵が孵らないのも当然です。

今回の産卵でも、トシエは特に熱心に暖めている様子も無く、
いくら気温が高い時期とはいえ、
トシエのケージの卵が孵化するなど、
全く考えていませんでした。

それが孵ってしまいました。
孵ったのがトシエの卵なのか、ウミの卵なのかは不明ですが、
ヒナがそこに居ることは動かしようの無い事実です。

見つけたときは、寝起きであったこともあり
しばらく頭の中が真っ白けでしたが、
いつまでも新聞紙の上に置いておくわけにも行きません。
まず糞切り網の上に新しい新聞紙を敷き、
ヒナが下に落ちないようにして、
ヒナと卵を元の位置に戻し、
トシエがどう動くかを見ました。

すると、意外にもトシエは
何事も無かったかのように卵を抱き、
ヒナをクチバシで優しく羽の下に隠しました。

もし神経質になったトシエがヒナに噛み付いたりしたら
助けなきゃいかんな、と構えていたのですが、
それを見て一安心しました。

が。

もしもの事があってはいけないので、
それからしばらくトシエを観察していたところ、
ほとんど動きません。ただ、抱いたままです。

ヒナに餌を与えている気配がありません。

1時間ほど様子をみて、思い切ってトシエの下からヒナを取り出してみると、
ヒナのソノウはやはり、ペッチャンコでした。

さあ困った。

ここでトシエの本能に期待して、もうしばらく待つべきか。
しかし生まれたてのヒナの体力が、果たしてどれほど持つものか。
とはいえ、しばらく繁殖はしないつもりだった為に
ヒナ用の餌の用意はしていないし、
こんな早朝から開いてるペットショップも無いし。
やはりトシエに任せるしか…

あ。ヒナといえば。

そこで思い出したのは、メラギラを受け入れる際、
万一の場合に備えて買った、「すり餌」。

ご存知ない方もいらっしゃると思うので、一応説明しておきますと、
すり餌とは、和鳥(ウグイス、メジロなど)用の粉末餌です。
和鳥は比較的肉食傾向の強い雑食性なので、
すり餌には魚粉など動物性飼料が多く含まれています。
ニワトリも動物性蛋白質を必要とする雑食性の鳥ですから、
緊急用にはすり餌が良かろうと購入したのですが、
これは普通、インコには使いません。

何故ならインコはかなり草食性に近い雑食で、
動物性蛋白質は一切不要と言う人も居ます。
すり餌をインコに食べさせるというのは、
哺乳類でちょっと大袈裟に例えるなら、
ウサギに野菜入りドッグフードを食べさせるようなものなのです。

しかし背に腹は代えられません。
とにかく急いで湯を沸かし、すり餌を溶き、
「何度もスマン」と謝りながら、トシエの下からヒナを引っ張り出し、
とりあえずの食事をさせたところ、
ちゃんと食べてくれました。

そしてまたヒナをトシエに返し、
更に2時間ほどしてからまたヒナを引っ張り出し、
またすり餌を与え、またまたヒナをトシエに返してから
急いでペットショップにフォーミュラ(インコ・フィンチのヒナ用粉末餌)を
買いに走りました。

しかし1件目には無く、2件目でなんとか見つけ、
帰って来てから用意をして、
さあたっぷり食わしてやるぞ、と、トシエの元に行ってみると、





トシエが食べさせてました。


どっとはらい。



…と、収まってくれれば楽なのですが(笑)。


今のところ、ヒナの食事は
トシエが食べさせてくれています。
しかし前述の通り、ヒナは巣箱に入っていません。
私からも周囲の鳥たちからも常に見える状態です。
果たしてこのままで、ちゃんと育ててくれるものなのか、
初めての経験なのでまだ判りません。

一瞬、巣箱を入れようかとも思いましたが、
巣箱を入れるとヒナを放りだして、
更に卵を産んでしまうような羽目になる可能性もあります。

ヒナのことだけを考えるのなら
私が誘拐してしまえば最も確実なのですが、
ご承知の通り、ヒナは2~3時間おきに餌を与えなければなりません。
まして孵化後0日の目も開いていない丸裸のヒナです。
その世話をするとなると、全く身動きが取れなくなります。
それは大変に困ります。

ケージの周りを何かで囲って
他の鳥たちの視線だけでも隠そうかと考えてもみましたが、
試しに布や段ボールを近くに置いただけで
トシエが怖がってヒナから離れてしまいます。



と、いうわけで、
結果的には今日一日、ヒナはトシエに任せました。
ちゃんと食べさせ、ちゃんと暖め、
ちゃんとお母さんをしてくれています。

しかしこの先のことはまだわかりません。
メラギラのこともありますし、
シュンのこともあります。

しばらくは、頭の痛い日が続きそうです。


最後に、今日のトシエとヒナの様子です。
あまり明るいところで見る機会が無い映像なので、
私には新鮮でした。




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