優勝争いが終盤までもつれて、大いに盛り上がった初場所は、大関栃東の優勝で幕を閉じました。
このほかにも白鵬がいよいよ本領発揮の予感あり、琴欧州も新大関の場所としてはまあまあ、それぞれの綱とり、大関とり、初優勝と、次場所へのストーリーをつないでくれました。いや、これは対世間へのPRとして大きいのですね。
また平幕でももしかしたら化けるかもの時津海、インタビューが良かった北桜、2年後に期待の北勝力、そして声援が徐々に大きくなるのが嬉しい安馬の活躍は何より。
十両でも期待のトリオ(猛虎浪、豊真将、里山)が揃って勝ち越しと、これまた次場所へつないでくれました。
こうしてみると厳しいようですが、いても期待薄の古株大関が消えたことが、取組的にもかえって終盤の盛り上がりを生んだとも言えます。
「不良債権」とさえ揶揄されてしまう彼らですが、帳簿上の不良債権は償却できても、実在であれば、周囲の「優良化」によって薄めていくしかないのですね。
その点、休場に追い込まれたというのは何やら象徴的ではありましたが、時代の流れに抗する姿もファンにしてみれば応援したくなる要素。頑張っていただきたいと思います。
以前、九州場所の不入りについてのエントリを出しましたが、両国の今場所は、前売りも好調で、場所前には2階席やます席Cを除きほぼ完売の状態だったようです。
満員御礼(札止めではない)も6回ということでしたからね。
私自身は、相撲というスポーツは他のジャンルと一線を画すところがあり、歌舞伎や落語が人気の現在、年齢に関係なくエンターテイメントの選択肢のひとつになりうると思っているので、その将来を悲観することはありません。
観客席を見渡すとわかるのですが、勝負の前は手に汗握りつつも、勝ち負けの瞬間、お客さんは笑っています。
こういうマターリしたジャンルは他に無く、世知辛い世の中で価値があると思うのです。
しかし一方で、スポーツの中でもよりスポンサーとの繋がりが濃厚である大相撲、九州場所から今場所を見ると景気の地域格差・分断を連想せざるを得ません。
地域間でのトリクルダウンが進まなければ、近い将来、九州場所の開催の見直しもあるかもしれません。
土俵上の賑わいが景気の地域格差を超えることができるかどうか、大阪での場所はその点こそ個人的に注目するところです。
・・・しかしgooのジャンル分けでなんで相撲が無いの?