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「親愛なる首相、アメリカでレースをするために辞職させていただきます」

2007-11-09 21:31:27 | ビート/クルマ


こういうこと、言ってみたい・・・


英国の閣外大臣(ポール・ドレイソン)、レース参戦のために辞任
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上院に議席をもち、銀行にはバイオテクノロジーで築いた財産があり、抜け目のないポール・ドレイソン(47歳)は、英国の次のモーター・レーシング・ヒーローにはなれそうにもない。しかし7日、防衛設備支援閣外大臣のドレイソンは、ゴードン・ブラウン首相に対して政治史で最も異例の辞表のひとつを提出し、ル・マン24時間レースで優勝するという夢を追求するために辞任すると説明した。



ドレイソン卿の国防省における本業は、タイフーン戦闘機から自動グレネード・ランチャーまで英国軍に必要な物資の購買である。


しかし彼の中ではさらに大きな情熱が燃えていた。彼は暇さえあればシルバーストンやブランズ・ハッチなどのトラックで6リッターのアストンマーチンDBRS9を時速200マイルで走らせているのだ。今年彼はレースで勝利できるまでに上達し、英国GTチャンピオンシップシリーズでは惜敗した。<訳注:チャンピオンは81ポイント、ドレイソンは75ポイント>


自称「カーマニア」のドレイソンはブラウン首相に「いくつかの特殊な状況により、わたしのレーシングを次のレベルに引き上げる一生に一度のチャンスが現れました」と書いている。


「来年、米国のアメリカン・ル・マン・シリーズに参戦するチャンスがあります。これはル・マン24時間耐久レースという最終的な夢に近づくための重要な一歩なのです」


ドレイソン卿は、革新的な無針注射システムで約8,000万ポンド(190億2,117万円*)の個人資産を築いた。2004年、労働党に50万5,000ポンド(1億1,995万円*)を献金して数週間後、トニー・ブレアにより一代貴族に叙せられた。彼は2005年国防省の政務次官となり、ブラウンがこの夏首相になる3ヶ月前に現職に昇進した。


彼はレーシングカーにおけるバイオエタノール燃料の使用を推進しており、彼が政府を離れるという決断は新たな刺激になるだろうと述べた。ちょうどアメリカン・ル・マン・シリーズ(ソルトレイクシティからデトロイトまで12戦)が、来年から初めてバイオエタノール駆動マシンを認めることになったのだ。


「また、このチャンスは、私がこのレベルで戦えるドライバーに進歩したことにも関係があります」



「残念ながら、これは正規の官庁勤務と両立させることはできません。したがって...レース参戦のために休職させていただきます。レーシングへの野心を追及することをご理解いただきありがとうございます」


彼はブラウン首相に、自身の行動は「環境に配慮したレースにおける英国のモータースポーツ技術を披露する素晴らしい機会」であると強調した。


ドレイソン卿の所属するバーウェル・モータースポーツのチーム・マネージャー、クリス・ニーデルは、より高いレベルでレースをするという元閣外大臣の決断は、より単純な理由があると考えている。


ニーデル氏は「彼には度胸がある」と語る。「今年の彼には驚かされた。最速コーナーでも彼はプロと同じくらい速かった。彼の勇敢さは疑いようもない」


5人の子供を持つドレイソン卿のスピードへの欲求は、常に成功しているわけではない。今年のブランズ・ハッチでの英国GTレース中、彼はトップの座をライバルとホイール・トゥ・ホイールで争っていたが、2台のマシンは衝突し、ドレイソン卿はスピンしてレースをリタイヤした。彼がこのレースで優勝していたら、チャンピオンシップも獲得できただろう。


ニーデル氏は「彼の大きな強みは知性だ」と言う。「つまり彼はチームの指示に従うということだ。また彼はプロのコドライバーでもある。集中力のおかげで素晴らしいドライバーになっている」


ブラウン首相は、ドレイソン卿は夢を追求することで「例によって大胆かつ想像力」を証明したと述べた。首相は「レーシングにおける幸運をお祈りする」と結論し、ドレイソン卿の後任にレディ・アン・テイラーを任命した。


ドレイソン卿は2003年43歳でレーシングを始め、最近になるまで、彼の妻はこれを「中年の危機」だとしてまじめに取り合わなかった。彼の自宅の私道にはロータス・エランが停められている。好きなテレビ番組は "Top Gear" 。アメリカのパンクロック・バンドのグリーン・デイのアルバムを車のCDプレーヤーで聞いている。


伝えられるところによると、彼は1980年代にマーガレット・サッチャーを尊敬していたという。ビジネスの経歴はローバーに始まり、その後ランボルン・フード(製菓会社トレボーのビスケット製造部門)に移った。1993年には革新的な無針注射システムを販売するパウダージェクト社を設立した。


9.11テロ攻撃後、パウダージェクトは天然痘ワクチンの供給を3,200万ポンド(76億86万円*)で政府から受注したが、契約の検討中に彼が労働党に5万ポンド(1,187万円*)の献金をしたことが判明した。その後の監査局および下院の公共会計委員会の調査により、違反はなかったことが確認された。


7日夜、特に2隻の航空母艦、原子力潜水艦の新しい艦隊、新しいハイテク装甲車を含む大掛かりな兵器システム調達プログラムによって軍隊に対する巨額の予算の圧力がかかっている現在、彼の辞職は英国の国防調達プログラムを不安定にするとの懸念があった。


影の国防大臣であるリアム・フォックスは「軍需産業に信頼されている唯一の閣外大臣が、船を見捨ててしまった」と述べた。「これは英国の重要な軍需産業全体に懸念を生じさせるだろう」






地位も名誉も資産もあって、しかも惜しまれる人材なのに、自分の夢に向かって職を辞するって・・・
おんなじ人間なのにこうも違うとはorz