kochikika ノート

旧「こちら某中堅企業企画室」。リーマン話、時事の話、パリーグ話など。ぼちぼちやってます。

プロレス好きからみたサッカースタイルの話

2006-06-14 22:58:04 | スポーツ


サッカーの試合や選手、プレースタイルについて語るときには(他のスポーツでもそうですが)、あくまでピッチ上で繰り広げられる光景のみをベースに行うべきであって、よく日本人は農耕民族であるからサッカーは向かないとか、強豪相手に途中まで善戦するのは先の大戦でも同じであるだとか、監督の采配や育成手法をビジネスマネジメントの世界に例えるような話がありますけど、大きすぎの物差しを使って語るのはいかがなものかと思うのでありますね。

でもそういう話は床屋談義的には面白く、正しい正しくないは別にして、その世界できれいなループを描いて完結しておればよいと思うのですね。
以下、角度を変えたそういう話。真面目なサッカーファンは怒るだろうし、完結もしていないですけど。


こないだのメキシコとイランの試合はハーフタイム前でダウンしたのですが、このメキシコというチーム、フランス大会のブランコのカニばさみ抜き以来、好きなんでありますね。
国歌を歌うときの選手のポーズもヤマトの乗組員みたいでカッコいい。手は拳骨じゃなかったけど。それにあの監督、インパクトあり過ぎ。

もともと体格的に恵まれているわけでもなく、代表の大部分が国内リーグ出身者で固められているにもかかわらず、世界大会に出れば予選突破は確実という実力に、日本サッカー、メヒコを見習うべしという声もファンの間に多いと思います。

メキシコには行ったことがないのでアレなのですが、当方にとっては野球もそこそこ強く、ボクシングも強く、マラソンもそこそこ強く、モータースポーツも盛んで、何よりプロレス(ルチャ・リブレ)が盛んであるという点をもって、サッカーに限らず、この国の人々のスポーツへのマインドというか、捉え方に何やら共有のものを感じてしまうのですね。

もちろんプロレスひとつとっても、片や大相撲から派生してストロングスタイルで成長、片やマスクマンが華麗に飛び跳ねる世界と、やる側の捉え方は180度違うのだけれども、結果として同じジャンルが受け入れられるというのが興味深いんですよね。

プロレス好きが両者のサッカーについて(無理やり結び付けて)言うと、やはり2度のワールドカップ開催というのは大きいと思うのですが、ブランコのカニばさみや、コンフェデでも披露された華麗なパス回し、この動きにルチャの風を感じてしまう。価値観が美しさにあるというか。

ルチャをメキシコ風プロレスと馬鹿にしちゃいけなくて、彼らに「日本の国技は相撲ですが」というと、「一緒にするな」と怒る。これはこれで遺憾なのだけれど、彼らにとって相撲は美しくないんだろうなと。もっと言うと相撲は真剣勝負には見えないということもあるようで、同じショーなら...という側面もあるかもしれません。

相撲の語源は http://gogen-allguide.com/su/sumou.html だそうですが、ルチャ・リブレの意味は「自由な戦い」。またルチャの真髄は流れるような動きの美しさと、技の創造性にあると思うのですが、この文面だけとると、まさにサッカーも同じ。

彼らのサッカーが強いのは、広く国民に共有されたあるべき姿に裏打ちされた型があるからなのかなと思ったりします。
で、わが日本。選んだのはルチャではなく、バーリ・トゥードの国のサッカー。そりゃ「何でもあり」の方が戦ったら強い。

でも日本人バーリトゥーダーと日本人ルチャドール(Jr.戦士含む)、どっちが高い評価を得ているかといえば、おそらくルチャドールの方。
これはどっちが難度が高いという問題じゃなくて、どっちが向いているかという話だと思うのですね。バルカン半島の国やドイツとかにルチャって無理そうだもの。

型があれば、派生する応用は日本人、得意と思われ。また、型があるプレースタイル、日本人ファンは受け入れると思われ。
昨日は「走れー」なんて書いたのですが、スタイルはどうあれ、まずは型から入るのがよいのではないかと。。

#仙台と所沢の試合見てたら、スペイン戦、最初の方見逃してしまった。。

#画像は、名前がメヒコっぽいのでつい無断採用。



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2 コメント

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よく知られた話かも知れませんが (もりしゅん)
2006-06-14 23:52:54
 広島や神戸で指揮を執ったバクスター氏が広島監督当時「イングランドにもブラジルにもその国なりのサッカーが在るのだから、日本も日本なりのサッカーを築き上げるべきだ」と言い、氏なりに現場を通して『日本人』を考察した話を思い出しました。



 曰く「自由を与えても創造性を発揮するタイプではないが、かと言って規則で縛りつけてもきっちり仕事をするわけではない」と。



 自分は当時「そりゃまんま中高生だな」と感じたのですが、いざ自分にとって円滑に仕事が進む職場を考えた場合、結局「持ち場が明確で、その範囲内で絶対的NG事項以外は有る程度自由」である事に落ち着きます。



 で、それって結構野球に顕著な在り方ではないか、とも。



 サッカー日本代表の場合、約束事が厳しい監督の後に自由度の高い監督と振り幅が激しい印象なんですが、将来はこの中間に落ち着いていくのでしょうかね?



 さて、長文ついでにクロアチア戦。豪州戦は半ば自爆的な終盤の崩壊っぷりだった事を鑑みれば、「やるべき仕事をしっかりやる」だけでも結果が意外と良い方向に行くかも、なんて懲りずに期待してます。



 勿論それが難しいから上手くいかないわけですが、先ずはそこからでしょ。
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Unknown (kochikika)
2006-06-15 23:05:49
>日本も日本なりのサッカーを築き上げるべきだ



同じバクスター氏の話で、サッカーを英国なら駐車場である土の上でやってるのには驚いた、というのがあります。



チェコがウルチカ(路地裏)パスを売り物にするなら、日本も土の上&体育会系サッカーがそれなりに昇華してもいいんじゃないかと思ったりするのですが、上記バクスター氏の話は実は韓国での感想であって、その面で昇華させたのは韓国なのかなと思ったりします。



日本の場合、育った土壌でのサッカーではなく、まだ監督しだいというところがあり、その辺が何とも・・・と思う次第です。



ところで、FIFAが日本戦の誤審を認めたとのこと。

またもや違う物差しを当てはめるのなら、初戦を誤審で落としたWBCを思い出してしまうじゃありませんか。



ということで当方も期待はするものであります。
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