古代の日本語

古代から日本語には五十音図が存在しましたが、あ行には「あ」と「お」しかありませんでした。

卑弥呼

2021-10-24 09:29:04 | 古代の日本語

「魏志倭人伝」の内容をご紹介していますが、今回は、日本の古代史においてとりわけ神秘的な存在である「卑弥呼」に関する記述です。

原文
事鬼道能惑衆年已長大無夫婿 (卑弥呼は)鬼道を事とし、よく衆を惑わす、年すでに長大、夫婿なし
有男弟佐治國自爲王以来少有見者 男弟あり、国を佐治す、王と為りてより以来、見る者有ること少なし
以婢千人自侍 婢千人を以ておのずから侍る
(中略)
 
卑彌呼以死大作冢徑百餘歩徇葬者奴婢百餘人 卑弥呼以て死す、大いに冢を作る、径百歩あまり、徇葬する者奴婢百人あまり
更立男王國中不服更相誅殺當時殺千餘人 更に男王を立つ、国中服さず、更に相誅殺し、当時千人あまりを殺す
復立卑彌呼宗女壹與年十三爲王國中遂定 また卑弥呼の宗女台与を立つ、年十三にして王となり、国中遂に定まる

これを意訳すると、卑弥呼は鬼道を司る能力があり、それによって民衆を惑わし、長く生きたももの、結婚はせず、弟が国を治める手助けをし、彼女が王となってからは、彼女を見る者は少なく、女の召使いが千人もいました。

(鬼道に関しては、「世界の秘密 日本の霊性-5.神憑り」で考察していますので、よかったら参考にしてください。)

卑弥呼が死ぬと、大きな塚を築き、奴婢百人あまりが殉死者として一緒に埋葬されました。

その後、男の王を立てたものの、国中が承服せず、互いに攻めて殺し合い、当時千人あまりが死ぬ事態となったため、卑弥呼の宗女「台与」を王に立てたところ、国中がついに安定したということです。

なお、原文の最後の行の「壹與」は、以前ご紹介した『読史叢録』には「臺與」の誤りであると書かれているので、それにしたがい、新字体で「台与」と表記しました。

また、「宗女」とは「正しい血筋の女」といった意味かと思いますが、直系の子孫ではないようです。

次回は、台与について、正しい血筋の女性であることをヒントに、系図から可能性が高いと思われる人物を考察します。

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