古代の日本語

古代から日本語には五十音図が存在しましたが、あ行には「あ」と「お」しかありませんでした。

漢字の音訳に関する訂正

2023-09-24 08:26:28 | 古代の日本語

本ブログの「漢字の音訳が意味するもの」という記事に一部誤りがありましたので訂正させていただきます。

この記事では、水(sui)を「すゐ」(suwi)、類(rui)を「るゐ」(ruwi)などと音訳したとお伝えしましたが、『国語学辞典』(国語学会国語学辞典編集委員会:編、東京堂:1955年刊)という本には次のようなことが書かれています。

1.字音の歴史的かなづかいは、江戸時代後期に理論的に定められたものであること。(本居宣長の『字音仮字用格』で定まり、白井寛蔭の『音韻仮字用例』で補正され、大成した。)

2.しかし、その後の研究で、平安時代中期以前(「い」と「ゐ」の区別が保たれていた時代)の文献に、衰・瑞・墜・維・涙が「すい・ずい・つい・ゆい・るい」と記されていることが新たに判明した。

したがって、水・類についても「すい・るい」とするのが正しいと思われ、実際、『明解古語辞典』(三省堂:1962年刊)にもそう書かれているので、この部分の記述を削除させていただきました。

また、本ブログの「その他の漢字音訳例」という記事についても、同様の理由で該当する部分の記述を削除させていただきましたのでご確認ください。

以上、よろしくお願いいたします。

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