備後国分寺の風景

とき折々の風情を見せるお寺の風景、そして行事の様子をお知らせします

11/20・11/26兵庫・浄土寺と丹波・石龕寺参詣

2008-11-27 17:21:47 | Weblog
朝日新聞愛読者企画「備後國分寺住職といく日本の古寺めぐりシリーズ第五回晩秋の播磨・丹波をゆく・兵庫県浄土寺と丹波石龕寺」

国道313の国分寺バス停より乗車し、笠岡インターより高速に上がり、一路兵庫県小野市にある浄土寺へ向かう。バスの中では相変わらず、道中安全を祈願した後、お経を唱えるということについてや私のこれまでの歩み、また浄土寺を創建された重源上人やお寺のお堂や本尊さんについてお話した。

浄土寺は、平坦な周りから少し小高い台地に境内が広がり、境内からは下の様子が見られない、そこだけ異空間が広がっているようだ。神と仏が交差する何とも不思議な、しかし当時はそれが当たり前の伽藍配置だったのであろう。

八幡神の本地仏は阿弥陀如来。国宝阿弥陀三尊を中心にする浄土寺ならば当然の設定ということだろうか。それにしても境内の中央に大きな鳥居が鎮座する様は他には見られない鎌倉期の宗教感覚を現代にとどめる正に貴重な神仏習合の遺産と言えよう。



浄土堂阿弥陀三尊は、巨大な阿弥陀様が今まさに来迎した様を表すかのような臨場感が溢れ、天竺様(大仏様)のお堂と一体となった見事なお浄土の荘厳さを醸し出す。



こちらは浄土堂の軒丸瓦。一つ一つに南無阿弥陀仏と文字が刻まれている。また薬師堂の裏には立派なミニ四国八十八カ所がある。全札所が石組みの台座に石棺に納められた本尊と大師像を祀っている。



昼食を入れ、小野市から丹波に向かう。石龕寺は聖徳太子創建と伝えるが、足利氏ゆかりのお寺。当時の多くの寺宝が残る。こちらは鎌倉期の仁王門。



こちらは本堂毘沙門堂前から下を眺めた様子。紅葉の絨毯を敷き詰めたようだ。



毘沙門堂左にある仏足石。皆さんゆっくりと散策して紅葉を愛でつつ写真にもおさめ、下山された。



帰りのバスの中では、休む間もなく、古寺古仏を参詣するということの意味についてや最近発掘された奈良の新薬師寺の規模などから古人の神仏への篤い思いについてなど話をしながら家路についた。

今回も倉敷観光代理店・倉敷ツアーズ金森氏の企画により、誠に行き届いた行程の中、ゆったりとしたバスツアーを楽しむことが出来た。今回も添乗された安川氏、金森氏には至らない点をかなりカバーしていただいた。この場を借りて御礼申し上げます。

来年には、7年に一度の信州善光寺ご開帳への特別企画も計画されているという。また皆様との日本の古寺めぐり、楽しみにしたいと思う。


なお、浄土寺石龕寺については『ブログ・住職のひとりごと』をご参照下さい。

http://blog.goo.ne.jp/zen9you/