クワノメイガGlyphodes pyloalisの幼虫について追記2
この図版は大分市富士見ヶ丘で2007年10月29日クワから見つけたクワノメイガの幼虫と巣である。写真3は巣で、写真1~2の幼虫を発見した。これは涼しい時期の幼虫だったので色が比較的淡色であるが、前回の図版で示した地蔵原産と同種のノメイガの幼虫であると思う。巣に入ったままの幼虫を湿った土が入っている容器の土の上におき、時々、様子を見た。幼虫は前蛹状態のまま冬を越すらしいが、しかし冬季の管理が巧くいかず、蛹化・羽化させることはできなかった。このメイガの幼虫は年内に蛹化すればすぐ羽化してしまう。つまり蛹で越冬できないのである。
熱帯系のガが日本に進出する場合、最も難しいのは越冬である。チョウやガでは、成虫、蛹、幼虫、卵のどれか一つの時期で越冬する。このブログでも蛹越冬できる昆虫は鱗翅目だけではないかと書いたことがある。多くのノメイガは巣に入ったまま地表に落ち、前蛹状態で越冬するらしい。冬に細腰亜目のハチの巣をいろいろ調べたことがあるが、彼らも必ず前蛹状態で越冬し、初夏になってから蛹化する。
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