備後国分寺の風景

とき折々の風情を見せるお寺の風景、そして行事の様子をお知らせします

日本の古寺めぐりシリーズ第8回若狭神宮寺と明通寺参拝

2010-03-15 08:30:39 | Weblog
先週3月11日、福山市神辺町からバスに乗り込み、一路福井県若狭へ。42名の同行の皆様と共に、若狭神宮寺と明通寺に参詣した。思いの外交通事情が良く、思ったよりも早く到着。若狭湾に面した御食事どころ雅で郷土の名産焼き鯖のお膳を食し一同ご満悦。

神宮寺は、本堂のすぐ下にバスが着く。雪解け道を歩いて本堂へ。深閑とした静寂の中、内陣にご住職に導かれ参内。お勤めの後、深遠なる神仏の世界観について御法話があった。私たちは皆とらわれの目を持って様々なものにはまり込んでいる。神仏混淆のこの空間の中で柏手を打ち何ものにもはまらない本来の自分を取り戻して欲しいとのことであった。

本堂前の注連縄がゆるむとそこからお月様が顔を出すとか、ここと熊野は南北の線上にあり、その中間に奈良があるとか、寺紋である菊の中の鈴のお話しなど興味深い御法話であった。

神宮寺本堂



東大寺修二会でお供えされるお水の閼伽井



コンコンと沸いている霊水




次に明通寺へ。明通寺は隣に松永川が流れ、ずっと豊かな水の音が聞こえていた。ご住職に先導して頂き本堂へ。坂上田村麻呂の願意を損なうことなくお寺とこの自然を守っていきたいとの御法話があった。ご住職は原発銀座と言われる若狭湾の状況を憂えて、原発反対運動をなさってその中心としてご活動されてきた。

蝦夷征伐をした坂上田村麻呂がその鎮魂のために建てたこの明通寺のある場所から、今は逆に原発のゴミが青森に向けて毎日大量に送られていく現実は容認し難いものがある。万一の事態が起こる前に何とかこの状況を解消していく必要があるとご自身のご健康を害してまでも奮闘なされているお姿に接し頭の下がる思いがした。是非多くの人に関心を持って欲しいと思う。

明通寺国宝の本堂と三重塔がこの石段の上にある。



仁王門はいってすぐ左側にある立派な鐘楼堂。



この度も、行きには、先頃行われた講演会での保坂俊司先生の教えを皆さんにご披露し、帰りには、末期ガン患者が治療を拒否して最後をどう過ごしていくかを映画にしたDVDを見た後、質疑応答、最近の様々出来事からの話などをさせて頂いた。今回は添乗して頂いた安川さんに大変お世話になりました。また、企画から様々ご配慮下さった倉敷ツアーズ金森氏にはこのような企画によって仏教を語る機会を作って下さって感謝申し上げます。