九重自然史研究所便り

昆虫採集と観察のすすめ

甲賀市みなくち子どもの森にアトヘリアオシャク産す

2015-09-22 18:52:38 | 日記

甲賀市みなくち子どもの森にアトヘリアオシャク産す
 2015年9月19日(土)滋賀県甲賀市みなくち子どもの森を同自然館の河瀬直幹さんと琵琶湖博物館の武田滋さんと調査した。私は幼虫の調査を担当したのだが、あまり収穫はなかった。武田さんは叩き網法(樹木の小枝の下で網や布で受け別の棒でその小枝を軽く叩き止まっている虫を落とし捕らえる方法)で木の枝を丁寧に叩き虫を採っている。私も九重山系地蔵原で散歩のとき、この方法を使った。私の場合は少し長い目の柄がついた網を手が届かない小枝にかぶせて激しく揺すってから網の中を覗くやり方だ。甲虫やカメムシなど様々の虫をその方法で採集した。もちろんガの幼虫も採れたが、地蔵原のような昆虫の多い場所ではガの幼虫調査法として、散歩中に木の枝をそっと引っ張り、曲げて葉の裏側を見る方法を主に用いた。この方法だと調べたことがある虫の生活を乱さず、まだ飼育したことがない幼虫だけを捕らえ持ち帰ることができるからだ。
たまたまカジノキの葉を二つ折りした巣があり、まだノメイガ幼虫が入っている巣ともう一つ蛹が入っている巣を発見した。当然、同種の蛹と幼虫だと信じて持ち帰った。9月21日幼虫は前蛹に蛹からはアトヘリアオシャクが羽化した。
 ハンノキにはオナガミズアオ幼虫やミドリシジミのようなその植物しか食わない種があるらしい。アトヘリアオシャクも図鑑にはハンノキの固有種であると出ている。実際、その通りでそのカジノキ枝と背丈の低いハンノキが絡み合っていた。だから蛹化前に移動中のアトヘリアオシャクがカジノキの葉にあった巣に入り込んで蛹化したらしい。ちなみに甲賀市の「みなくち子どもの森年報第5号」には同地の既知昆虫目録も出ているが、アトヘリアオシャクは出ていない。ハンノキにつくオナガミズアオ、ミドリシジミ両種は搭載されている。


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