公民・歴史教科書問題を中心に教育問題を考えていくブログ

恐るべき公民教育の問題を中心に扱っています。かなりの割合で小山常実氏のブログ(特に教科書資料)や著書を参考にしています。

【敵兵を倒せば「殺人犯」」!?】今の自衛隊で国は守れない!!!【自衛戦力肯定の憲法9条解釈正常化を/正式な軍隊と交戦権の保持で「米軍基地」追い出せ】

2023-10-28 22:57:59 | 安全保障

教科書問題よりも、緊急性という面では極めて高いのが、国防問題です。

このような現代の国家は、対外的には軍事力を使用した防衛(ぼうえい)により、その主権と独立を保ち、対内的には公共の秩序を維持し、国民の安全を守るとともに、インフラの整備や教育など公共事業への投資(こうきょうじぎょうへのとうし)により、国民の生活の向上を図り、国民の自由と権利(こくみんのじゆうとけんり)を守ることが重要な役割だと考えられています。

このことから、分かるのは、防衛は、国家の独立を保つために極めて重要なものだということです。また、戦時中に国民が虐殺されたり、あるいは国民の生活や権利が侵害されることを踏まえれば、防衛は国家が一番に果たすべき役割といえるでしょう。

しかし、今の自衛隊は敵兵とまともに戦えない時点で明らかに防衛の役割を果たすことはできませんし、今出てきている、改憲案でも根本的に状況が変化することはありません。

それに、今の改憲案は憲法9条に対する無理解が生んだものです。芦田修正の事実を正確に理解すると、実は改憲案以上のことが解釈だけでできてしまうことが分かります。

解釈を正常化し、戦力と交戦権を認めることができれば、米軍基地を追い出すことも可能です。

芦田修正万歳と述べた上で記事を進めていきたいと思います。

●敵兵を殺せば殺人犯となる自衛隊制度

今の自衛隊の制度といえば、どうでしょうか。どこの国も、軍隊は、その国の主権と独立、国民の安全と生活を守るために、最大限の行動をします。

特に今の技術では進軍が極端に早く、敵兵に打たれてから反撃では間に合いませんから、ある程度事前に予防線を張る必要が出てきます。

そのため、軍隊に関する法律の規定などは、全てネガティブリスト(してはいけないことを定める)方式となっており、それ以外は基本自由とされています。

しかし、自衛隊に関する法律である自衛隊法は「ポジティブリスト」(してよいことを定める)方式となっており、自衛隊法に規定がないことはしてはならないことにされています。

このような方式は世界的にみても異常なことです。それに、自衛隊法では、実際に武力行使ができるのは内閣総理大臣から「防衛出動命令」があったときのみとされています。

防衛出動命令が出るのは、実際に敵兵からの攻撃があり、そこから内閣総理大臣に報告が上がって(ここまでに数時間を要する)、内閣総理大臣が閣僚を召集して会議を開き(この会議までにも数時間、ほぼあり得ない速さで一時間)、会議の結論が出て(やはり数時間はかかる)、はじめて防衛出動命令を出すことができます。

敵兵からの攻撃から少なくとも半日以上も待たなければ、自衛隊は反撃できないのです。

しかし、現在の技術力では、半日もあれば、簡単に沖縄ぐらいのサイズなら占領できてしまいます。しかも、この計算は基本的に反撃があることを前提としたものですから、反撃がなければより広い範囲を占領することも可能かも知れません。

しかも、自衛隊の場合、防衛出動命令が出てからはじめて部隊を展開できますから、実際に戦闘可能になるには、合計で2日かかります。仮に沖縄から侵略された場合、沖縄から鹿児島県あたり(九州全域もあり得る。)までは占領されてから、スタートということになるでしょう。

この状況を打開するのは世界最強と謳われる米軍であっても、無理です。

海外の軍隊は、これを分かっているからこそ、ネガティブリスト方式とし、敵兵の攻撃に対して命令を待たなくても反撃できるようにし、すぐに命令がなくとも部隊を展開することを許可されています。

そして、本格的な攻撃も、日本のように閣僚の話など聞かずに、首脳(日本では内閣総理大臣)が報告を受けて直ちに攻撃命令を出すことができます。

この制度が改善されない限り、日本が生き残ることは困難なのです。

●改憲せずとも自衛戦力と交戦権の肯定はできる

こういった問題は、主に憲法9条の害悪として知られます。

海外に比べて著しく劣った軍隊しか認められず、戦い方にも厳しい制約が課されているのは、憲法9条が戦力放棄と交戦権否認を定めているからといわれます。

しかし、最も大きな問題は、解釈です。憲法9条の解釈が、明らかに間違っているのです。

憲法9条をよく見ると、第2項には傍線部のような記述があることが分かります。

第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

ここで言う「前項の目的」とは、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」ことです。

「国際紛争を解決する手段」というのは、「侵略」のことです(※政府見解であり、学界の通説)。

つまり、第2項は「侵略を放棄する目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」と読めます。

逆に言うと、「侵略」を放棄する目的に反しない戦力や交戦権、つまり自衛戦力や自衛のための交戦権は、認められるということです。

今の政府見解である「自衛隊は戦力ではなく実力」にくらべれば、よっぽど分かりやすくてはっきりとした解釈といえるでしょう。

この解釈に無理があると感じられる方がもしいましたら、そもそも「自衛隊は戦力ではなく実力」という意味不明な解釈が通るわけなので、この解釈も理論上は通るはずだとお伝えしておきます。

●2018年自民党改憲は憲法9条に対する無理解が生んだ何の意味もない無駄な改憲案

見出しからいきなり過激なことを言っていますが、批判的にしか見えませんが、まあ見てってください。

2018(平成30)年に出された自民党の改憲案に目を向けると、組織としての「自衛隊」と「自衛のための措置」が行えるとされています。しかし、これでは「自衛隊」は軍隊どころか戦力としても認められていません。それどころか交戦権さえも明確には認められず、依然として「専守防衛」と言う名の警察的な正当防衛しかできないのです。

現状の自衛隊と全く変わらず、何の意味もない無駄な改憲案といえるでしょう。

芦田修正に基づく正常な解釈が広がらなかったことや、政府主導で芦田修正を抑圧してきたことが、この無駄すぎる改憲案につながったと考えられます。

●交戦権容認と防衛行動明記で...自衛隊についての緊急改革案

まず、日本がしっかりと自分の国を防衛できるようにすべきことは、憲法9条について芦田修正に基づき、「侵略戦争の放棄と侵略戦争のための軍隊・戦力の保持や侵略戦争のための交戦権の行使を禁止したものである」と解釈し(解釈正常化)、次に「自衛隊」を「戦力」と宣言した上で「交戦権」を容認することです。当然、武力行使三原則も破棄です。

さらに、自衛隊法を改正し、「防衛行動」などの名称で、緊急時に国の命令がなくとも武力行使ができることを明言するとともに、自衛隊は交戦権を有すると規定します。

こうすることで、自衛隊はひとまずまともな軍隊と同レベルとは生きませんが、かなり近いところまで来ると思います。

これが緊急改革案です。1~3年以内に行わなければ本格的に危険な状態となるでしょう。また、自衛隊の改革に合わせて核シェルターの整備も進める必要があります。詳しくは、こちらの記事で。

●自衛軍の創設で...将来の改革案

このような緊急改革だけでは、未来永劫日本を守り抜くことはできません。そのため、自衛隊法を改正し、自衛隊を「自衛軍」または「国防軍」などと位置づけるとともに、軍の行動を「ポジティブリスト」(して良いことを定める方式)から「ネガティブリスト」(してはいけないことを定める方式)に変更します。

この改革が実現すれば、もはや日本の独立はほぼ確実のものとなります。

●自衛軍ができれば米軍基地を追い出せる

実は、このような「自衛軍」の保持は米軍基地を追い出したい左翼の方々にも意外と都合が良いものなのです。

たとえ自衛軍となっても、憲法9条で侵略戦争が禁止されている以上、日本が他国に侵略する心配はありません(そもそも経済侵略という方法もあるので武力を放棄しても「侵略」自体は可能※現在は憲法が禁止しているので不可能)。

むしろ、自衛軍の存在は、米軍基地排除において、「言論の力」よりも強い「武力」を裏付けとした交渉ができ、少なくとも「(米軍基地を)置いてもらっている」という現在の立場から「置かせてやってる」に変わることになります。

これにより、これまで見逃されてきた在日米軍の「犯罪」を厳しく取り締まることができるようになります。日米地位協定も改正されるでしょう。

また、右派からも、「自衛軍があるなら在日米軍はいらない」との声が上がり、在日米軍基地排除の動きはよりいっそう加速するものと考えられます。

憲法第9条解釈正常化による交戦権の容認と自衛戦力の確保は、右翼にとっても左翼にとっても大きなメリットがあるのです。

芦田修正万歳と叫んでこの記事を終えることにしましょう。

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